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[フロモックス小児用細粒]

(5)

高齢者[「

9

.高齢者への投与」の項参照]

6. 重要な基本的注意とその理由及び処置方法

[フロモックス錠]

ショックがあらわれるおそれがあるので,十分な問診を行うこと。

(解 説)

セフェム系薬剤では副作用としてアナフィラキシーショックが起こることが知られており,シ ョック等のアレルギー反応を防止するために十分な問診を行うこと。

[フロモックス小児用細粒]

(1)

ショックがあらわれるおそれがあるので,十分な問診を行うこと。

(解 説)

「フロモックス錠」の項参照

(2)

本剤を含むピボキシル基を有する抗生物質(セフカペン ピボキシル塩酸塩水和物,セフ ジトレン ピボキシル,セフテラム ピボキシル,テビペネム ピボキシル)の投与により,

ピバリン酸(ピボキシル基を有する抗生物質の代謝物)の代謝・排泄に伴う血清カルニチ ン低下が報告されている。また,小児(特に乳幼児)においては,ピボキシル基を有する 抗生物質の投与により,低カルニチン血症に伴う低血糖があらわれることがあるので,ピ ボキシル基を有する抗生物質の投与に際してはカルニチンの低下に注意すること。血清カ ルニチンが低下する先天性代謝異常であることが判明した場合には投与しないこと。[「

8

(2)

重大な副作用と初期症状」の項参照]

(解 説)

8. (2)

重大な副作用と初期症状

9)

(解 説)」の項参照

7. 相互作用

(1) 併用禁忌とその理由

該当しない

(2) 併用注意とその理由

該当しない

8. 副作用

(1) 副作用の概要

[フロモックス錠]

承認時における安全性評価対象例

3207

例中,副作用は

111

例(

3.46

%)に認められた。

また,臨床検査値の異常変動は,検査を実施した安全性評価対象例

2458

例中,

199

8.10

%)に認められた57)

再審査終了時における安全性評価対象例

5766

例中,臨床検査値の異常変動を含む副作用は

149

例(

2.58

%)に認められた。

(副作用の発現頻度は承認時,再審査終了時の成績に基づく。)

[フロモックス小児用細粒]

承認時における安全性評価対象例

558

例中,副作用は

18

例(

3.2

%)に認められた。

また,臨床検査値の異常変動は,検査を実施した安全性評価対象例

309

例中,

19

例(

6.1

%)

に認められた3)

再審査終了時における安全性評価対象例

3047

例中,臨床検査値の異常変動を含む副作用は

131

例(

4.30

%)に認められた。

(副作用の発現頻度は承認時,再審査終了時の成績に基づく。)

(2) 重大な副作用と初期症状

(いずれも自発報告等で認められたものであるため発現頻度は不明である。)

1) ショック,アナフィラキシー:

ショック,アナフィラキシーがあらわれることがあるので,

観察を十分に行い,不快感,口内異常感,喘鳴,眩暈,便意,耳鳴,発汗,呼吸困難,血 圧低下等があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。

2) 急性腎不全:急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので,定期的に検査を

行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行う こと。

3) 無顆粒球症,血小板減少,溶血性貧血:無顆粒球症,血小板減少,溶血性貧血があらわれ

ることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合に は投与を中止し,適切な処置を行うこと。

4) 偽膜性大腸炎,出血性大腸炎:偽膜性大腸炎,出血性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎

があらわれることがあるので,腹痛,頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止 するなど適切な処置を行うこと。

5) 中 毒 性 表 皮 壊 死 融 解 症 ( Toxic Epidermal Necrolysis

:TEN) , 皮 膚 粘 膜 眼 症 候 群

(Stevens-Johnson症候群),紅皮症(剥脱性皮膚炎):中毒性表皮壊死融解症,皮膚粘 膜眼症候群,紅皮症(剥脱性皮膚炎)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,

異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。

6) 間質性肺炎,好酸球性肺炎:間質性肺炎,好酸球性肺炎があらわれることがあるので,

発熱,咳嗽,呼吸困難等の症状があらわれた場合には投与を中止し,速やかに胸部

X

線 検査,血液検査等を実施し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

7) 劇症肝炎,肝機能障害,黄疸:劇症肝炎等の重篤な肝炎, AST

GOT

),

ALT

GPT

),

Al-P

等の上昇を伴う肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,定期的に検査を行 うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行う こと。

(解 説)

国内において,本剤との因果関係を否定できない「劇症肝炎」が

6

例報告されたことから,「重 大な副作用」の項に追記し,注意喚起を図ることとなった。代表的な症例の概要を次に示す。

2007

1

月追記)

症例の概要(劇症肝炎-フロモックス小児用細粒)

患者 1日投与量 投与期間

副作用 性・年齢 使用理由

(合併症) 経過及び処置

男・10 未満

上気道炎

(てんかん)

50 mg 1日間

(投与約36ヵ月前) てんかん発症のため,カルバマゼピン投与開始

(当科紹介時300 mg/日投与中)

(投与約28ヵ月前) てんかんに対し,フェニトイン投与開始

(当科紹介時110 mg/日投与中)

投与日 発熱を認めたため,午前中に前医受診

白血球数16000 /mm3CRP 2.1 mg/dLASTGOT49 IU/L ALT(GPT)29 IU/L

塩酸セフカペン ピボキシル細粒,水薬(詳細不明)を処方さ れ帰宅

いずれも1回のみ服用 同日夜からうとうとしだした。

中止1日後 うとうとする時間が長く,服薬もできなかった。

2日後 前医再診,血液検査で肝不全と診断され,当科紹介転院。当 科入院時,AST(GOT)7070 IU/L,ALT(GPT)4100 IU/L,

PT 8%,肝性昏睡Ⅳ度が認められたため,劇症肝炎と診断さ れた。CV(中心静脈)確保後,メシル酸ナファモスタット,

ステロイドパルス,塩酸セフォチアム,グリチルリチン・グ リシン・システイン配合剤を点滴投与,ラクツロース,硫酸 カナマイシンを経鼻注入,D-ソルビトール・D-マンニトール 配合剤を点滴投与

1回血漿交換+血液透析施行

カルバマゼピン,フェニトイン投与中止

3日後 ASTGOT2985 IU/LALTGPT1886 IU/LPT 31 2回血漿交換+血液透析施行,JCSJapan Coma Scale 1桁に意識レベル改善

4日後 ASTGOT569 IU/LALTGPT769 IU/LPT 34 3回血漿交換+血液透析施行

5日後 ASTGOT171 IU/LALTGPT381 IU/LPT 82 人工肝補助療法は施行せず,経過観察

脳波所見改善

肝不全用成分栄養剤を経鼻注入開始 7日後 CV抜去

8日後 経口摂取開始

11日後 DLST施行:塩酸セフカペン ピボキシル(陽性),フェニト

イン(陽性),カルバマゼピン(陽性)

14日後 軽快〔ASTGOT43 IU/LALTGPT62 IU/LPT 96%〕

全身状態良好にて,他院へ転院

既往歴 ウイルス検査結果(入院時):IgM-HA抗体(-),IgM-HBc 抗体(-),HBs抗原(-),HCV抗体(-),EBV-VCA IgG:80倍,EBV-VCA IgM:<10倍,EBV-EBNA:40倍,

CMV IgG14.3CMV IgM0.21,エコーウイルス抗体11 型:<8倍,アデノウイルス抗体(CF):<4倍,コクサッ キーウイルス抗体A9型:16倍,コクサッキーウイルス抗体 B3型:16

なし

併用薬 フェニトイン,カルバマゼピン

臨床検査 の推移

投与前 投与中止

(投与日) 2日後 3日後 4日後 5日後 14日後

AST(GOT) (IU/L) 49 7070 2985 569 171 43

ALTGPT IU/L 29 4100 1886 769 381 62

Al-P (IU/L) 926 1328

LDH IU/L 267 6460 558 340 194 226

γ-GTP IU/L 203

総ビリルビン mg/dL 0.21 2.6 2.1 2.4 1.4 0.6 アンモニア (µg/dL) 79 111 86 97 37 プロトロンビン時間 (%) 8 31 34 82 96

症例の概要(劇症肝炎-フロモックス錠)

患者 1日投与量 投与期間

副作用 性・年齢 使用理由

(合併症) 経過及び処置

男・50 抜歯後の 感染予防

(なし)

300 mg 3日間

投与開始日 某歯科医にて,抜歯後の感染予防として塩酸セフカペン ピボキシル 錠を処方された。

同時に塩化リゾチーム,ビオヂアスターゼ1000配合剤も処方された。

投与開始3日目

(投与終了日)

塩酸セフカペン ピボキシル錠,塩化リゾチーム,ビオヂアスターゼ 1000配合剤の投与終了

投与終了約2週間後 黄疸,全身倦怠感を自覚

18日後 近医にて,肝障害〔AST(GOT)908 IU/L,ALT(GPT)1211 IU/L,

総ビリルビン10.6 mg/dL,直接ビリルビン7.0 mg/dL〕を指摘 20日後 A病院に入院。グリチルリチン・グリシン・システイン配合剤100 mL/

日,FFP(新鮮凍結血漿)輸注開始

26日後 AST(GOT)815 IU/L,ALT(GPT)1176 IU/L,総ビリルビン25.1 mg/dL,直接ビリルビン16.1 mg/dL,アルブミン2.3 g/dL,アンモニ 165 µg/dLPT 28%,HPT 17%と改善は乏しい。

27日後 当院へ転院。意識状態は肝性脳症Ⅱ度,AST(GOT)667 IU/L,ALT

GPT915 IU/L,総ビリルビン27.2 mg/dL,直接ビリルビン17.3 mg/dL,アンモニア121 µg/dL,PT 30%,HPT 22%

直ちに血漿交換施行

28日後 血液検査値より改善を認めたため,血漿交換行わず,FFP輸注のみ行 った。

29日後 AST(GOT)438 IU/L,ALT(GPT)690 IU/L,総ビリルビン31.0 mg/dL,直接ビリルビン17.4 mg/dL,アンモニア221 µg/dLPT 31%,

HPT 21%と悪化,意識状態も肝性脳症Ⅳ度と悪化

ステロイドパルス療法(コハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム 1 g× 3日,以後漸減),血漿交換連日(4日間),持続ろ過透析連 日を開始

33日後 意識は肝性脳症Ⅳ~Ⅴ度と不変。血漿交換を一旦中止し,FFP輸注 34日後 肝再生を促すため,ソマトロピン3.9 mg皮下注投与(3日間)

36日後 意識状態は肝性脳症Ⅱ度程度に改善。血液検査でも改善傾向 38日後 午後より高熱発現。意識レベルもやや低下。イミペネム/シラスタチン

0.5 g/日,γ-グロブリン2.5 g/日と共に,エンドトキシン吸着療法を 施行

39日後 カテーテル培養,血液培養でMRSA検出,テイコプラニン800 mg/

日追加

41日後 やや解熱傾向であったが,意識状態はⅢ~Ⅳ度に低下,尿量も減少傾

腎機能も徐々に悪化,BUN 47 mg/dL,クレアチニン3.2 mg/dL 42日後 血圧低下に対し,塩酸ドパミン,塩酸ドブタミン,ノルエピネフリン

使用していたが,徐々に血圧低下,死亡 死因:劇症肝炎,敗血症

副作用と死亡の関連性:あり 剖検所見:あり

既往歴 IgM-HA(-),HBs Ag(-),anti-HBs(+),HBV-DNA:<

3.7 LEG/mLanti-HCV(-),HCV-PCR(-),CMV-IgM(-),

CMV-IgG(+),EBV-VCA IgG:160倍,EBV-VCA IgA:<10倍,

EBV-VCA IgM:<10倍,EBV-EA IgA:<10倍,EBV-EA IgG:<

10倍,抗EBNA:40倍,PV-19 IgM(-),抗核抗体:18.9 なし

併用薬 塩化リゾチーム,ビオヂアスターゼ1000配合剤

臨床検査 の推移

投与終了

18日後 26日後 27日後 29日後 37日後 41日後

AST(GOT) (IU/L) 908 815 667 438 62 77

ALTGPT IU/L 1211 1176 915 690 82 71

Al-P IU/L 409 391 315 410

LDH (IU/L) 855 395 343 668

γ-GTP IU/L 229 33 36

総ビリルビン mg/dL 10.6 25.1 27.2 31.0 26.8 31.5 直接ビリルビン mg/dL 7.0 16.1 17.3 17.4 15.7 18.1 アルブミン g/dL 2.3 3.3 3.2 アンモニア (µg/dL) 165 121 221 74 132 プロトロンビン時間 (%) 28 30 31 ヘパプラスチンテスト (%) 17 22 21

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