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電位記録システム

ドキュメント内 培養神経回路網の長期的観測による (ページ 41-47)

第 4 章 回路網活動長期モニタリング

4.1 実験

4.1.5 電位記録システム

図 4-6  長期活動電位記録システム

4.1.5.4 ハードウェア

インキュベータ内の測定基板から得られた電位はシールドされたコードを通じインキュベ ータ外のアンプによって5万倍に増幅される。活動電位はA/D変換機を通しワークステーシ ョン内のウェーブメモリ(500MB)に蓄えられた後、ハードディスクに記録した。

計測は30分毎にサンプリング周波数 25kHz、量子化 16bit、64電極同時記録において150 秒行った。測定1回において得られる電位波形データ量は500MBとなる。

4.1.5.5 データ圧縮

圧縮の手順としては、最初にノイズのみの部分をスキャンし、ノイズの標準偏差σを算出 する。しかしながら、標準偏差を基準として定量的に閾値を設定するには、スパイク部分を 避けノイズ部分のみのスキャンする必要がある。よって150秒の時系列データにおける前後

10%の領域において、1.3秒の区間での標準偏差を領域内でそれぞれ算出し(図 4-7)、その

領域内の最小値を標準偏差σとした。スパイク検出はσ×5 を閾値とし、それをプラス側・

マイナス側に超えた部分をスパイクとした。そのピークを発火時間とし、前後2msecで抽出 した。これはスパイクの継続時間が約 1msecであることを考慮している。また、スパイクが 連続して発火するバースト部分においては冗長に抽出することになるので連続部分はまとめ てパケット化を行った。最後に圧縮後ファイルには測定時間情報、スパイク発火時刻、スパ イク幅、スパイク振幅を記録した(図 4-8 参照)。スパイク幅、スパイク振幅を用いること により単純な2次元クラスタを形成させスパイクソーティングが可能となる(3.2 節参照)。

これを 64 電極別々に行った。ファイルサイズはスパイク数に比例し、500MB のサイズが

5DIVで10kB、16DIVで 10MB程度までに圧縮を行うことが可能となった。(圧縮されたデ

ータの形式[mlt形式]は仕様Bを参照)

図 4-7  ノイズ標準偏差算出

図 4-8  スパイクパラメータと抽出領域

4.1.5.6 インキュベータノイズ除去

一般に使用されているインキュベータ内での活動電位記録が可能となれば、試料の成長過 程の発火パターンの変化を手軽に捉えることができる。しかし、インキュベータはCO2濃度 を一定に保つため、バルブのOFF/ONを繰り返し、この時、グランドからインパルス状のノ イズが混入してしまう。培養環境であるCO2濃度10%の雰囲気を維持している場合は約15

秒に一回OFF/ONのノイズが混入していることを図 4-9に示す。

バルブCLOSE時のノイズはマイナス側に2つ山があることが特徴であり、OPEN時のノ

イズはプラス側に30μV程度のOPEN時よりも大きな5msecのノイズである。これら2つ のノイズは神経細胞のスパイク波形と酷似しているので、スパイク波形の相関のみを用いる スパイクソーティングでは振幅が小さいスパイクと混同し分離が困難となる可能性がある。

しかしながら、全電極に対して誤差1サンプリングポイント程度(±0.04msec)という非常 に同期した形で混入することを用いれば除去することが可能である。

本研究では 4.1.5.5節にてインキュベータノイズと共に検出されたスパイクが3サンプリ ングポイント窓内において20電極を超える部分をインキュベータノイズとして除去した。

図 4-9  インキュベータノイズ

ドキュメント内 培養神経回路網の長期的観測による (ページ 41-47)

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