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地震に際して最大の被害拡大要因となる延焼火災の発生を防止し、拡大を防ぐための計画として、出火 の防止、初期消火体制の強化、消防力の強化等を示すものである。

さらに、地震による一次的、二次的被害として、液状化、がけくずれ災害、ブロック塀等の倒壊、落下 物等、危険物・有毒物等取扱施設の被災による有毒ガスの発生等をも想定し、それぞれの被害発生の形態 に則した軽減方策を構じる。

第1 地震火災の防止

【担当 消防本部、市民安全部】

消防法をはじめ関係法令に基づいて、建築物、危険物、火気取り扱い施設等に対する規制指導を行い、火災 発生から延焼までの火災の進行の各段階において、防災関係機関と市民、事業所がそれぞれの役割において可 能な限り発生件数の減少を図る方策を講じて、全体としての地震火災の防止をめざす。

1 出 火 の 防 止

(1) 建築物の火災対策

① 一 般 建 築 物

一般建築物のうち、消防法第7条に規定した建築物の同意事務における書類等の審査に際して防災上 の指導を行う。

② 政令指定防火対象物

政令指定防火対象物については、同意事務、着工届及び使用開始届に伴う検査に際して、防災上の指 導を行う。

③ 予 防 査 察 等

予防査察の実施にあたっては、大震災時の被害を想定しての指導も行い、不備欠陥については、是正 措置を講ずる。

なお査察にあたっては、大地震に対する平素の心構えについても指導する。

(2) 危険物施設の安全化

危険物施設における構造設備の耐震化及び安全性の向上を図る。

また、貯蔵・取扱いの保安管理の指導、危険物施設の安全化を推進するとともに、自主防災体制の整備、

防災資器材の整備促進、査察の強化等により出火防止、流出防止を図っていく。

(3) 薬品等による出火防止

引火性の薬品類を取り扱う事業所、学校、病院、研究所等の実態調査を行い保管の適正化を指導する。

(4) 出火防止知識の普及徹底 2 初期消火体制の確立

(1) 消防用設備等の適正化

消防用設備等について、災害発生時に有効にその機能が発揮されるよう、指導の徹底を図る。

(2) 消火器具の普及

各家庭における初期消火体制を整えるため、消火器、三角バケツ等の備えを呼びかける。

また、小規模事業所等における初期消火体制を確立するため、それぞれの形態に応じた消火器具の設置 を指導する。

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(地震)第1章 災 害 予 防 計 画 第2節 被 害 の 軽 減

(3) 市民の防災行動力の向上

総則編 第 2 章 災害予防計画 第12節自主防災組織の整備及び第13節防災訓練に記載 (4) 事業所の自主防災体制の強化

総則編 第 2 章 災害予防計画 第12節自主防災組織の整備及び第13節防災訓練に記載

3 火災の拡大防止

(1) 常備消防の強化 (2) 消防通信体制の強化

(3) 非常備消防(消防団)の整備強化

教育・訓練による団員の防災行動力の向上、消防団器具置場、消防用資機材、携帯用無線等の整備・点 検・増強を進める。

(4) 消防水利の整備

耐震性をもたせた貯水施設及び消火栓を整備し、消防水利の充実を図る。

第2 がけくずれ災害等の防止、宅地造成地災害対策

1 がけくずれ災害対策 【担当 都市政策部、農政部】

(1) 宅地造成地災害対策

丘陵部や急傾斜地における宅地の造成については、県知事が、必要に応じて宅地造成等規制法等により 規制区域を設けるなど危険のないよう十分な行政指導を行う。

(2) がけくずれ災害対策

がけ等の急傾斜地については、災害の発生を未然に防止するため、県は急傾斜崩壊危険区域(資料編 資 料1-13)を指定し、行為の制限、改善命令の他、必要に応じて防災工事を行うことになっている。今後 も住民の理解と協力を得ながら、危険区域指定の促進等の安全化対策の推進に努める。

(3) 警戒避難体制の確立

危険が予想される場合の防災パトロールの実施、避難情報の伝達・周知方法の検討、避難計画の確立を 図る。

2 地震による水害対策 【担当 建 設 部】

(1) 基本的な考え方

地震による水害としては、堤防施設の決壊や水路・河川の閉塞後の洪水及びため池堤の決壊による浸水 被害が予測される。

(2) 危険地域の住民に対しては、ハザードマップの作成・配布によりその周知徹底に努める。

(3) 閉塞をきたした場合はすみやかに除去作業が行えるよう、重機保有の事業所や建設業協会等との連携体 制を確立する。

第3 ブロック塀等対策

【担当 都市政策部、教育委員会】

ブロック塀等の重量塀の倒壊による人的被害を防止し、避難・消防・救援活動の妨げとならないよう、市は その実態を調査し、危険なものについては改修を指導する。また、市の施設については、生け垣化やその他の緑 化を積極的に推進し、市民や事業所にも協力を求めていく。

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(地震)第1章 災 害 予 防 計 画 第2節 被 害 の 軽 減

1 事前指導の強化

ブロック塀等のいわゆる重量塀の倒壊による人的被害を防止し、避難・消防・救援活動の妨げとならない よう、市はその実態を調査し、危険なものについては、改修を指導する。

建築物建築確認に伴う事前指導を強化するとともに、建設業協会支部等関係業者の協力を要請し、正しい 施工方法や補強方法についての安全化の徹底を図る。

また市民に対しては、ブロック塀等の正しい施工方法や補強方法、地震時のブロック塀等重量塀からの危 険回避等について、普段からのPR強化に努める。

2 実態調査に基づく改善指導

小・中・特別支援学校の通学路に面するブロック塀等及びその他指定緊急避難場所に指定される施設の周 辺地区については、現況調査を実施してきたが、今後においても危険個所の実態把握と改善に努める。

3 生け垣の推進

「地区計画」や「生垣設置事業補助金」の活用を促進し、市街化区域内の生け垣の推進を図る。

第4 落下物等対策

【担当 都市政策部、教育委員会】

1 屋内の落下物防止対策

屋内の落下物防止対策については、各種団体の協力を得ながらあらゆる機会をとらえその対策の実施を指 導、啓発していく。

家庭内の落下物防止について、対策を講じるよう指導していく。

2 建築物の落下物防止対策

(1) 小・中・特別支援学校の窓ガラスの安全化

(2) 公共施設等における弾性のある資材の使用、飛散防止策、安全ガラスへの改修、物品等の倒壊防止、照 明器具や屋外広告物の落下防止等の施策を講ずるよう進める。

(3) そ の 他

国道、県道及び主要な幹線道路となる市道に面する建築物の建築確認に際しては、窓ガラス、屋外広告 物その他の落下危険のないよう指導を行う。

3 道路沿道の落下物等防止対策

広告塔、看板等の落下防止対策を講じるように指導していく。

第5 危険物・有毒物等対策

【担当 消防本部】

1 石油類等危険物施設

(1) 立 入 検 査

法令に基づいて立入検査を実施し、災害予防についての指導を積極的に行うとともに、地震により被害 を受けやすい施設の耐震対策について指導する。

また、関係者の自主保安管理が適正に行われるよう、震災対策計画の確立や同計画に基づく管理の徹底 を図る。

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(地震)第1章 災 害 予 防 計 画 第2節 被 害 の 軽 減

(2) 流出防止対策等

危険物施設における構造設備の耐震化及び安全性の向上を図るとともに、貯蔵や取扱いの適正管理に努 め、危険物施設の安全化を推進する。

2 高圧ガス・火薬類保管施設

高圧ガス、火薬類等保管施設に対して、自主的な保安管理体制及び応急措置体制の強化を指導するととも に、関係業種別の保安団体の積極的な活動を推進し、各種災害の防止を図るよう指導する。

3 毒物・劇物保管施設

消防本部の任務として必要に応じ、立入検査等を実施して、施設の実態を把握し、防災上必要な事項につ いて指導する。

また、特に事業所に対しては、中和剤等の確保と応急処置体制等についての検討並びに防火管理者等に適 切な防災計画の立案整備について指導する。

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(地震対策編)

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