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部門間原価配賦に関する調査

ドキュメント内 病院部門別原価計算 (ページ 80-83)

第4章 部門間原価配賦

1. 部門間原価配賦に関する調査

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図0-3-1 階梯式配賦イメージ(再掲)

<一次計上>(第1次集計)

以下4部門に収益、費用を計上する

入院部門 外来部門 中央診療部門 補助管理部門

内科 外科 ・・・ 内科 外科 ・・・ 手術 検査 画像診断 ・・・ 診療支援系 運営管理系

<二次配賦>(第2次集計前半)

補助・管理部門の費用を入院部門、外来部門、中央診療部門に配賦する

入院部門 外来部門 中央診療部門 補助管理部門

内科 外科 ・・・ 内科 外科 ・・・ 手術 検査 画像診断 ・・・ 診療支援系 運営管理系

<三次配賦>(第2次集計後半)

中央診療部門の収益・費用を入院部門、外来部門に配賦する 入院部門 外来部門 中央診療部門

内科 外科 ・・・ 内科 外科 ・・・ 手術 検査 画像診断 ・・・

(出典)中医協(2011 ) p.3を参考に筆者作成。

補助部門費を関係部門に配賦する際に、部門間相互の用役の授受を計算上いかに処理す るかにより、次の①直接配賦法、②階梯式配賦法、③相互配賦法の3つの方法がある。

部門間の配賦は行われない

部門間の配賦は行われない

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①直接配賦法

直接配賦法とは、補助部門間でサービス等の授受がおこなわれていても、補助部門間の 再配賦は行わず、直接に製造部門に配賦する方法である。補助部門間のサービスの授受を 配賦計算ではすべて無視し、各製造部門における補助部門サービス等の消費割合によって、

当該補助部門費を製造部門に割り振ることに特徴がある。

②階梯式配賦法

階梯式配賦法とは、直接配賦法のように補助部門間のサービス等の授受をすべて無視す ることはせずに、一部は計算上考慮する方法である。つまり、補助部門費を配賦する順番 を決めて33

③相互配賦法

)、第1順位の補助部門費は他の下位の補助部門に配賦するが、たとえサービス 等を提供していても、下位の補助部門費は上位の補助部門には配賦しないことに特徴があ る。

相互配賦法とは、補助部門間のサービス等の授受を、授受を受けた程度に応じて配賦す る方法で、厳密に行う連続配賦法や連立方程式と、1回目の配賦は相互に配賦するが、2回 目の配賦は直接配賦法によって行う簡便な方法がある。

荒井(2007)によると、「相互配賦法は計算は複雑になるが、サービス授受関係のすべてを

原価計算に反映する方法であるため理論的正当性があり、各部門を説得しやすい。それに 対して、階梯式配賦法は非償還対象部門間に順番をつけ、一方方向にのみ原価を部門間配 賦していく方法であるため、特定部門間で両方が相互にサービスを授受している場合であ っても、片方の部門だけが他方の部門の原価を負荷されるという事態が生じてしまう。そ の結果、階梯式配賦法では非償還対象部門間で不公平感を生み出しかねず、各部門の納得 を得ることが困難になる。」(p.25)と指摘している。

監査法人トーマツ (2008)では、直接配賦法の例として、「中央滅菌室に集計された補助部 門費は、滅菌材料払出回数で各部門に配賦することが考えられるが、直接配賦法によった 場合には、払出回数に占める割合が高いと考えられる手術室への費用配賦が全く行われず、

診療部門への滅菌材料払出回数の割合で直接診療部門にのみ配賦されることになる。しか し、中央滅菌室の費用は滅菌材料払出回数に応じて手術室にも費用配賦を行った上で、手 術室に集計された費用を各診療科に手術時間数など一定の基準に基づき配賦することが合

33 ) 階梯式配賦法における部門間順位は、①他の補助部門への用益提供数の多い順、②第1次集計費の多 い順、③用益提供額の多い順などで決められる。(岡村(2000pp.239-240

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理的と考えられ、この点で直接配賦法のデメリットがある。」(p.54)と指摘している。また、

「相互配賦法はその計算構造から他の配賦方法よりも実態に即した計算ができるため、診 療科原価計算を原価管理資料として利用する場合に部門関係者の理解を得やすい点でメリ ットがある。しかし、部門間でのサービス提供関係を全て認識し、適切な配賦基準を設定 する必要があることから、計算のための作業工数は増加する。」(p.54)とし、階梯式配賦法 の場合、「各部門間でのサービス提供を認識することから、直接配賦法のデメリットを回避 するとともに、相互配賦法の作業の煩雑さを回避することができる。」(p.55)としている。

荒井(2009)のインタビュー調査によれば、部門間の原価配賦手法に関して多くの病院が補

助部門・中央診療部門・診療科及び病棟の順に段階的に配賦していく「階梯式配賦法」を 用いている。中村・渡辺(2000)よると、聖路加国際病院も同様の階梯式配賦法を用いており、

中医協(2011)の調査も同じ方法である。これらは図0-3-1に示すとおり補助部門群内の各部

門間及び中央診療部門群内の各部門間の原価の配賦はなされておらず、補助部門群から中 央診療部門群・外来診療科・入院病棟群への配賦及び中央診療部門群から外来診療科・入 院病棟群への配賦は直接配賦法になっている。したがって厳密には、直接配賦法と階梯式 配賦法の折衷的な方法が用いられている。

2.部門間の配賦率と配賦基準

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