4.3 シミュレーション結果
4.3.3 電磁場中での粒子軌道
とがわかる。また、実効ポテンシャル(3.22)は図10(b)であり、初期条件であるrˆ= 1で 交点を持っている。ˆr <1の範囲で実効ポテンシャルがエネルギーの値よりも小さくなっ ているため、ˆr <1で粒子運動が起きることがわかる。すなわち、今回の場合は中心に落 ちる軌道になることが実効ポテンシャルからも確認できる。
以上より今回新しく提案した特殊相対論での実効ポテンシャル(3.22)は粒子軌道の近 日点・遠日点や粒子軌道の有界軌道・非有界軌道などが確認できることがわかった。
-1 -0.5 0 0.5 1
-1 -0.5 0 0.5 1
y
x (a) vˆy,init= 0.75
-1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5
-1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5
y
x (b) ˆvy,init= 0.80
-10 -5 0 5 10
-10 -5 0 5 10
y
x (c) ˆvy,init= 0.85
図 9: シミュレーションによる粒子軌道と実効ポテンシャルによる粒子の運動できる範囲。青線 がそれぞれのvˆy,initでの、粒子軌道であり、赤線が原点から近日点もしくは遠日点までの距 離を半径とする円である。(a)では近日点がrˆ≈0.38となっており、粒子運動範囲の下限と なっていることがわかる。(b),(c)では遠日点がそれぞれrˆ≈1.4,8.3となっており、粒子の 運動範囲の上限となっていることが確認できた。
-1 -0.5 0 0.5 1
-1 -0.5 0 0.5 1
y
x
(a) ˆvy = 0.7のときの粒子軌道
-1 -0.5 0 0.5 1 1.5
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4
energy
r
Vr’
Er
(b) 実効ポテンシャル
図 10: ˆvy,init= 0.70での粒子軌道(a)と実効ポテンシャル(b)。vˆy,init = 0.70では粒子は中心に落 下する軌道になっている。実効ポテンシャル(b)より、初期条件のrˆ= 1でエネルギーと の交点を持ち、r <ˆ 1の範囲で粒子の運動が起きる。
である。
今回は背景に磁場をBˆz = 0.01,電場はEˆx = ˆx/ˆr3,Eˆy = ˆy/ˆr3 とした。初期位置は (ˆx,y) = (30,ˆ 0)とし、速度の初期条件は(ˆvx,vˆy) = (0,vˆy,init)としてˆvy,initを0.2と0.5とし てシミュレーションを行った。ˆvy,init = 0.2の場合は図11であり、原点を中心にサイクロ トロン運動を行いながら周期的に回転していることがわかる。ˆvy,init = 0.5の場合は図12 であり、サイクロトロン運動の半径が大きくなっているが定性的な粒子運動はvˆy,init = 0.2 の場合と同じようである。
-60 -40 -20 0 20 40 60
-60 -40 -20 0 20 40 60
y
x
図 11: ˆvy,init= 0.2のときの粒子軌道。原点を中
心にサイクロトロン運動のしていること が確認できる。
-150 -100 -50 0 50 100 150
-150 -100 -50 0 50 100 150
y
x
図 12: ˆvy,init = 0.5のときの粒子軌道。図11に 比べてサイクロトロン運動の半径は大き くなっているが、定性的な運動は同じこ とが見て取れる。
5 制動放射
荷電粒子が加速度運動をした際に電磁波を放射する制動放射という現象がある[11, 13, 16, 22, 24]。荷電粒子の電磁波放射に伴い点電荷自身の持つ力学的エネルギーは減少する。
この現象は放射の反作用といい、これは電荷の運動に対して、減衰力として運動方程式に 反映されるはずである。この章では、まず古典論での電磁波の放射と減衰力を考え、その ときの運動方程式についてまとめる。次に放射減衰を相対論に拡張し、運動方程式を導出 する。
5.1 電磁場の波動方程式
5.1.1 マクスウェル方程式