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○ 行政計画である市区町村地域福祉計画及び都道府県地域福祉支援計画に共同募金が位置づけら れていない実態がある。これには、社会福祉法により共同募金の助成に対する行政の干渉が禁 止されていることが影響しているものと考えられる。

○ しかし、共同募金は社会福祉法に位置づけられた、地域福祉の推進を目的とする募金であり、

市区町村地域福祉計画及び都道府県地域福祉支援計画にあらためて共同募金の役割及びその重

要性を位置づけることが求められる。

○ 行政機関は地域福祉推進の主体の一つであり、地域福祉の主要な民間財源としての共同募金運 動がより活発なものとなるよう、地域住民や関係機関に対して運動を周知し、運動への積極的 な参加を促す役割を期待したい。

答申参加と協働による「新たなたすけあい」の創造企画推進委員会委員メッセージ

70年答申に基づく推進方策共同募金会職員行動原則参考資料

おわりに

 本答申は、共同募金運動創設70年以降の新たな方向性を、「参加と協働による『新た なたすけあい』の創造」と定め、それを実現するための目標を「共同募金における運動 性の再生」として示したものである。

 答申内容の実現にあたっては、60周年答申の実現において、実践が伴わなかったとい う反省の上に立ち、中央共同募金会において速やかに推進のための方策をとりまとめた うえで、全ての都道府県共同募金会、市区町村共同募金委員会、中央共同募金会が、答 申の内容を自らの問題として受け止め、推進方策に基づき、それぞれの組織が数値目標 を設定した実行計画を策定し、具体的な取り組みを早急に実施することである。また、

答申の実現に向けて中央共同募金会が、定期的に進捗状況の確認する体制を構築し、そ うした取り組みの進捗状況を広く社会に公開しながら、目標達成に向けて取り組むこと を要請する。

 答申内容の実現により、共同募金における運動性の再生が図られ、地域の課題解決を 支える、社会的な「公器」たるべき共同募金が、子どもから高齢者まで、さまざまな地 域住民が参加できる最も身近な社会貢献のしくみとしてさらに発展し、それが次の世代 へと継承されることを期待する。

企画・推進委員会名簿

(敬称略)

○企画・推進委員会委員

 【委 員 長】 上野谷 加代子(同志社大学教授)

 【副委員長】 諏 訪   徹(日本大学教授)

 【副委員長】 林     明 (大阪府共同募金会常務理事)

小 松 理佐子 (日本福祉大学教授)

鵜 尾 雅 隆 (日本ファンドレイジング協会代表理事)

斎 藤   仁 (日本経済団体連合会政治・社会本部長・当時)

田 尻 佳 史 (日本NPOセンター常務理事)

長谷川 正 義 (全国民生委員児童委員連合会副会長)

馬 塲 八州男 (滋賀県社会福祉協議会主監)

澤 村 有利生 (山口県社会福祉協議会事務局長)

佐 甲   学 (全国社会福祉協議会地域福祉部長・当時)

天 羽   啓 (北海道共同募金会常務理事・事務局長)

加 納 高 仁 (東京都共同募金会常務理事・事務局長)

中 島 孝 夫 (神奈川県共同募金会事務局長)

森   浩 昭 (広島県就労振興センター理事)

平成26年  10月30日 ○第1回委員会

        ・委員会の趣旨およびすすめ方

      ・共同募金の概要および60周年答申以降の取り組み       ・共同募金の課題

11 ~ 12月  ○外部委員等ヒアリングの実施 平成27年 1月27日  ○第2回委員会

        ・ 共同募金の課題について(ヒアリング調査結果をもとに)

        ・ 都道府県共同募金会・市区町村共同募金委員会実態調査の 実施について

2 ~ 3月 ○都道府県共同募金会選出委員等ヒアリングの実施

3 ~ 4月  ○ 都道府県共同募金会・市区町村共同募金委員会等実態調査の 実施

3月23日   ○第3回委員会

        ・実態調査結果速報について  ・共同募金の課題について 4月21日  ○第4回委員会

        ・中間まとめ(案)について 5月19日  ○第5回委員会

        ・論点整理(案)について  ・今後のすすめ方について 6月23日  ○第1回作業部会

        ・答申(素案)の構成(目次)について         ・答申(素案)の内容について

7月21日  ○第2回作業部会

        ・答申(素案)作成について 8月18日 ○第3回作業部会

        ・答申(素案)の骨子について 8月27日 ○第6回委員会

        ・答申(骨子案)について  ・今後のすすめ方について 9 ~ 10月  ○答申に掲載する事例の募集

10月22日  ○第4回作業部会

        ・答申(素案)について 11月5日  ○第7回委員会

        ・答申(素案)について

12月9日  ○都道府県共募選出委員による協議

        ・答申(素案)、答申の推進方策(素案)の協議 12月24日  ○第8回委員会

        ・答申(案)について  ・答申の推進方策(素案)について 平成28年 1月12日  ○都道府県共募選出委員による協議

        ・答申(案)、答申の推進方策(素案)の協議 1月21日 ○第9回委員会

        ・答申(案)について  ・答申の推進方策(案)について

経過

答申参加と協働による「新たなたすけあい」の創造企画推進委員会委員メッセージ

70年答申に基づく推進方策共同募金会職員行動原則参考資料

3

70年答申に基づく 推進方策

はじめに

1

答申内容の推進における重点目標

2

答申内容の推進における役割分担

3

答申に基づく取り組み内容

4

先駆的な取り組み事例

はじめに

策定の経過と趣旨

本年2月、本会企画・推進委員会より斎藤十朗会長宛てに「参加と協働による『新 たなたすけあい』の創造~共同募金における運動性の再生~」と題する答申がなさ れた。答申では、その内容の実現にあたって、市区町村共同募金委員会、都道府県 共同募金会、中央共同募金会それぞれに対し、答申の内容を自らの問題として受け 止め、それぞれの組織が実行計画を策定・公表し、具体的な取り組みを早急に実施 すること、また、答申の実現に向けて、共同募金会自らが具体的な数値目標を設定 し、定期的に進捗状況の確認を行い、目標達成に向けて取り組むことを要請した。

本会では、これを受けて、答申内容を具体化し、明確な目標をもって取り組みを 進めるための指針として、「70年答申に基づく推進方策」を策定した。そこで、こ の推進方策では、目標の実現に向けた実行計画の策定及び具体的な取り組みを示し ている。

そして、市区町村共同募金委員会、都道府県共同募金会及び中央共同募金会は、

推進方策を実行し、地域住民の運動への参加を促進するとともに、共同募金による 社会課題の一層の解決を図り、今般の募金実績の減少に歯止めをかける必要がある。

また、答申は運動創設70年以降概ね10年間にわたる共同募金の方向性を指し示し たものであるが、この推進方策における取り組みは、平成28年度から平成30年度ま での3年間で達成する共通の目標であり、その後進捗状況をみて見直しを行うもの としている。

答申及び推進方策の実行にあたっては、中央共同募金会において1年ごとに都道 府県共同募金会を対象とした調査を、3年ごとに市区町村共同募金委員会を対象と した調査を実施した上、企画・推進委員会において、進捗状況の評価を実施する。

また、都道府県共同募金会の職員や市区町村共同募金委員会の事務局を担当する 社会福祉協議会等の担当職員が、全国協調の運動としての共同募金に関する価値観 や基本的な考え方を共有することが、今後の運動活性化において非常に重要である との考えから、企画・推進委員会において本推進方策に加えて、共同募金会職員が 順守すべき共同募金会職員行動原則を策定した。

なお、本推進方策の決定にあたっては、企画・推進委員会委員のうち都道府県共 同募金会所属委員及び中央共同募金会常務理事により作成した素案をもとに、企画・

推進委員会での協議ならびに平成28年2月の各都道府県共同募金会常務理事・事務 局長会議の協議を経て成案を取りまとめ、平成28年5月の中央共同募金会評議員会 において、全ての都道府県共同募金会により、実施することを申し合わせた。

1 答申内容の推進における重点目標

 以下に、答申内容を推進するための重点目標について示す。なお、これらの重点目標及び「3.

答申に基づく取り組み内容」は、平成28年度から平成30年度までの3年間で達成することを共通 の目標とし、その後進捗状況をみて見直しを行う。

 なお、以下では都道府県、市区町村、中央それぞれについて記載しているが、共同募金組織が 一体的に連携して答申内容の推進に取り組むものとする。

(1)都道府県共同募金会における重点目標

○ 運動性の再生に向けた市区町村共同募金委員会の支援

都道府県社会福祉協議会との連携のもとに、市区町村社会福祉協議会等に対して、共同募 金における運動性の再生及びそのための市区町村共同募金委員会の必要性について十分に 説明し、設置の目的に理解を求めるなどの環境整備を進め、早期の設置完了を目指す。

○ 都道府県共同募金会の機能強化

都道府県域において運動性を持った展開を実現するために、新たな地域課題の解決に向け た助成と自ら行う募金の活性化を図る。また、そのために都道府県域における課題把握に 向けた活動団体との協議の場の設置を進める他、都道府県社会福祉協議会やNPO中間支 援組織等との連携を強化する。

(2)市区町村共同募金委員会における重点目標

○ 運動性の再生による共同募金運動の活性化

地域住民が、運動の目的や解決すべき課題を理解し、地域福祉の一環として共感をもって 募金や寄付など運動に参加できるよう、戸別募金を中心として寄付者や募金ボランティア に対して募金の趣旨や使途について丁寧に説明するとともに、助成先団体も積極的に募金 活動に参加したり助成による成果報告を徹底するなど「運動性」の再生に向けた取り組み を進める。

○ 多様な人材の参画による住民が主体となった共同募金運動の展開

社会福祉協議会や民生委員児童委員協議会との連携を基礎としながら、市区町村共同募金 委員会への多様な人材の参画を進めるとともに、地域住民が助成審査に参加し、地域住民 が主体となった募金運動の展開を実現する。

答申参加と協働による「新たなたすけあい」の創造企画推進委員会委員メッセージ

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