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富山県婦中町と他の汚染地域

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8.3.3 環境曝露による健康影響

8.3.3.2 富山県婦中町と他の汚染地域

† 金沢医科大学グループは、これに加えて小規模ながらも 種々の腎近位尿細管障害の指標を用いた調査を行い、そ れらとCd曝露の程度との関係を検討した。44人のイタイイ タイ病患者、66人の要観察者、18人の汚染地住民に加え、

兵庫県市川流域住民(64人)、長崎県対馬厳原町佐須地 域住民(9人)、福井県武生地域住民(20人)において、尿 中の蛋白、糖、RBP、アミノ酸、等の濃度は対照地域と比 較して有意に高く、またこれらの上昇者の発生頻度のプロ ビット値と尿中Cd濃度の対数値とは直線関係を示した

Nogawa1977)。

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† 96人の汚染地住民においてクレアチニンクリアラ ンスと%TRPを測定したところ、両者とも対照群と 比較して低下していたが、クレアチニン・クリアラン スの方がCdによる腎機能障害の指標として

sensitivityが高いと考えられた(Nogawa、 1980; 能川、1981)。

8.3.3.2 富山県婦中町

† さらに、金沢医科大学付属病院で腎機能検査を受 けた33人のイタイイタイ病患者と17人の要観察者 では、尿中β2MG、RBP、lysozyme、総蛋白、等 の腎機能の指標はCcr、PAHクリアランス、PSP試 験、等の腎機能の検査結果と有意な相関を示し、

Cdによる腎機能障害の有用な指標となると考えら れた(Nogawa、1984)。

8.3.3.2 富山県婦中町

† 18人のイタイイタイ病患者、21人の要観察者、15 人の汚染地住民において尿中のメタロチオネイン 濃度を測定した結果、対照群(13人、394µg/g cr.)に比較して前者二群では高度に上昇しており

(それぞれ1880µg/g cr.、2000µg/g cr.)、汚 染地住民でも有意に高く(880µg/g cr.)、さらに 尿中蛋白、糖、β2MG、RBP等の濃度、と相関が 認められた(Tohyama、1981、1982)。

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† イタイイタイ病患者5人と要観察者5人において尿 中β2MGとN-acetyl-β-D-glucosaminidase

(NAG)を測定したところ、両者とも対象者と比較し て上昇していたが、NAGの上昇の程度はβ2MG のそれよりも小さく、 β2MGの方がCdによる腎機 能障害の指標として有用であると考えられた

(Nogawa、1983)。

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† さらに、イタイイタイ病患者(人数、年齢記載無し)と5人の 要観察者(年齢記載無し)に合わせて50歳以上の191 の石川県梯川流域Cd汚染地域住民(性別記載無し)並び 141人の非汚染地住民(性別記載無し)において尿中 NAGとβ2MGの関係を見たところ、両者は屈曲点(NAG 100U/g cr.、β2MG50,000µg/g cr.)まではともに直 線的に上昇するが、それ以降はNAGはβ2MGの上昇に 伴わずに一定の値を示し、NAGは尿細管機能障害が高 度でなければ指標として有用であると考えられた

Nogawa1986)。

8.3.3.2 富山県婦中町(富山医科薬科大学)

† 19831月と19846月に亘る全Cd汚染地域での疫学 調査(Aoshima1987)。

† 対象者は、神通川水系の24部落を含むCd汚染地域(11 地区)に居住する55歳から66歳までの全女性である。

† 対照は、隣接する別の水系(井田川、熊野川)の5部落(2 地区)

† Cd汚染地では247人中187人(受診率75.7%)、

† 対照地域では46人中32人(受診率69.6%)の受診者

† その尿と米のサンプルが集められた。

8.3.3.2 富山県婦中町(富山医科薬科大学)

† これに加え、12人のイタイイタイ病患者(6人の対 象Cd汚染地住民を含む)も同様に調べられた。神 通川流域の11地区の尿β2MG、α1MG、アミノ 窒素、糖、Cd、カルシウム、pHのレベルは、対照 の2地域に比較して高く、逆に比重、クレアチニン は低い傾向にあった。

8.3.3.2 富山県婦中町(富山医科薬科大学)

† また、尿β2MG濃度が1mg/g crを、尿糖が

100mg/g crを越える者は、対照地区ではゼロで あったのに対し、神通川流域地区では全体で

38.3%という高い割合で認められた。特に、11地 区の中でも神通川により近接している地域ではそ れらの傾向が強かった。

† 対照地区産の米に含まれる平均Cd濃度は 0.12-0.03ppmであったのに対し、神通川流域産の米 に含まれる平均Cd濃度は0.32-0.57ppmと有意 に高かった。

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† さらに、主成分分析の結果、第一主成分である「腎 機能障害」と第二主成分である「尿中Cd排泄」が、

イタイイタイ病群並びに最も神通川に近くCd汚染 の強い地区ではそれぞれ正、負に、次いで神通川 に近い地域では両方とも正に、神通川から少し離 れた地域ではそれぞれ負、正に、そして対照地域 では両方とも負になることが判明した。これは、Cd 曝露と腎機能障害の重症度との関連を考える上で 非常に有用な結果であった。

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