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第3章  政策提言

第2節  電子投票の導入

→投票箱」を繰り返す

b.投票用紙交付係員が、実施す る投票の種類数と同じ組数を必 要とする

c.面倒で時間がかかるので、高 齢者や身体障害者とっては大き な負担となる

電子投票端末で、投票資格のあるすべ ての選挙を投票できる

c.複数の選挙用紙交付係員は不要 d.簡単に短時間で投票を終了

投票方法 ○有権者自身が書くので、

a.誤字、脱字(疑問票→無効票)

b.他事記載(疑問票→無効票)

c.類似氏名 d.代理投票

が生じる可能性がある

○画面の指示に従って候補者・政党 名を押す

a.自書式のデメリット a.b.c.による

疑問票、無効票、案分票がなくなる

投 票 の 秘 密

○守れない

a.筆跡から投票者の特定が可 能

○完全に確立

a.投票データをランダムに記録する ので、投票者の特定は不可能

投票箱 ○必要

a.投票の種類と同じ数量を用 意する必要がある

b.開票所への輸送作業の必要

○不要

a.経費削減可能

b.集計センターへ正副2枚の記録媒

体を送致 開票 ○有り 

この制度最大の問題点 a.開票だけで投票管理事務要 員の約4割を占める

b.開票作業に時間がかかる c.開票終了までの時間が長く、

時間外手当等が増加

d.開票事務従事者の健康管理 が懸念される

○なし a.開票所不要 b.開票要員不要 c.経費削減

集計 ○不正確

a.開票結果報告の連絡ミスが ある

b.入力ミスが生じる

c.開票結果報告受理、集計作業 要員が必要

○正確

a.投票段階でデータ化されている b.入力作業の必要がない→ミスが生 じない

(電子投票普及協業組合HPより引用)

電子投票は、こうしたメリットや、情報化社会の進展、有権者増などを背景に、最近こ の投票方式を導入する国が増加する傾向にある。2005年5月現在、世界で電子投票を採用 している国は42カ国にも及び、導入準備を進めている国も32カ国ある。特に、

オランダ・ベルギー・ブラジル・インド・エストニアの5カ国では、全国普及している。

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●オランダ 10

オランダでは、選挙制度が比例代表制であり、開票作業が複雑だったため、電子投票が 採用された。ボタン投票式を採用している。画面上に政党および候補者一覧が表示されて いて、投票者が候補者を選択して、ボタンを押し、確認または取り消しのボタンを押し、

確定する。そしてすべての投票者の投票終了後、機器から投票結果を紙に出力し、投票結 果を保存したフロッピーディスクと合わせて開票所に集め、電子的に集計する。ボタン投 15

票式なので、電子投票機器が投票数を直接集計するので、個々の投票の内容は保存されな い。そのため、機械に対する高い信頼性が求められるとされている。

●ベルギー

ベルギーでは、投票が国民の義務になっている。そして1994年から、磁気カードとタッ 20

チペンを用いた投票が行われるようになった。投票者は投票所に到着すると、磁気カード を手渡され、投票ブースへと移動する。投票端末の画面の指示に従い、タッチペンを利用 して候補者の選択を行う。投票終了後、投票内容が保存された磁気カードを投票管理者に 手渡し、電子投票箱で磁気カードの内容を読み取る。

こうした方法で電子投票が採用されている。また、ベルギーは公用語がフランス語とオ 25

ランダ語であるが、投票端末は両方の言語に対応しているという。

●ブラジル

ブラジルでは、テンキー方式の端末を採用している。投票者が投票所の係員に選挙人登 録証または身分証明書を提示し、投票ブースへ移動する。選挙の種類ごとに、候補者の顔 30

写真と候補者番号が画面に表示され、選挙者にテンキーで選択させる。各候補者には候補 者番号が割り当てられているので、選挙期間中、各陣営は候補者名前だけではなく、番号 をアピールすることとなる。

●インド 35

インドではコントロールユニットと投票ユニットがケーブルでつながれている機械を利

用する。本人確認の後、投票ユニットで投票を済ますと、ケーブルでつながれた機械で投 票済みが確認され、退場する、というものである。

インドには約6億6千万人という膨大な数の有権者がいる。そして2004年の総選挙では、

全国各地の投票所で約73万台のコンピュータ式投票機を利用した電子選挙に、約3億7000 万人が投票した。これほど大規模な電子投票はほかの世界の国々でもみられない。

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これまでインドでは、投票用紙に拇印を押す方式で投票が行われてきた。そかし、これ では開票になんと 3 日を費やすこととなり、とても非効率であった。電子投票により開票 は24時間に短縮されたが、最大の効果は不正行為への対処であるとされている。

●エストニア 10

エストニアでは2002年以来、15歳以上の全国民に電子IDカードの携帯を義務付けてい る。このカードは通常、国民が身分を証明する手段として使用することを意図して作られ ている。そして、このIDカードを利用し、全国規模のネット投票を実施した。

オンラインで投票するには、まず所有するコンピュータに接続されているリーダーにID カードを差し込み、投票用ウェブサイトにログオンする。認証されたら、暗号化システム 15

を通じて投票し、さらにデジタル署名を行って投票内容を確認してから投票する、という 方式をとっている。

電子投票を導入しているほかの37カ国は、主に国政選挙に採用している。ヨーロッパ各 国、イギリス・フランス・イタリア・スイスはもちろん、アメリカ・カナダ・オーストラ 20

リアなど主要先進国ではほとんどの国が採用し始めている。アジアでも韓国・フィリピン・

マレーシアなどの国々で採用されている。

そんな中、原始的な自書式を採用しているのは日本だけである。

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日本でも2001年の国会で、電子投票の導入を定めた公職選挙法特例法(電子投票法)が 成立、導入のための条例を定めた地方自治体で、地方議会議員選挙や、地方首長選挙の際 に電子投票が可能になった。しかしそれはまだごく一部の地域に限られており、世界的に 見てみると、日本は遅れているといえる。

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電子投票を採用した例を見てみる。

岡山県新見市

2002年6月 23日に行われた岡山県新見市の市長選・市議選で、日本で初めて電子投票 が実施された。

新見市では、電子投票の実施が決まった後に、市内各地で投票端末を利用した模擬投票 35

を実施した。その効果は大きく、高齢者からは「当日までに何度か練習したので何も困る

ことなく投票できた」という声が多かったという。

投票当日、投票カードの挿入口がわからないとか、カードを逆向きに挿入するなど、戸 惑う投票者もいたが、これは高齢者に少し見られただけで、全体的には一人平均30秒程度 で投票が済んだ。また、障害者に配慮したバリアフリー機能(車椅子での投票に配慮した 画面設計や、視覚障害者への音声ガイダンス機能など)が備えられ、確実に民意が反映さ 5

れる効果があった。

当日のトラブルは人為的ミス 2件、機械トラブル2件が起こったが、投票されたデータ に異常はなく、大きな障害とはならなかった。

そして自書式最大の問題点とされた開票だが、新見市の電子投票では不正が行われない ように配置された監視担当者を背にしながら、コンピュータで次々と読み取り、わずか 25 10

分で終了した。大きなトラブルもなく、効果は大きいことが証明された。

しかし不在者投票はこれまでと同じ自書式なので、この開票作業に 2 時間以上かかった という事実もある。不在者投票に関しては課題が残ったが、これまでのすべて自書式より は効果があるといってよいだろう。

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このように電子投票は成果をあげていることがわかる。この方式が全国展開されれば、

今よりも「選挙」というものが身近に感じられ、無党派層や20代・30代の若い人も投票に 行くようになるだろう。

その後2004年2月までに8市町村の首長・市村議選で実施された。現時点では法律で地 方公共団体の市議選や地方議会議員選挙でしか電子投票を採用してはならない、と定めら 20

れているので、今後国レベルで採用されるようになれば、状況は変わってくると考えられ る。

しかし、いざ電子式投票の国レベルでの利用を考えると、公職選挙法によって投票用紙 に自書することが定められているため、電子投票システムを導入するには法改正が必要で ある。

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<地方自治体における電子式投票>

(ア) 平成14年2月に「地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に係る電磁的 記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律」が施行され、1 0の地方公共団体において合計12回にわたり実施。

(イ) 総務省は、地方自治体が電子投票を導入する際の運用マニュアル「電子投票導入の 30

手引き」を公表。

→地方自治体における電子投票を活性化させ、いずれ全国レベルの投票でも電子式投票を 導入できる環境を整備することができれば、選挙はより身近なものとなり、無党派層の若 い人たちも投票に行くだろう。

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