• 検索結果がありません。

長崎県対馬

ドキュメント内 untitled (ページ 88-97)

8.3.3 環境曝露による健康影響

8.3.3.6 長崎県対馬

8.3.3.6 長崎県対馬

† 佐須地域では, 1979, 1982年に齋藤らに よって住民の80%以上を対象として断面調査 が行われている。1979年の調査(中野ら,

1985)では, 樫根地区の5−80歳代の99人 および下原, 小茂田, 椎根地区の50−80歳 代の196人が対象であった。尿中Cd排泄量 の幾何平均値は, 樫根地区の60歳以上の男 性および50歳以上の女性, 下原, 小茂田, 椎 根地区の60歳以上の女性で10μg/g

creatinine(cr.)を超えていた。

8.3.3.6 長崎県対馬

† 尿中β2MG排泄量は年齢とともに急激に上 昇し, 樫根地区の70歳以上の男性および50 歳以上の女性, 下原, 小茂田, 椎根地区の 70歳以上の女性で幾何平均値が

1,000μg/g cr.を超えていた。尿中β2MG の年齢に伴う上昇傾向は, 非汚染地域に比 べて顕著であった。

8.3.3.6 長崎県対馬

† 1982年の調査(小林ら, 1985)では樫根, 下 原, 小茂田, 椎根地区の50歳以上の285人 が受診した。尿中β2MGが1,000μg/g cr.

以上の女性では, 血清尿酸値の低下,

β2MGクリアランス, 尿酸クリアランスの上昇 が認められた。また, 血清β2MG, α1MG, クレアチニンおよびアルカリフォスファターゼの 上昇が見られ, 糸球体機能の低下と骨代謝の 亢進が示唆された。

8.3.3.6 長崎県対馬

† 対象者全体の尿中Cd排泄量の幾何平均値 は男性6.6, 女性11.2μg/g cr.であった。ま た, 尿中α1MGおよび尿中

metallothioneinの排泄増加が認められ, こ れらの値が上昇するにつれて尿中銅の排泄 量が有意に増加した(Tohyama et al.,

1986; 1988)。

8.3.3.6 長崎県対馬

† Iwataら(1993)は, 上記の1979年の調査 に参加した樫根地区住民を含む102人の尿 中β2MGおよびCd排泄量の推移を1989年 まで10年間にわたり追跡した。なお, この地 区では1981年に汚染土壌の改良工事が終 了し, 住民のCd摂取量は1969年の

213μg/日から1983年には106μg/日に減 少した。10年間の追跡が可能であった48人 において尿中Cd濃度の幾何平均値は

8.5μg/g cr.から6.0μg/g cr.に低下した。

8.3.3.6 長崎県対馬

† 一方, 尿中β2MGの幾何平均値は追跡開始時に40 歳以上であった群または尿中β2MG1,000μg/g cr.以上であった群で1.8倍に上昇し, Cdによる低分 子量蛋白尿が不可逆性かつ進行性であることが示唆 された。同様の傾向は, 劉ら(1998, 2001)の1996 年までの継続調査でも認められた。原田ら(1988)は, Cd汚染地域において, 重症のCd腎障害のため要 経過観察と判定された14人の血清クレアチニン, クレ アチニンクリアランス, 血液中HCO3-, 尿細管リン再 吸収率について9年間の経過観察を行い, 汚染改善 後にもかかわらず, すべての項目が徐々に悪化する 傾向を認めた。

8.3.3.6 長崎県対馬

† Iwataら(1991a, 1991b, Arisawaら(2001)は上 記の1979, 1982年の調査対象者の生存・死亡状況 の調査を行った。1982年受診者の1989年までの追 跡では, 対馬全体を基準集団とした時の尿中β2MG 1,000μg/g cr.以上群の標準化死亡比(SMR)は男 性で21595% 信頼区間[CI] 93-424, 女性で

18795 CI 116-287)であった。また, Cox回帰 モデルを用いて年齢を補正しても, 男女とも尿中

β2MG, 尿中蛋白, 血清β2MGおよび血清クレアチ ニンの高値が死亡率の上昇と有意またはほぼ有意に 関連していた(Iwata et al., 1991b)。

8.3.3.6 長崎県対馬

† 一方, 尿中β2MG 1,000μg/g cr.未満群のSMR は男性で7695 CI 41-131, 女性で3595 CI 7-103)と低い傾向があり, 地域全体の死亡率の 上昇は認められなかった(男性でSMR 101, 95%

CI 63-155, 女性でSMR 126, 95% CI 81-186)。

同じ集団の1997年までの追跡(Arisawa et al.,

2001)では, 尿中β2MG 1,000μg/g cr.以上群, 1,000μg/g cr.未満群および地域全体のSMRはそ れぞれ13895% CI 101-183, 6695% CI 49-87, 9095% CI 73-109)であった。

ドキュメント内 untitled (ページ 88-97)

関連したドキュメント