尿素とP 1 による ろ別 包接結晶
3. 電荷移動相互作用とは
電子を与えやすい分子
(ドナー:
D)と受けやすい分子
(アクセプター:
A)を 混ぜると、ドナーからアクセプターへ電子が受け渡され錯形成する。
D A D
δ+A
δ−O
O H
H
O
O
O
O
ドナー アクセプター
電荷移動によるキンヒドロンの生成
O
O H
H
O
O
O
O H
H
O
O
ΔE
1ΔE
2分子内の吸収 分子間の吸収 ヒドロキノン パラキノン
パ ラ キ
ノ ン ヒ
ド ロ キ ノ ン
速やかに錯形成し
黒色金属光沢の分子に 変化する
ν hc λ h
E = =
HOMO LUMO
光の吸収: ΔE' < ΔE
1, ΔE
2長波長の光を吸収
.. .. .. ..
.. .. .. ..
ΔE'
『現代物性化学の基礎』小川桂一郎・小島憲道 共編(講談社サイエンティフィク)
分子軌道からバンドへ
π−π
*遷移による光吸収
共役系が伸びるに従い、小さいエネルギーの光吸収で励起される。
HOMO(Highest Occupied Molecular Orbital):最高被占軌道
電子の入った軌道のうちで、エネルギーのもっとも高いもの。
LUMO
(
Lowest Unoccupied Molecular Orbital):最低空軌道 空軌道のうちで、エネルギーのもっとも低いもの。
HOMO
h ν
HOMO
LUMO LUMO
ΔE
ΔE
h ν
h
ν
= ΔE = ELUMO − EHOMOを満たす光のみ吸収される。
エチレン
ブタジエン
n = 2 n = 5 n = 6 n = 8
n = 10 ε x 10-3
(n = 2,3,5,6) 180
160 140 120 100 80 60 40
20
0 200 240 280 320 360 400 440 480
波長/
nm0.8
0.6
0.4
0.2
0.0
相対強度 (
n= 8,10)
n = 3
共役ポリエンの溶液の色 H(CH=CH)
nH
n = 1 エチレン 165 nm
n = 2 ブタジエン 217 nm
n = 3 ヘキサトリエン 268 nm
n = 4 オクタテトラエン 304 nm
n = 5 デカペンタエン 334 nm
n = 6 ドデカヘキサエン 364 nm
n = 7 テトラデカヘプタエン 390 nm
n = 8 ヘキサデカオクタエン 420 nm
n = 10 エイコサデカエン 450 nm
C C
C C
C C H H
H H
H H H H
n = 3
(オクタン中)
非常に共役数の長いポリエン化合物として、1958年にジュリオ・ナッタらがチーグラー・ナッタ触媒で アセチレンを重合させ、黒色の不溶・不融な粉末としてポリアセチレンの合成に成功した。その後、旗 野らの研究によりこのポリアセチレンは長い共役2重結合を導電経路とした電気伝導が行われる典 型的な有機半導体の1つであることが明らかにされたが、不溶・不融の粉末であったため高分子の基 本的な性質である分子量を測定することができず、また期待された特異な電気的・光学的な性質も 十分に測定できなかった。
しかし1967年、東京工業大学の池田・白川研究室に在籍していた学生が触媒の濃度を「m」の文字 に気づかず1000倍にするという失敗が元となり、従来より濃厚なチーグラー・ナッタ触媒の界面にて アセチレン重合を行うことで薄膜状のポリアセチレンを得ることに成功し、その構造と性質について詳 細な研究を行った。さらに、1977年に白川博士らはポリアセチレンにヨウ素などの電子受容体(アクセ プター)やアルカリ金属などの電子供与体(ドナー)をドーピングすることで、102 S/cm と金属に匹敵す る電気伝導度を示すことを見出した。これにより、導電性高分子の道が拓かれた。
ポリアセチレンと白川英樹博士のノーベル化学賞
http://www.google.co.jp
http://www.google.co.jp/kagaku21.net
ポリアセチレンの構造