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高齢者における左室重量と骨格筋量との関係

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7.3 高齢者における左室重量と骨格筋量との関係

奥山(清水)靜代,村岡 慈歩,大森芙美子,加賀谷淳子

The relationship between cardiac muscle and skeletal muscle mass in elderly women

目 的

心臓は活動筋の酸素需要に応えるために,心拍出 量を増加あるいは血流配分を増減させ,運動に必要 な酸素の需要を満たそうとする.一方,骨格筋では 筋収縮時に筋ポンプ作用が静脈還流量を高め,心臓 の前負荷を増加させる(Froelicher et al.  2000).す なわち,加齢による骨格筋量の低下(Kanehisa et al. 2004)は心筋や血管動態に対する刺激を低下させる と考えられる.そこで,本研究は高齢者における心 形態と骨格筋量の関連を明らかにし,その関連から 高齢者における運動の重要性を明らかにすることを 目的とした.

方 法

測定の対象者は女性 61 名(年齢: 75.6 ± 5.2 歳)

であった.被験者には事前に目的と内容,測定にと もなう危険性と実験参加の任意性を説明した上で,

実験参加への同意を書面によって得た.

1.心形態の測定

心形態の測定には循環器用超音波診断装置(SYS-TEM  V,  GE)を用い,B モード法で測定した.胸骨

左縁 3 − 5 肋間に 2.5  MHz の探触子をあて,仰臥位安 静時の左室長軸画像を記録した.後日,得られた記 録から大動脈径(AO),左室後壁厚(LVPWT),心 室中隔厚(IVST),左室拡張(LVIDd)および収縮末 期内径(LVIDs)の計測を行った.また Devereux ら

(1977)の式を用いて左室重量を算出した.

Fig. III.7.3-1 Relationship between estimated skeletal muscle  volume  and  left  ventricular  muscle  mass [LVmass] in elderly women.

Significant  correlation  coefficients  were  obtained between  the  estimated  skeletal  muscle  volume  and LVmass in elderly (r = 0.543, p < 0.01).

106 2.筋形態の測定

大腿部筋厚の測定は超音波 B モード法(ALOKA SSD1000, 7.5 MHz)を用いて行った.測定部位は大 腿長の 50 %部位とし,後日,得られた記録より大腿 直筋(VI)の浅部腱膜から,中間広筋(RF)を含み 大腿骨までを大腿前部の筋厚として計測した.また,

大腿前面筋厚を二乗しその値に大腿長を乗じること により,大腿部筋体積を算出した.

結果および考察

大腿直筋と心室中隔厚(r = 0.221,  p < 0.05)お よび中間広筋と左室後壁厚(r = 0.240,  p < 0.05)

との間に有意な関係がみられた.また,心筋および 大腿部筋厚を体表面積で正規化した値においても,

大腿直筋と心室中隔厚との間には有意(r = 0.610, p < 0.05)な関係がみられた.Fig.  III.7.3-1 に大腿 部筋厚から推定した大腿部筋体積と心形態より算出 した左室重量との関係を示した.その結果,大腿部

筋体積が高値を示すほうが,左室重量も高い値を示 し,両者の間には有意(r = 0.561,  p < 0.05)な正 の相関関係がみられ,左室重量は大腿部筋体積と密 接に相関することが示された.以上のことから,心 形態から求めた高齢者の心臓の重量は大腿部筋体積 と密接に相関し,心臓の形態を大きく保つためには,

高齢者も身体運動による筋量の維持が必要と示唆さ れた.

文 献

Devereux RB, Reichek N : Echocardiographic determi-nation of left ventricular mass in man - Anatomic validation  of  the  method.  Circuration,  55:  613-618, 1977.

Froelicher  VF,  Myers  JN  :  Exercise  and  Heart.

Philadelphia, PA, WB Saunders, 2000.

Shimizu  S,  Muraoka  Y,  Ohmori  F,  Kagaya  A  :  The relationship  between  cardiac  muscle,  skeletal muscle  mass  and  vessel  structure  in  elderly women. Jpn J Phys Fitness Sports Med, 55 Suppl : S213-S216, 2006.

8 有疾患者における運動および筋虚血に対する 血流調節プロファイル

−下肢閉塞性動脈硬化保有者における運動下肢血行動態の検討−

長田 卓也

1)

Blood  flow  profile  in  relation  to  exercise-induced  muscle  ischemia  in the patients with peripheral arterial disease

Takuya Osada

■本課題の共同研究者

勝村 俊仁1),村瀬 訓生1),木目良太郎1),下村 浩祐1)および東京医科大学病院血管外科学スタッフ

1)東京医科大学健康増進スポーツ医学

8.1 有疾患者における運動および筋虚血に対する血流調節プロファイル

−下肢閉塞性動脈硬化保有者における運動下肢血行動態の検討−

長田 卓也,勝村 俊仁,村瀬 訓生,木目良太郎,下村 浩祐

目 的

末梢循環障害(Fontaine 分類第 II 度)をきたす下 肢閉塞性動脈硬化症保有者を対象に,運動時におけ る血行動態について検討を行うこととした.

方 法 

末梢循環障害(血管造影にて確認されている)を きたす 5 名の男性閉塞性動脈硬化症保有者(平均年齢 71 ± 2 歳)を対象に,座位姿勢での多段階負荷等尺 性片側膝伸展運動を行った.運動開始前の安静時に

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