本章では第3章で提案した非接触呼吸モニタリングシステムおよび第4章で提案 したリハビリ「Timed Up & Go Test」の時間計測システムから構成される、非接触 生体情報センシングの医療福祉応用システムの概要を述べる。本医療福祉応用シス テムは、非接触呼吸モニタリングおよびリハビリ「Timed Up & Go Test」の時間計 測システムの実行および結果のプロットを、よりインタラクティブで直観的な操作 が可能で分かり易いグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)を用いて作成 した。
5.1 GUI の概要
今回作成した、2つのSimulinkモデルを用いたシステムのGUI(図5-1)につい ての概要を述べる。MATLABのguide機能を利用して、GUIの作成を行い、次の 7つの機能を実装した。
1. 呼吸モニタリングおよびTUGテスト時間計測システムの起動・停止 2. RGB+skeleton映像およびRGB映像の出力
3. Kinectの角度設定
4. 胸部および腹部の呼吸波形のプロット 5. 胸腹部呼吸波形重ね合わせプロット
6. 胸部および腹部の呼吸波形のリサジュー波形のプロット 7. リハビリTUGテストの測定時間の表示
8. Kinectが骨格を検出しているかの表示
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図5-1 非接触生体情報センシングの医療福祉応用システムのGUI
次に、各機能の概要を述べる。
5.2 呼吸波形及びリサジュー波形の表示
非接触呼吸モニタリングシステムを動作させることにより、システムから呼吸に 伴う胸腹部変動の測定値を得る事によりその値をプロット可能となる。胸部、腹部 の呼吸波形表示と胸腹部呼吸重ね合わせ波形リサジュー波形の出力を行う。胸部、
腹部波形に関しては通常の値と波形整形のための長さ 30 の移動平均フィルターを かけた値の出力を行う。その際システムが起動して 5秒後を 0 秒として、15 秒間 の波形表示を行う。すなわち、実際にシステムが起動してから5 秒後から20 秒後 間の値を用いている。これは、Kinect起動直後の不安定な動作による影響を取り除 くためである。また、移動平均フィルターをかけた値は、Nを移動平均フィルター の長さとすると、(N − 1)
⁄ (2 サンプル)の遅延を持つのでその補正処理も行う。な お今回は1サンプル1/30秒で、長さ30なので、元の時間をt、補正した時間を tfil とすると、以下の式が成り立つ。
tfil= t − (14.5 30⁄ ) これを用いて、波形の時間合わせを行う。
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次に、胸腹部呼吸波形の呼吸重ね合わせのオフセット調整について述べる。まず tfil が0より大きい、すなわちプロットの対象となる初めの時間ベクトルの項の腹 部と胸部のベクトルの項の差をとる。この差を片方のベクトルから引くことにより プロットの初めの値を合わせる。次に2つの波形の変位を合わせることにより更に 見やすくする。2 つの波形の最大値、最小値を取り出し、その差を取り出す。その 差の割合を算出し、片方に変化の割合をかけることにより、変位を合わせる処理を 行う。次に時間軸の中心付近すなわち7.5秒付近の合わせを行うことで、重ね合わ せた波形を表示する。
最後に、リサジュー波形の表示の処理について説明する。リサジュー波形も呼吸 波形と同様の処理を行い、動作初めの 5 秒間の値を切り捨て、5 秒後から 20 秒後 までの間の 15 秒間を観測し、表示を行う。また、リサジュー波形の表示も元の値 を使用したものおよび、長さ 30 の移動平均フィルター処理を施した値を使用した ものの2種類について表示することとする。
5.3 「Timed Up & Go Test」の測定時間の表示
リハビリ「Timed Up & Go Test」の時間計測システムを動作させ、測定を行い、
システムから計測時間の値を取り出し、リアルタイムで GUI 上のリハビリ時間表 示と書かれたテキストボックス上へと書き出すことにより測定時間の表示を行う。
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