• 検索結果がありません。

高齢者の居住動向を踏まえた福岡市の地域分析

ドキュメント内 <4D F736F F D F18D908F BBE814596DA8E9F2E646F63> (ページ 96-110)

1.福岡市の都市構造的特徴

ここでは、GIS(地理情報システム:Geographic Information System)を用いて、福岡市の街の特 徴を、町丁目単位でいろいろな視点から分析を行ってみた。

GIS

とは、位置や空間に関する情報をもったデータ(空間データ)を総合的に管理・加工し、視覚的 に表示できる高度な分析や迅速な判断を可能にする技術であり、行政、産業活動、国民生活の幅広い分 野において、これまでの諸活動を効率化・迅速化するとともに、従来にはない新しい質の高い様々なサ ービスを産み出し得る技術とされる。コンピュータ上で地図など位置を持ったデータを見ることができ るのはもちろん、必要に応じてデータを定量的に評価することが可能である。

また、町丁目とは、例えば天神1丁目、2丁目、字などの小さな地域単位である。昨年度行った研究 で、各町丁目ごとで、例えば一つの団地が町丁目全域にある場合など、高齢化率が町丁目間で極端に違 うということがわかった。ここで用いたデータは、基本的には平成 15 年時点、また人口関係は平成 17 年の国勢調査のデータを用いて分析を行った。

(1)人口総数

図 4-1 は、町丁目ごとの人口総数を色分けして、図示したものである。これによると、どの町丁目 の人口が多いか、少ないかがわかる。都市部では、4,000 人以上の町丁目が散在しているのがわかる。

また、西区にも大面積の人口の多い町丁目が確認できる。

(2)高齢化率(65 歳以上の人が全人口に占める割合)

図 4-2 は、町丁目ごとに高齢化率を色分けして図示したものである。これによると、どの町丁目が 高齢化率が高いか、低いかが一目でわかり、特に西区や早良区の郊外部などや、都市部でも高齢化率の 高い町丁目があることが確認できる。

図 4-1 人口総数

図 4-3 高齢者福祉施設

(3)高齢者福祉施設

図 4-3 は、市内の老人ホームやケアハウスなどの高齢者福祉施設がどこに位置しているかを示した ものである。これによると、郊外部には、一つの町丁目に数箇所施設があるところも見られるが、概ね バランスよく立地していることがわかる。

(4)在宅福祉施設

図 4-4 は、市内のデイサービスセンターやデイケア施設,訪問リハビリセンター等の在宅福祉施設 がどこに位置しているかを示したものである。この在宅福祉施設も、市内に概ねバランスよく立地して いる。また、西区、早良区、城南区などに、一つの町丁目に4、5箇所施設が集中しているところが確 認できる。

(5)住宅形態(戸建て住宅、共同住宅)

図 4-5、図 4-6 は、市内に戸建て住宅あるいは共同住宅(集合住宅)がどこに、どのぐらいあるの か、を示したものである。これによると、戸建て住宅は、都市部から郊外部に広く立地しており、逆に 共同住宅は、都市部から都心部に集中しているのがわかる。

(6)公共交通機関を利用した場合の到達時間圏

図 4-7 は、都心部天神からバスや鉄道などの公共交通機関を使った時間到達範囲を示したものであ る。都心部天神からどのくらいの時間で行けるかということを示したものであるが、これによると、福 岡市内のほとんどが 60 分圏内に入っており、外環状線内側あたりまでがほぼ 40 分圏内で行けることが わかる。外環状線については、まだ全線開通していないため、明らかな差を確認することは難しいが、

東区の香椎、西区の姪浜、福重、太宰府市近辺等については、高速道路や鉄道機関による影響が明らか に確認できる。

図 4-5 戸建て住宅

(7)鉄道駅

図 4-8 は、地下鉄、JR線、民間鉄道の駅がどこにあり、また各駅を中心に半径1km圏を示したも のである。これによると、市内の東西、南北及び南西部への広がりが確認できる。

(8)バス停

図 4-9 は、バス停がどこにあり、また各バス停を中心に半径 300m圏を示したものである。これに よると、東区から西区まで概ねぎっしりと埋まっていることがわかるが、早良区や西区の郊外部におい て、バス停がごくわずかの町丁目が見受けられる。

(9)高速道路のインターチェンジ

図 4-10 は、高速道路のインターチェンジがどこにあり、その中心から半径1km圏を示したもので ある。これによると、市内の東西、南北及び南部への広がりが確認できる。

(10)土地利用図

図 4-11 は、福岡市の土地利用図である。市の郊外部は、山林や田畑の緑で覆われていることがわか る。

図 4-7 公共交通機関を利用した場合の到達時間圏(天神から)

図 4-8 鉄道公共交通機関の駅の位置と駅から半径1km圏

図 4-10 高速道路のインターチェンジとそこから半径1km圏

※都市高速 5 号線の野芥 IC については、供用間近であるため図示している。

(11)標高差

図 4-12 は、各町丁目ごとに、町丁目の中で標高の一番高いところと一番低いところの差を、色分け して示したものである。確かに周辺部は標高差がかなりあるが、都市部については動植物園のある南公 園や鴻巣山などを除けば、ほぼ平坦であることがわかる。

(12)病院

図 4-13 は、病院が立地している町丁目を示したものである。病院が 1 箇所もない町丁目もなかには あるが、全市的には概ねバランスよく立地していることがわかる。

図 4-12 標高差

(13)商業施設

図 4-14 は、商業施設の割合を示したものである。当然であるが、天神や博多駅近辺の、都心部に多 いことがわかる。全体的に 10%以下の黄色の町丁目が多いが、都市部にも 20%以上のオレンジや赤い ところが点在している。

図 4-13 病院

(14)公民館

図 4-15 は、公民館が立地している位置と、そこを中心に 500m圏内を示したものである。公民館は、

基本的には各小学校校区ごとに設置されており、市内全域で 144 箇所の公民館が立地している。これに よると、都市部では概ねバランスよく町丁目に点在しているが、郊外部においては、500m圏内から外 れている町丁目が多く見受けられる。

図 4-15 公民館 2.福岡市における地域福祉の現状

現在、福岡市で行われている地域福祉施策について、整理してみることにする。

(1)福岡市社会福祉協議会

まず、高齢者を支える地域活動を担っている組織やスタッフ等についてであるが、その中で大きなウ エイトを占めている組織として、「福岡市社会福祉協議会」の存在がある。

「福岡市社会福祉協議会」は、福岡市で暮らす高齢者や障がい者をはじめ、すべての市民が 一人の 人間として尊重され、お互いに理解し合い、連携して共に支え合いながら、住み慣れた地域で健康で安 心して暮らすことができる福祉のまち(地域福祉)を実現するために、社会福祉法に基づき地域住民及 び公私の福祉機関、団体などにより構成された、「公共性」、「自主性」をもった民間の福祉団体であ る。昭和 26 年 12 月に設置され、昭和 40 年 4 月に社会福祉法人となり、全区に社会福祉協議会を設置 し、地域福祉活動の充実を図っている。福岡市社会福祉協議会は、区社会福祉協議会と連携を図り「だ

の支援を行っている。これらの業務の多くは、市の保健福祉行政と連携しながら実施されており、今後 ますます地域福祉の体制面での充実が求められている。

※「ふれあいねっとワーク活動」

地域住民(ボランティア)が各保健福祉関係機関と連携しながら、地域の課題を発見し、話し合い、解決してい く小地域での地域福祉活動。主な内容は、生活支援を必要とする高齢者や障がい者などを必要に応じて訪問し、見 守り等の支え合い活動である。

※「ふれあいサロン活動」

地域住民(ボランティア)が家に閉じこもりがちな高齢者や障がい者などに、公民館や集会所などで行う仲間作 りの交流活動。主な内容は月に1~4回の健康チェックやレクリエーション活動である。

※「ふれあいランチ活動」

地域住民(ボランティア)が食事の準備が困難な高齢者や障がい者などに、週2回、食事を配り、見守りなどを 行う。

※「ふれあいデイサービス活動」

ふれあいサロンの時間延長型の活動で、週1回以上、1回につき4時間程度、公民館や集会所などで行う。

(2)民生委員・児童委員

社会奉仕の精神のもと、地域住民の良き相談相手として、社会福祉の増進に努めるボランティアの 方々の存在も大きいものがある。この民生委員・児童委員の方々の活動内容は、高齢者福祉活動(安否 確認、ふれあい活動など)、生活支援活動(生活保護、生活福祉資金等についての相談など)、その他

(身体障がい者福祉活動、児童福祉活動など)など、業務も多い。特に、担当地域によっては、ひとり で 200 人近いお年寄りのお世話を行うこともあり、重労働ゆえに、またボランティアということもあり、

なかなかなり手がいないという状況である。専門的な社会福祉士等による、有給職という位置づけでの 業務転換を考えていく必要もある。

(3)地域包括支援センター

また、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けることができるよう、保健・医療の向上及び福祉の増進 を包括的に支援する中核拠点として、「地域包括支援センター」が市内に 28 箇所設置されている(表 2-25)。これは、平成 18 年に介護保険制度が改正され、設置されるようになった施設であり、ここで は、保健師、社会福祉士、主任ケアマネジャーの資格を持つ専門的なスタッフが様々な相談等に応じて いるが、まだ設置されて日が浅く知らない人も多いこと、2~3中学校校区にわずか1箇所程度の設置 数、などのため、まだあまり利用されていないようであり、広報誌等によるPRを行い、施設利用の充 実を期待する。

(4)和白東ボランティア「おあしす」

福岡市東区に、地域の中で住民同士が、お互いに助け合い、支え合って、同じ街に住んでいる人が、

安心して暮らせるための手助けをしているボランティア団体がある。ここでは、実際に行われている地 域福祉のひとつの事例について紹介する。

ドキュメント内 <4D F736F F D F18D908F BBE814596DA8E9F2E646F63> (ページ 96-110)

関連したドキュメント