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各種防災活動の拠点となるべき市施設の災害対応力を強化、さらに地震災害の同時多発性に対応するた め、地域における防災活動拠点として市立小・中学校について、災害初期の救援対策を行うのに必要な機 能強化の計画を示すものとする。

また、ライフライン施設、道路・橋梁、河川管理施設において、その都市公共施設としての重要性をふ まえ、地震をはじめ火災、浸水等による機能支障を生じないよう、各機関(事業者)が実施又は計画する 予防対策のあらましを示すものとする。

第1 市 の 施 設

【担当 財務部、教育委員会】

市施設については、次の3つの視点から災害対応力を強化する。

(1) 利用者の安全確保 (2) 防災施設の整備 (3) 活動体制の整備 1 市の施設の防災体制整備

(1) 体 制 の 整 備

非常時における各職員、施設利用者の役割や行動について、各施設の内容に応じた実践的な想定をふま え、職員自衛防災組織づくり、職員・利用者に対する防災手引書作成及び実践的な訓練の定期的実施を推 進する。

(2) 防災点検の実施 (3) 施設周辺地域との交流

(4) 災害対策本部、災害対策現地本部の設置場所となる市施設に、発電機、防災行政無線設備、飲料水兼用 の貯水槽の設置、さらには他機関施設との非常時連絡用としての車両の配備について進める。

2 市立小・中・特別支援学校の施設整備

市立小・中・特別支援学校の施設整備については、以下の5つの視点から災害対応力の充実・強化を図る。

(1) 児童・生徒の安全確保 (2) 指定緊急避難場所

(3) 地域における防災活動拠点 (4) 指定避難所

(5) 情報連絡の拠点

第2 ライフライン施設

各ライフライン施設については、各所管の機関がそれぞれの事業計画により耐震性・耐火性・耐浸水性の強 化を中心として、安全で災害に強い施設の整備を進める。

市は、各機関に対して、必要に応じて予防対策の実施を要請するとともに、災害時における応急、復旧活動の 円滑な進展を確保するため、市及びライフライン事業者からなる合同連絡協議会を設置するなど相互の連携調 整に努めていく。

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(地震)第1章 災 害 予 防 計 画 第1節 都市公共施設の災害対応力の強化

1 上 水 道 施 設 【担当 水 道 局】

(1) 基 本 方 針

上水道施設の耐災害性を強化するため、老朽化施設の整備・改良を進めるとともに、施設の常時監視・

点検を強化して保全に努め、災害発生に伴う被害を最小限にとどめる。

(2) 事 業 計 画

① 大規模災害時においても、市民に対して減断水の状況、応急給水、応急復旧の進捗に合わせた適時適 切な情報を提供する。

② 災害復旧等のマニュアルについて整備する。

③ 各関係機関との連携を強化する。

④ 応急資材の備蓄を図る。

⑤ 水道施設の耐震化を図る。

2 下 水 道 施 設 【担当 下水道部】

(1) 基 本 方 針

下水道施設の耐災害性を強化するため、老朽化施設の整備・改良を進めるとともに、施設の常時監視・

点検を強化して保全に努め、災害発生に伴う被害を最小限にとどめる。

(2) 事 業 計 画

震災発生時には「市下水道部非常災害対策要綱」及び「地震対策マニュアル」に基づき行動できるよう、

震災時を想定した訓練を行う。

3 電 気 施 設 【担当 東北電力㈱福島営業所】

(1) 基 本 方 針

各設備は、電気設備の技術基準などの諸基準、指針等に適合するよう設計・設置するとともに、被害を 最小限度に留められるような諸施策を講ずる。

(2) 電力設備の災害予防措置

① 送 電 設 備 ア 架 空 電 線 路

電気設備の技術基準に規定されている風圧荷重が地震動による荷重を上回るため、同基準に基づき 設計を行う。

イ 地 中 電 線 路

終端接続箱、給油装置については「変電所等における電気設備の耐震対策指針」に基づき設計を行う。

また、地盤条件に応じて、可とう性のある継手や管路を採用するなど耐震性を配慮した設計とする。

② 変 電 設 備

機器の耐震は、変電所設備の重要度、その地域で予想される地震動等を勘案するほか、電気技術指針

「変電所等における電気設備の耐震対策指針」に基づいて設計を行う。建物については、建築基準法に よる耐震設計を行う。

③ 配 電 設 備 ア 架 空 配 電 線 路

電気設備の技術基準に規定されている風圧荷重が地震動による荷重を上回るため、同基準に基づき 設計を行う。

イ 地 中 配 電 線 路

地盤条件に応じて、可とう性のある継手や管路を採用する等耐震性を配慮した設計とする。

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(地震)第1章 災 害 予 防 計 画 第1節 都市公共施設の災害対応力の強化

④ 通 信 設 備

屋内外に設置する装置については、㈳日本電気協会で定める「電力保安通信規程」における「電力保 安通信設備の地震対策」に基づいて耐震設計を行う。

(3) 設備の維持管理

電気事業法第42条に基づき定めた「保安規定」に則り、電気工作物を維持するにあたって必要な巡視、

点検及び検査等を行い、保安管理に努める。

4 都 市 ガ ス 施 設 【担当 福 島 ガ ス ㈱】

(1) 基 本 方 針

ガス施設の耐災害性の強化及び地震や風水害等による被害の軽減のための諸施策を実施するとともに、

総合防災システムを確立することにより、ガスの流出防止と近隣住民への二次災害防止に努める。

このため、「緊急時の出動体制」、「台風、洪水、火災、地震時等非常時の対策要領」、「緊急時点検マニ ュアル」、「ガス漏えい及び導管事故時処理要領」を定め、緊急時に備える。

(2) 事 業 計 画

① 製 造 施 設

ア 施設は、その使用条件、重要度などに応じて、ガス事業法などの諸法規・基準に基づいて設計し、

安全性及び耐震性を確保する。

イ 緊急遮断弁、防消火設備の設置並びに保安用電力の確保等を行い、二次災害の防止のための措置を 行う。

② 供 給 施 設

ア ガスホルダーやガス導管の設計は、ガス事業法などの諸法規並びに基準に基づいて地震力を考慮し て設計するほか、安全装置、遮断装置、離隔距離などを考慮する。

イ ガス導管材料は、最高使用圧力に応じてガス事業法に定める材料を使用し、地盤沈下区域に埋設す る導管は、展延性に富む鋼管、PE管とする。

ウ 中圧導管、地下室等のガス導管には、危急の場合にガスの供給を地上から速やかに遮断することが できる適切な装置を設ける。

③ 通 信 施 設

無線施設等は固定局と移動局があり、固定局のアンテナ類は耐震設計を施し、長時間の停電に対して は無停電装置及び自家発電装置で運用する。

5 電 話 施 設 【担当 東日本電信電話㈱福島支店】

(1) 基 本 方 針

災害時においても、通信の確保ができるよう、平常時から設備の防災構造化を実施する。

また、災害が発生した場合に備えて東日本電信電話㈱福島支店に災害等対策実施細則を制定し、迅速か つ的確な措置を行えるよう、万全の体制を期する。

(2) 施 設 の 現 況

① 交換機設置ビル

関東大震災の規模と被害状況を参考として、耐震、耐火構造のビル設計を行うとともに、地震に起因 する火災や降雨による浸水等の二次災害を防止するため、地域条件に則して防火扉、防水扉等を設置し ている。

② 所 内 設 備

ア 所内に設備する通信用機器は、地震動による倒壊、損傷を防止するため、支持金物等による耐震措

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(地震)第1章 災 害 予 防 計 画 第1節 都市公共施設の災害対応力の強化

置を行うとともに、脱落防止等の措置を行っている。

イ 通信機械室に装備してある器具・工具、試験器等には耐震対策を施し、棚等は不燃性のものを使用 している。

③ 所 外 設 備 ア 地 下 ケ ー ブ ル

地下ケーブルは、耐震性の高い洞道への収容及び移設を随時実施している。

イ 橋梁添架ケーブル

二次的災害の火災による被害を想定して、耐火防護及び補強を実施している。

④ 災害対策用機器 ア 各 種 無 線 機

通信の全面途絶地帯、指定緊急避難場所等との通信を確保するために、地上系・衛星系の災害対策 用無線機等を常備している。なお、主要機関には、都市災害用無線を常設している。

イ 非常用可搬型交換装置

所内通信設備が被災した場合、重要な通信を確保するため、代替交換装置として全国主要都市に非 常用可搬型交換装置を配備している。

ウ 移 動 電 源 車

災害時等の長時間停電対策として、移動電源車を福島県内主要拠点に配備している。

東日本電信電話㈱福島支店 (500KVA)1台

〃 (150KVA)1台

〃 ( 30KVA)1台

東日本電信電話㈱郡山支店 (500KVA)1台

〃 (150KVA)1台

〃 ( 30KVA)1台

東日本電信電話㈱会津若松支店 (150KVA)1台

〃 ( 30KVA)1台

東日本電信電話㈱いわき支店 (150KVA)1台

〃 ( 30KVA)1台

(3) 事 業 計 画

電気通信設備を確保するために次の諸施策を計画し、実施中である。

① 公共機関等の加入者の必要な通信を確保するため、ケーブルの2ルート化と回線の分散収容を図る。

② 通信が途絶するような最悪の場合でも、最小限度の通信ができるよう、必要な場所に臨時公衆電話を 設置し、一般公衆の使用に供する。

③ 架空ケーブルは、地震及び地震による二次災害(火災)に比較的弱いので、地下化の望ましい区間は 地下化を促進する。

④ 交換機設置ビル相互間を結ぶケーブルは、経路の分散化を推進する。

⑤ 商用電源が停止した場合の対策として予備エンジンを常備しているが、さらに被災した場合を考慮し て、移動電源装置、可搬型電源装置を配備している。

⑥ 災害時の通信確保及び復旧対策として、移動電源車、衛星通信システム装置等を県内主要地域に配備 するとともに、配備運用体制の見直しを行う。

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