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第3章  政策提言

第1節  情報の提供

(1)  携帯電話利用率

各党がどのような政策を打ち出しているのかを国民に知ってもらうために、現在利用率 の高い携帯電話のメール機能を使う。

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【図表3-1-1】携帯電話利用率

携帯電話利用率(平成17年)

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

90.0%

100.0%

20〜29歳 30〜39歳 40〜49歳 50〜59歳 60〜64歳

(平成17年総務省通信利用動向調査より作成)

携帯電話の利用率は、平成17年の時点で、平均して86%という高い数値にある。とくに 無党派層の多い20~40代の利用率は9割以上を示している。また、60代でも約7割が携帯 20

電話を利用していることからテレビ、新聞、ダイレクトメールなどより有効と言える。

(2)  ポリティカル・メッセージ

現在、Docomo・au・Softbankの大手携帯電話事業者 3社は、それぞれメッセージフリ ー、au ホットインフォ、S!CAST!という、受信料無料でメールで広告を配信するサービス を行っている。これは対応機種に加入すると自動登録され、月に1,2回程度、スポンサー企 業からさまざまな情報が配信されるものである。この広告はプッシュ型広告と呼ばれ、レ 5

スポンスが早い、CMの再想起などメディアミックスで相乗効果を生むなどの効果がある。

そこですでに導入されているこのサービスを利用し、この 3 社に政策を箇条書きにした ものを配信するよう依頼する、「ポリティカル・メッセージ」の導入を提案する。選挙の前 に、各党の政策が書かれたメールが配信される、という仕組みを採用する。

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【図表3-2-1】ポリティカル・メッセージの例

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ポリティカル・メッセージ 20

・自動登録される

・受信料無料

・専用ボックスに配信

・地域・性別・年代別に配信指定が可能

・時間指定が可能 25

以上のような仕組みを採用する。自動登録されることで、利用者自身が登録する手間が 省ける。受信料が無料なので、大きな負担にはならない。また、ポリティカル・メッセー ジ専用ボックスに配信されるので、安心して受信・開封ができる。さらに地域・性別・年 代別に配信が可能なので、有権者だけでなく、次期有権者の10代後半などにも配信し、興 味を持ってもらえる。時間指定も可能なので、利用者の年代や性別を考慮しながら配信が 30

できる。

これを利用すれば、政府はこのような政策をやろうとしている、というのが少しは伝わ り、今まで以上に情報がわかりやすく提供でき、無党派の若い人たちにも関心を持っても らえるのではないかと考えた。政治について考えるきっかけになることを目的とする。

○△党  政策 消費税の減税 ○×公団民営化 □◆の廃止

(3)  合理的無知

ダウンズは、「合理的無知」という理論を唱えた。

合理的無知とは、「追加的な情報を獲得することの便益と費用を較量して費用のほうが大 きい場合には、個人はあえて情報を獲得せず不完全な情報に甘んじることが合理的となる こと」8である。

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この理論から考えると、情報を与えても、そのメールを送られた個人が自分に有益でな いと判断したら合理的無知を決めるのではないか、という可能性がある。

しかし、私たちは「メールが送られてきた」、ということ自体が重要であると考えた。メ ールが送られてから、読むなり削除するなりは個人の自由である。たとえ合理的無知を決 め込んでも、そのメールが送られてきたことは事実であり、送られてきた側は一度は気に 10

かけることとなる。あくまでも若い人たちに政治を身近に思ってもらうためのひとつの手 段として、ポリティカル・メッセージを採用しようと考えているので、合理的無知の問題 は解決可能である。

(4)  政治的意思決定制度 15

合理的無知により、現在の政治は、政治的意思決定制度に依存しすぎているといえる。

日本の意思決定制度の問題点

①  政府内手続きや、自民党の党内手続きは個々の関係官庁や関係議員の合意が必要で あり、関係者の誰かが妥協しない限り、意思決定ができない仕組みである。 

②  こうした関係者の合意は、官僚同士の協議や、官僚による政治家への事前説明など 20

の一部の関係者だけの閉鎖的な会合である。 

③  逆に国会という公の場での国民にも開かれた議論は形式的になっている。 

④  この結果、関係者の全員一致の合意をとる過程での議論が国民に知らされない。 

このように、合理的無知を国民が決め込み、政治的意思決定制度に依存しすぎると、国 民は何も詳しく知らないままにさまざまな重要事項が決定してしまう。

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現在の日本の政治は、一部の政治家や官僚が閉鎖的に重要事項を決定する傾向にある。

政治的意思決定に依存する状況は、実際に決定した政策の受け手である国民にとって、そ の政策の決定過程がわからないので問題であり、この状況を脱する必要がある。政治的意 思決定の範囲を狭めるために小さな政府の実現を目指し、自民・民主両党とも規制緩和や 民営化などの取り組みを重要視している。

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そして、両党とも似通った政策を唱えていることから、私たちはやはりきちんとした情 報をわかりやすく提供することが重要であると考えた。私たちの提案するポリティカル・

メッセージは、携帯電話という今や必要不可欠な媒体を利用しており、私たちの目的とす る政治について考えるきっかけを携帯電話利用率の高い若い人たちに与える、という目的 は達成され、有効である。

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8 加藤  寛(2005)

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