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1 .アメリカにおける先進的音楽教育関音楽活動について …  …  …  1 ‑ 1   ニューイングランド音楽院 r E n t r e p r e n e u r i a lM u s i c i a n s h i p  P r o g r a m J  

1.

イントロダクション

「5年後もし君たちが結婚していて子供が いたら年収がいくらあればボストンで生活し ていけると思う?」と言う質問で講師のEd Gazouleas氏(ボ、ストン交響楽団ビオラ奏者 でニューイングランド音楽院教授)はその日 の授業を始めた。「もし怪我や故障で楽器が 弾けなくなり仕事が出来なくなったら?医 療保険はどうするけ問いかけられた学生 のひとりが答える。「多分、年間500万は生 活費として必要。怪我や故障で仕事が出来 なくなることなど考えたことがなかった

Gazouleas氏が対応する。「経済的安定を得 ることも音楽家としての成功また人生設計の ひとつ。それにはまずお金に対する賢い知識 を得る必要がある。現実を直視し今から人生 のキャッシュフローをシュミレーションする ことは、音楽家であったとしても社会人とし て当然のこと。」その他、クレジットカード の負債は決して作るな、保険にはきちんと入 れ等々、音大3年生を相手に今日のテーマは Personal Financial Plan である。授業の終 わりにはプレスキット(自分を売り込む際に 渡す資料一式で、経歴書、写真、付録資料等 が含まれる)作成に必要な具体的なツール、

自己のウェブサイトやブログを立ち上げる際 に有効なインターネットサイト、音楽プロ ジ、エクトに助成してくれる団体のリスト、そ してマンツーマンでのキャリア面談の予定が 伝えられた。

これは米国最古の音楽専門学校としての 歴史を誇るボストン、ニューイングランド 音 楽 院 NewEngland Conservatory (以下 NEC)が2010年度より新しくスタートした EntreprneurialMusicianship (音楽起業家)

ボストン交響楽団マネジメントのトップ、 MkVolpe 

氏をゲストスピーカーに迎えたクラスの様子。この日の テーマは Whete the money comes fromであった。

コースの授業でのlコマである。

2.プログラム設立の経緯と理念

在学生、卒業生のキャリア開発に取り組 んで18年、学生が有志で参加でき地域の 様々な施設での演奏機会を得る Community Prformances& Partnershipsプログラムを スタートさせ8年となる NECが、その集 大成としてキャリア開発プログラムを体系 的にまとめ更に 音楽起業家 というコン セプトをプラスし2010年9月の秋学期より スタートさせたのがこの「Entrepreneurial Musicianship Program (音楽起業家プログ ラム)」である。これまではキャリアサービ ス部がNEC学内にあり、そこで経歴書その 他自己マーケテイング資料、ウェブサイト立 上げ等へのアドバイスや芸術団体でのイン ターンシップの照会、マンツーマンでの総合 的キャリア相談などを必要に応じて学生に提 供してきた。この既存の部門をリソースセン ターと位置付け、引き続き親密に提携しなが ら、 EntrepreneurialMusicianship Program  は、学生である今現在から卒業後実社会で直 面するであろう現実問題、例えばコミュニ

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ケーシヨン、ネットワーク作り、金銭マネジ メント、健康等をクローズアップし、その考 える動機や対処方法例等を提示する。音楽演 奏技術習得以外に実際のキャリア構築に必要 な項目を体系的に検証していくのだ。また一 方で、従来の音楽家の雇用形態、例えばオー ケストラや大学、その他音楽関連機関に雇用 される、またはフリーランスになるに加え、

自ら音楽事業を起業したり新たな雇用機会を 創出できる様なクリエイテイブな音楽起業家 の育成を目的とする。全学生への必修科目の lつとなっている。

3 .

プログラムの目的

音楽家として、また一個人としての学生が 持つ有効性と許容範囲を最大限に伸ばし、変 化する市場や聴衆、また厳しさを増す経済状 況からなる複雑な現代社会で成功出来るプロ フェッショナJレな音楽家を育成する。同時に 音楽(教育)産業で音楽企業人として成功で き、将来このコースにアドバイザーの立場で 戻り、次世代の音楽家達のロールモデルとな る様な人材を養成する。コースは専攻に限ら ず全学生への必修科目とし、専攻楽器・分野 を超え互いに学び合い刺激し合うセッション 形式の授業とする。コースが掲げる重要ポイ

ントは以下の通り。

・今日に可能な新しい機会を見つけ創り上 げる企業家精神を発奮する。

・音楽家として個人としての人生での成功に つながるキャリア構築機会の創出プロセス を、具体的なツールを提供しながら指導する0

・企画立案からリサーチ、実行プロセス、

実施、そして事業評価まで、音楽プロジ、エ クトの遂行過程を具体的ツールを提供をし ながら段階に沿って教授する。

・現行のNECキャリアサービスセンターのリ

クラス内に設置されたホワイトボードに学生やその他関 係者が考えるEntrepreneurMusician (音楽起業家)の イメージを自由に書き込める様になっている。

に存在するニーズや機会を学生につなげる。

.学生に急速に変わりゆく社会また音楽業 界への対応準備をさせる。

4.カリキユラム慨要

学生が個々のゴール、成功の定義を考え、

それらを盛り込んだ具体的なキャリアプラン またはプロジ、エクトプランをアドノTイサ、ーの 指導を受けながら学期中 2度、実際に作成 する事が、このコース最大の課題となる。

コースは通算14週、 l授業50分、 2コー スが設置されている 火曜日 4:00‑4:50pmま たは木曜日 12:0012:50pm。コースを必修に する試みとして短時間でフレキシブルな時間 帯に設置された。

プログラムの専属スタッフは2名、また自 らが音楽起業家として活躍する専任講師が 14週間通して指導。加えてゲストスピーカー

(新規音楽事業を起業したり音楽起業家と定 義され実際に活躍する音楽家、オーケストラ の執行部、音楽産業マーケティング担当者、

メディア専門家、プロモータ一等)が頻繁に 授業に登場する。

2010年秋学期の授業テーマ

l週日音楽起業家モデルの検証及びケース

2週目:自己を最大限有効にするゴール、行動、

信念

3週目キャリア開発における段階

4週日.私は誰?何がしたい?専門性・実行 可能な事業の分析そして開発

5週目:成功を企画するー1/ゴール設定とタ イム・マネジメント

6

週日:成功を企画するー

2

/マネー−マネジ メントその予想と現実

7週目事業プランを書く

8週目チーム結成/プロジ、エクトを遂行す る際に必要な5人とは?

9週日:キャリア成功必須ツール 10週日コンサート制作

11週日 レコーディング&リリース

12週目ファンドレイジング/助成金・スポ ンサーシップその他資金調達源 13週目:インターネット&ソーシャルメデイ

アマーケテイング 14週日:提携・連携先を探せ 5.プログラムのその他の特色 アドバイザ}制度

創造性、事業性、生産性、独立性に代表さ れる起業家精神を、前述した体系的なカリ キュラムを通し学生に考えさせ、シミュレー ションさせる機会を与えながら全員のボトム アップを図る一方、専攻を超えて集まる学生 の持つ個々の違った課題に対応する為、「ア ドバイザー制度」が組み込まれている。マー ケテイング、広報、ファンドレイジング、マ ネジメントに代表される分野の専門家90名 程度のボランテイアリストがあり、個々の学 生が必要とする分野の専門家がアドバイザー として学生ひとりひとりに割り当てられる。

l対1のコンサルテイングが基本で、特に キャリアプランまたはプロジェクトプランを 立てる課題に取り組む際に、学生に具体的な

アドバイスを提供する。

音楽起業家事業助成金制度

毎学期、 NEC全学生対象に公募された創 造的で実行性のあるプロジェクトに助成金を 供与する制度。助成金額は$500 $1,5( D。 助成されたプロジェクトは当該学生または学 生グループが資金マネジメントを含め全てを 遂行し、音楽制作を実社会でのマーケットに 結び付けてゆく経験を積む。事業の進捗状況 をプログラムのブログページまたはフェイヌ ブック(Facebeck)ページに掲載し共有す ることが義務付けられている。

6 .

コースへの学生の反応友び令後の課題 2010年秋学期のコース修了時に行われた 学生へのアンケートからその傾向と今後の課 題を以下にまとめる。

. 音楽起業家 というコンセプトを初めて 知り大変興味を持ったという学生がほとん どを占める中、受講した90名のうち2割 程の学生は、卒業後のキャリア開発や音楽 起業家養成に焦点をあてたプログラムにま だ実感が湧かない、目先のオーディション や演奏会の実技練習で時間的、精神的に余 裕がないと感じている。

聞音楽家として今後想定される現実的な課 題故障や健康問題、金銭マネジメント、

人脈づくり、プレゼンテーション能力の向 上等、を克服する為の情報やスキルをもっ

 

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