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第3章 石川県能美市における高齢者の購買行動意識調査

3.3 調査結果分析

3.3.1 高齢者の購買行動における現状

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ある本研究における意識調査の結果とは異なる。このことから、本研究の方が より購買行動に課題を抱えている人を対象としていることが示唆される。

また、生鮮三品に関する購買行動をする時の移動時間が質問紙調査では「10 分以内」が67%と最も多く、「20 分以内」も合わせると 89%に上る(図 5(c))。 これは、本研究における聞き取り調査においても同様の傾向が見られた。一般 的に、消費者は日常的な購買行動に対して、20 分以内で行くことができる手段 を選択する。聞き取り調査の結果からは、20 分以上かける場合は、購買行動が 主目的ではなく、他の目的で外出した時になる。

図. 5 能美市「買い物弱者対策に係る調査結果」(2011)より

そして、聞き取り調査の結果から購買行動時における会話の内容についても 分類した。最も多かったのは、店舗先で久しぶりに再会した相手と近況につい て話し合うことである。この時の内容は、自分や自分の家族に関することが中 心的であるが、地域住民に関する生活環境の変化や災害、季節の変化に関する 会話もある。

また、久しぶりでない相手とは会話を通じて知識共創をしている。これは、

主に購買した商品に関する情報や商品の調理方法について話し合うことにより、

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新たな調理方法を創造することを指す。それ以外にも、地域に住む他の住民の 健康状態や近況についての話を通じて、これまでに利用して来なかった病院や 食料品店舗に関する知識を共有する場として、購買行動を活用している例があ ることも明らかになった。

そして、分析の結果から、高齢者の購買行動における困難性は、3つの要因に 分類することが可能であることを明らかにした。それが表 2 の購買行動困難性 決定要因表である。高齢者がどのような要因によって、購買行動が困難となっ ているかを明らかにすることで、適切な対処をすることができるようになる。

購買行動困難性決定要因には、大きく分けて生活要因・サービス要因・アクセ ス要因の3つがある。

表. 3 購買行動困難性決定要因表

生活要因とは、高齢者が日常生活において大きく制限されているために、購 買行動までもが困難になっている状態を指す。これは、金銭理由と老化理由に 分けられる。金銭理由とは、収入が低いために購買行動を遂行することが困難 になることであり、この場合、安い食料品の提供が求められる。老化理由は、

老化によってこれまでと同じような購買行動が取れずに困難性を抱えることで あり、購買行動に対する支援の提案が有効となる。

サービス要因とは、店舗先でのサービスの質や種類により購買行動が困難と なっている状態で、店舗理由と信頼関係理由がある。店舗理由とは、店舗が広 過ぎることや目的の商品が手に入らないことを指す。この場合、消費者である 高齢者の需要に提供者としての店舗側が意見を取り入れて、柔軟に対応できる ことが望まれる。また、信頼関係理由とは、店舗や移動手段を提供している事

要因 内容

生活

金銭 収入が低いために購買行動を遂行することが困難 老化 老化によってこれまでと同じような購買行動が取れ

ずに困難 サービス

店舗 店舗が広過ぎることや目的の商品を手に入れること が困難

信頼関係 事業者や地域住民との信頼関係がなくなったことで 購買行動が困難

アクセス

交通機関 生活リズムに合った公共交通機関の利用が困難 能力 購買行動サービスにアクセスする能力を減退するこ

とによって生じる困難

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業者の対応が、高齢者の需要に合わないことであり、接客態度の変化や対応マ ニュアルの作成等により購買行動の困難性が緩和される。

アクセス要因は、店舗にアクセスすることが困難である状態を示す。これに は、交通機関理由と能力理由がある。交通機関理由とは、主に公共交通機関の 提供する移動手段が、高齢者の生活リズムと合わないことである。対策として は、ルートの見直しや時間の変更等が考えられる。能力理由とは、高齢者が購 買行動サービスにアクセスする能力を減退することによって生じる困難性であ り、利用方法の平易な宅配サービスが解決策の例として挙げられる。購買行動 困難性決定要因表の最大の利点は、高齢者の購買行動における困難性を 6 つの 理由に集約することができるとした点である。