第 3 章 シミュレーション結果
3.2. 演算結果( FRC の場合)
3.2.4 電流減衰
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Fig. 2.59 θ方向電流の中央面r
/
rwall 0 . 415
点時間推移.Fig. 2.60 θ方向電流の中央面積分値の時間推移.
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まず,Fig. 2.59より,Spheromakモデルとは異なって中性化による電流減衰差が生じてい ることが読み取れる.しかし,中性化は減衰ではなく増加方向に作用している.これは,
低速イオンによる電場変化で生じている.
また,Fig. 2.60より,興味深いことに積分値は中性化の有無に関わらず減衰では無くて増 加を示している.ただし,中性化によって増加量が低下しているのが読み取れる.この増 加に関しては,θ方向電流の中央面分布時間推移を示して考える.
(※なおFig. 2.59, 2.60における中性化なし分布の経過時間が長いのは,低速イオンの計算
負荷がないため,その分だけ多くタイム・ステップを進めることができたためである.)
Fig. 2.61 θ方向電流の中央面時間推移分布.(中性化あり.)
Figure 2.61のように,θ方向電流のピーク点(O-point付近)が減衰する一方で,セパラト
リクス付近での電流増加が見られ,装置軸方向にシフトしている.この変化によって中央 面積分量が増加している.だだし,Fig. 2.61では1.56 [s]を境にシフトする速さが減少して おり,一時的な変動である可能性がある.しかし,本FRCモデルは計算環境の関係上,計 算時間が短く,この増加が一時的なものであるかは判断できず,将来的に検討すべき課題 である.(中性化による変化があるかどうかを追及する,という本来の研究課題は達成した.)
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3.3. Spheromak と FRC での中性化挙動差
3.1及び3.2章の演算結果より,SpheromakとFRCでは中性化による影響,すなわち磁場・
電場,電流減衰等が中性化によって変化するかどうかが異なった.Spheromakではほぼ変化 が見られず,FRCではほぼすべての分布で差が生じた.本研究の目的として,中性化過程 による挙動変化を調べることを挙げているため,これは非常に重要なことである.何故な
ら,Spheromakの方は中性化が大幅に進み,高速イオン密度が大幅に低下しているのに対し,
FRCはまったく中性化されていないのに場の変化が生じた.これは,シミュレーション側・
実験側共に過去の経験則から簡単に納得する結果ではない.
よって,本節では何故このような差が生じたのかを検証する.
3.3.1 電場モデルの差
最初に,本シミュレーションのSpheromakとFRCでは電場モデルに大きな違いがある.
それは,(2.18)と(2.49)式を比較して分かるように,
u
e B
(ローレンツ)項の有無である.なお,本来の厳格な電場モデルは,運動論的方程式の一つであるボルツマン方程式より 得る電子の運動方程式
e
eie e e
e e
e
d
d
v E v B R
p enn t
m (2.59)
をEについて整理したものである.本ハイブリッド・モデルに採用するに当たっては,電 子の質量が小さいため慣性項
n t
m
d
d
ee e
v を無視し,簡単化のために粘性項
e(テンソル)を除外している.この操作自体は,本研究室の既存研究[32, 33]によってFRCの平衡電場をほ ぼ正確に再現することに成功しているため問題ないと考える.
しかし,上記のモデルをSpheromakに適用したところ,Fig. 2.62のような非常に大きいか つ空間的に偏った初期電場分布が生じてしまった.この初期分布では,数値振動の発生等 によって時間発展を解くことができかった.そこで試行錯誤により,
u
e B
項を除外するという妥協を行い,時間発展が計算可能な状態になった.しかしながら,次節で記載する
p
BJ について計算したところ,この操作は適切でないことが判明した.
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Fig. 2.62 R方向電場の中央面分布.(
u
e B
項を含む場合.)※Fig. 2.33とは最大で2オーダ異なり,分布形状が反転していることに注目.