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(2)重点区域の区域

重点区域は、上記「(1)重点区域の位置」をふまえ、下記の 3 つの視点に示すそれぞれ の要素を包括する範囲を設定する。

①天正時代に豊臣秀吉が築いた城下町(旧長浜町 52 ヵ町)の区域

②長浜曳山祭を担う 13 の山組と山蔵が位置し、その山車が巡行し、曳山狂言(子ど も歌舞伎)が執行される区域

③真宗大谷派長浜別院大通寺や長濱八幡宮等の歴史上価値の高い建造物等が所在す る区域

図 長浜市域における重点区域

【名称】長浜市歴史的風致地区

【面積】約 61ha

重点区域の境界については、前述の 3 つの要素を基本としつつ、その一体性と連続性が 確保されるよう、3 要素を重ねたときの外縁部、または外縁部と外縁部を繋ぐ、あるいは 外縁部に近接する地形地物(市道、主要地方道、JR線、一級河川)とする。

図 重点区域の境界

長濱八幡宮

図 重点区域

長濱八幡宮

●重点区域内の文化財の分布状況

重点区域内には、国指定文化財 13 件、登録有形文化財 5 件が所在する。また、県及び市 指定等文化財(美術工芸品を除く)は 14 件(30 点)が所在している。

表 重点区域内の国指定等文化財(平成 29 年 3 月 1 日現在)

区分 種別 名称 所有者

1 重要文化財 建造物 大通寺本堂 真宗大谷派本願寺別院大通寺

2 重要文化財 建造物 大通寺広間 附玄関 真宗大谷派本願寺別院大通寺

3 重要文化財 建造物 大通寺含山軒及び蘭亭 附棟札 真宗大谷派本願寺別院大通寺

4 重要文化財 絵画 絹本著色三月経曼荼羅図 舎那院

5 重要文化財 彫刻 木造愛染明王坐像 舎那院

6 重要文化財 彫刻 木造阿弥陀如来坐像 舎那院

7 重要文化財 彫刻 木造十一面観音坐像 知善院

8 重要文化財 工芸品 長浜祭鳳凰山飾毛綴 附鍍金飾金具 祝町組 9 重要文化財 工芸品 長浜祭翁山飾毛綴 附鍍金飾金具 伊部町組 10 記録選択の無形の

民俗文化財 無形の民俗文化財 長浜曳山狂言 長浜曳山祭文化財保護委員会

11 重要無形民俗文化財 無形の民俗文化財 長浜曳山祭の曳山行事 財団法人長浜曳山文化協会 12 記念物 名勝 大通寺含山軒および蘭亭庭園 真宗大谷派本願寺別院大通寺

13 記念物 名勝 慶雲館庭園 長浜市ほか

14 登録有形文化財 建造物 黒壁ガラス館本館(旧第百三十銀行長浜支

店) 株式会社黒壁

15 登録有形文化財 建造物 長浜旧開知学校 個人

16 登録有形文化財 建造物 ふじ石亭主屋 光亜興産株式会社

17 登録有形文化財 建造物 ふじ石亭蔵 光亜興産株式会社

18 登録有形文化財 建造物 ふじ石亭客間棟 光亜興産株式会社

表 重点区域内の県指定等文化財(美術工芸品を除く)(平成 29 年 3 月 1 日現在)

指定区分 種別 名称 所有者

1 有形文化財 建造物 舎那院護摩堂 舎那院

2 民俗文化財 有形民俗文化財

長浜曳山祭の山車 附山蔵

長刀山 小舟町組

月宮殿 田町組

萬歳樓 瀬田町組

猩々丸 船町組

春日山 本町組

孔雀山 神戸町組

壽山 大手町組

高砂山 宮町組

常磐山 呉服町組

諫皷山 御堂前組

鳳凰山 祝町組

青海山 北町組

翁山 伊部町組

3 民俗文化財

記録作成等の措置を 講ずべき無形の民俗 文化財

長浜曳山祭 長浜曳山祭文化財保護委員会

4 選定保存技術 曳山金工品修理 個人

表 重点区域内の市指定文化財(美術工芸品を除く)(平成 29 年 3 月 1 日現在)

指定区分 種別 名称 所有者

1 有形文化財 建造物 大通寺台所門 真宗大谷派本願寺別院大通寺

2 有形文化財 建造物 知善院表門 知善院

3 有形文化財 建造物 大通寺山門 附山廊 真宗大谷派本願寺別院大通寺

4 有形文化財 建造物

大通寺庫裡

真宗大谷派本願寺別院大通寺 大通寺鐘楼

大通寺太鼓楼 大通寺渡廊 大通寺新御座

5 有形文化財 建造物 大通寺宝蔵 真宗大谷派本願寺別院大通寺

6 有形文化財 建造物 妙法寺石造笠塔婆 妙法寺

7 記念物 史跡 長浜城跡 長浜市

8 記念物 史跡 妙法寺塚墓(石囲い箱棺墓) 妙法寺

9 記念物 名勝 長浜八幡宮放生池 長浜八幡宮

10 記念物 名勝 大通寺学問所庭園 真宗大谷派本願寺別院大通寺

(3)重点区域の歴史的風致の維持及び向上の効果

当該重点区域は、長浜市の維持向上すべき歴史的風致の中でも、特に代表的な長浜曳山 祭の行事が繰り広げられる区域であるとともに、大通寺の門前町が色濃く残っている区域 である。

この重点区域において、歴史的風致の維持及び向上を図るための施策を重点的かつ一体 的に推進することにより、歴史的建造物の保存・活用や周辺の環境整備を進めることがで き、また、伝統文化の保存・継承・発展にも大きく資することになる。

また、市が市民を対象に実施した下記のアンケート結果によると、重点区域に居住して いるかどうかにかかわらず、市民にとって長浜市は貴重な歴史や伝統が残されたまちであ ると強く認識されていることがわかる。

したがって、こうした歴史的・文化的資源に磨きをかける取組を強力に推進することで、

その個性や魅力を高めることにつながっていく。それにより市民の歴史・文化に対する理 解や愛着心を深めることができるとともに、交流人口の拡大や観光振興など多方面に及ぶ 効果も期待され、さらには地域経済の活性化も期待できる。

なお、当該重点区域は、長浜市中心市街地活性化基本計画(平成 21 年(2009)6 月認定)

に定める重点区域、都市再生整備計画(平成 22 年(2010)3 月提出)に定める計画区域の 中に包含されるため、これらに基づく事業を総合的かつ一体的に展開することで、上記の 投資効果をより一層高めることができる。

●「長浜市基本構想」改定に係る市民アンケート

(募集期間:平成 22 年(2010)8 月 1~31 日、市内全戸に配布、回答件数 343 人)

【問】 現在の長浜市の良いところを、次の中から選んでください。(3 つ以内で選んでく ださい。)

【結果】

250 194

99

51 37

25 14 14 14 13 10 9 7 4 27 0

50 100 150 200 250 300

便

回答数

(4)重点区域における歴史的風致の維持及び向上に関する取組

①都市計画の活用

長浜市の都市計画は、長浜地域が属する「彦根長浜都市計画区域(線引き都市計画区域)」

(昭和 46 年(1971)6 月指定)、浅井地域・びわ地域・虎姫地域・湖北地域・高月地域・

木之本地域が属する「長浜北部都市計画区域(非線引き都市計画区域)」(平成 28 年(2016)

12 月指定)の 2 つの都市計画区域がある。また、浅井地域の山間部、木之本地域の一部、

余呉地域、西浅井地域は都市計画区域外である。

本計画の重点区域は「彦根長浜都市計画区域」内に所在する。当該重点区域は、豊臣秀 吉の長浜城下町以来、人々が暮らす住居地として、また町の経済的な発展を支えてきた商 工業の中心地として今日に至っていることから、用途地域については、その多くの範囲が 第一種住居地域、近隣商業地域、商業地域に指定されている。

また、大通寺周辺は、古くからの狭隘道路が多く木造の住宅が密集していることから、

防火地域、準防火地域に指定している。

表 重点区域内の都市計画(平成 29 年 3 月 1 日現在)

用途地域 第一種住居地域、近隣商業地域、商業地域、工業地域 防火地域・準防火地域 大通寺の周辺 防火地域 1.1ha

準防火地域 67.3ha の一部

②景観計画の活用

平成 16 年(2006)に景観法が制定された。良好な景観は、美しく風格のある国土の形成 と、潤いのある豊かな生活環境の創造に不可欠であり、国民共通の資産として、現在及び 将来の国民がその恵みを受けられるように、整備・保全が図られなければならないと考え られている。

長浜市では、長浜らしい良好な景観を次代へ継承するため、独自の景観づくりに取り組 めるよう、平成 20 年(2008)1 月に景観行政団体となり、同年 3 月に景観法に基づく「長 浜市景観まちづくり計画」を策定し、あわせて「長浜市景観条例」を施行した。また平成 22 年(2010)1 月の市町合併に伴い、新たな景観資源を含むようになったことから、平成 23 年(2011)1 月に計画を変更した。この景観まちづくり計画では、長浜市全域を景観計 画区域に指定するとともに、良好な景観形成が特に必要とされる区域 10 ヶ所を景観形成重 点区域に指定し、建築物の形態意匠や高さ、色彩などについて詳細な景観形成基準を定め ている。

本計画の重点区域には、歴史的建造物や風情ある町並みが残されており、これらの地域 資源を活かした景観まちづくりをさらに促進させる必要があるため、6 つの通りを「特定 景観形成重点区域」に指定し、建築物の高さ制限(13m)やマンセル値による色彩制限な どにより、周辺の町並み景観と調和した建築行為等が行われるよう規制誘導を行っている。

また、長浜城跡周辺の琵琶湖沿岸の一部区域を「広域景観形成重点区域」に指定し、同様 の規制誘導を行っている。

今後は、伝統的な町家が多く軒を連ねる「北国街道」の南北側、さらに慶雲館や旧長浜

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