遺構・遺物
穴の諸状況は他のものと類似しており,
本遺構の東辺を構成する可能性はある が確実性は低い。本遺構は周辺の状況 から古代末〜中世初頭と考えられる。
柱穴列一5・6(図22)
CW・CX19区において,柱穴列一 5は標高70〜80cm,同一6は標高80cm 前後,〈7〜8>層で検出された。
柱穴列一5はN−17°20LE,柱穴 列一6はN−21°15LEの軸方向をそ れぞれ示す。両列の規模は前者が
7 8巧
皿次調査の概要
◎.井 戸 井戸一1(図23・24,図版6・7)
本遺構はa地区の北半中央部,柱穴列一1の東側で検出された。CW23区である。後世の大 規模な概乱で西半部分の上半は大きく破壊されている。東半部についてはかろうじて島状に残
った部分にかかっており漂訓mで検出できた・
噤レ已
現状での形状および規模は,
平面形が長軸
5c 短轍1cmを測る円形で・深さは東半部で
@ 欝(8)
検出面下160cmである。掘り方は,上半部は揺鉢
状に開いており刷面から約ふの辺り(標一 @舗縞 一
高Om)で屈曲し,以下ほぼ垂直に灰色湧水砂層
奄 まで掘り込まれている。底面高は標高一91cmで,
底面形は径約50cmの不整円形を呈する。
埋土は大きく上部層(1〜9層)と下部層(10
く
〜15層)とに二分される。上部層の特徴は炭化物 を多量に含むことである。そのため黒色を強める 層が多いが,灰褐色土を基本としている。炭化物 は井戸の中央部に特に厚く堆積しており,井戸内 周辺部には炭化物を含まない層が挟まれる。4・
9層では炭化物の薄層状堆積がみられる。また,
上部層のうちでも上半にあたる1・4・6層では 炭化物に加えて焼土も含まれる。9層の炭化物の 性格については,灰像分析の結果,稲藁であるこ
く の とが判明してる。
下部層は灰色粘土を基本とする。11〜14層では,
上部層とはやや質の異なる炭化物を多く含む。12 層では厚さlcm弱のムシロ状の炭化物が,14層で は木質状の炭化物がそれぞれ下面に集積して確認 された。また,本井戸は埋土中に流入土などが認 められないことから,本来の掘削面は,現状より,
少なくとも20〜30cmは上と考えられる。
遺物は,上部層では炭化物層を中心に出土する。
土師質高台付椀(1・2)・小皿(4・6)・鍋
3
集積部分
0 1m 1 黒色土(炭過多,焼土・土器,軟質)
2 灰褐色土 (Fe)
3 淡灰色
4 暗青灰色土(炭多,焼土・土器)
5 青灰褐色土(Fe)
6 暗灰褐色土
(炭多,焼土,黄灰・青灰色土粒)
7 黒色土 (炭過多)
8 淡灰色土 (Fe)
9 黄褐色土 (炭・Fe多,土器)
10 暗灰色粘土(炭少)
1ユ 淡灰色粘質土(炭下半に多)
12 淡灰色粘土
(炭下半に多,ムシロ状炭化物)
13 暗灰色粘土(黄灰色粘土)
14 淡灰色粘土(炭化物多)
15 暗灰色粘土
図器 井戸一1縮尺ユ/30
0.5m
遺構・遺物
(8),白磁碗(7)などがあるが,量は少なく,大半は小〜細片である。鍋(8)は掘り方 に沿って,落ち込むような状態で9層下面の炭化物層内から出土した。下部層では土器は一層 少なく,14層中から土師質小皿(3・5)などが出
土した程度である。その他では,木器・木片が出土 、
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形態・手法の特徴ほか 色 調 胎 土
遺物
ヤ号 器 種 口径 底径 器高
1 土師質 椀 (16.4) 一 一 内外面細かい箆ミガキ,口縁部外面横ナデ,小破片 淡灰白 細〜粗砂
2 ク 〃 一 6.6 } 〃 箆ミガキ(不鮮明),底部外面ナデ,高台部横ナデ,二次焼成痕 (内)淡黄灰㈱暗灰褐 細砂②,細礫⇔
3 〃 小皿 (8.6) (6.0) 1.5 摩滅で不明 淡黄白〜淡黄灰 細〜粗砂
4 〃 ク (8.2) (5.0) 1.5 底部外面箆キリ,全面摩滅で不鮮明 淡灰白 細砂
5 ク 〃 (8.6) (6.7) (1.2) ク ク ,他は横ナデ,ロクロ回転㊨ 淡黄白〜淡赤白 〃
6 〃 〃 (9.0) 5.8 1.85 〃 糸キリ, 〃 , 〃 〃 (内〉灰褐 ㈱淡赤白 〃
7 白 磁 碗 (15.3) 一 一 内外面横ナデ・施紬(口縁部に厚い) 淡灰白 緻密,黒色粒
8 土師質 鍋 (40.6)
一一
内面横ハケ,外面縦ハケ(下半縦+横)・押圧・煤付着,口縁部外面押圧 暗茶褐 細砂②遣物番号 器 種 残存長(鋤 最大幅(副 最大劇副 樹 種 形 態 の 特 徴
W18 毬 7.6 7.4 6.6 コナラ属クヌギ節 丸木の両端を加工し,球状に整える.遊具.芯持材
W19 加 工 品 8.0 4.1 3.5 クロマツ 円柱状の材に緩やかな段をつけ,一方を細く削っている.栓か.芯持材
W20 箸 21.4 0.6 0.4 ヒノキ 両端に向かって,細く削り込む
図2魂 井戸一1 出土遺物縮尺1/4
一39
皿次調査の概要
している。木器は14層下面の炭化物集積部分に認められた。両端を加工した毬状のもの(W 18)や箸状のもの(W20)などが挙げられる。
本井戸の廃棄時期は出土遺物から古代末〜中世初頭(12世紀代)と考えられる。
井戸一2(図25・26,図版8・9)
本遺構はb地区の南半部分,CS・CT27・28区で検出された。西半部分は後世の大規模な 撹乱によってその上半を削平されている。また,東端部分についても調査区外に延びるため,
11
〆已
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