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5. 風力発電設備のリユース・リサイクル・適正処分に関する検討

5.1 風力発電設備のリユースに関する基礎情報

5.1.2 部品・部材のリユースの概況

風車の主要構成要素としては、タワー、ナセル、ブレード、電機機器等が挙げられる。表 5-2 に風車の主要構成要素と中古品利用のニーズ・現状について示す36

事業者へのヒアリング調査によると、基本的にはほぼ全ての部品についてリユースの可能性が あり、中古品の発生時期と需要側のニーズが合致すれば、事業者の個別の状況に合わせて市場で 取引きされているとのことであった。また、部品メーカーの生産中止等により、新品の調達が不 可能な場合は、中古品を調達せざるを得ず、保証契約期間内であればメーカー、それ以外は事業 者の責任のもとで、中古品(リビルド品)が利用されているとのことであった。

表 5-2 風車の主要構成要素と中古品利用のニーズ・現状

部品・部材 中古品利用のニーズ・現状

ナセル 増速機 高価かつ風車の設計寿命(約20年)の中で2~3回修理が必要 とされること、新品の調達に数ヶ月要する場合があること等か ら、安価で短期間に調達できれば、中古品の利用ニーズが高い。

海外では最大の中古部品市場を形成。

発電機 高価であり、新品の調達に数ヶ月要する場合があること等から、

安価で短期間に調達できれば、中古品の利用ニーズが高い。

電機機器(制御系機 器、モーター、変圧 器等)

比較的コストが高く、修理・修復が必要となる電機機器の中古 品利用ニーズが高い。

部材(軸受、歯車、

ブレーキ、シリンダ ー等)

モーターのブレーキや、油圧装置のシリンダーなど、特に小型 部品内の部材について、中古品利用のニーズ・事例がある。

その他部品・部材 中古品の発生時期と需要側のニーズが合致すれば、基本的には どの部品であっても、中古品利用のニーズは存在。事業者の個 別の状況に合わせて市場で取引きされている。

ブレード 台風や落雷等により最も損傷を受けやすく、使用不能になるま で修繕を繰り返すのが一般的であるが、調達に時間を要するこ と等から、中古品利用の事例がある。

タワー 輸送コストがかかることから現地調達にメリットがあり、遠方 から中古品を取り寄せるより、近くで新品を購入する方が安価 である可能性が高い。

出所)事業者へのヒアリング調査より取りまとめ

36 本節については、主に国内外事業者へのヒアリング調査結果により取りまとめている。

75 (1) ナセル内部品・部材

風車を構成する部品の中でも、最も中古品利用ニーズが高いのはナセル内部品であり、海外で は増速機、発電機、電気機器(制御系機器、モーター、変圧器等)の中古品市場が形成されてい る。

図 5-1 ナセルの部品構成

出所)三菱重工業(株)『風力発電における永久磁石利用の動向』2011, 6回産総研レアメタルシンポジウム資 料)

1)増速機・発電機

増速機は、新品で 2,000~3,000 万円37と高額であり、風車の設計寿命(約 20 年)の中で 2~3 回修理が必要とされること、新品の調達に数ヶ月要する場合があること等から、最も中古品の利 用ニーズが高い部品となっている。海外では最大の中古部品市場を形成しており、増速機の中古 販売・修理の専門業者が存在している。海外からの輸送コストを加味しても、新品に対する中古 品のコストメリットが出る場合があり、特に新品の調達期間が数ヶ月必要となる場合には38、短期 間で調達できる中古の増速機の付加価値は高くなる。なお増速機は、遊星ギアやその周辺部品が 壊れている場合、中古品としての価値はほとんどなくなる可能性があり、メンテナンス・修繕の 実施状況により、中古品としての利用可否や価値が大きく変わってくる。

発電機は、増速機と比較すると故障頻度は低いが、高価であり、新品の調達に数ヶ月要する場 合があることから、増速機と同様に中古品の利用ニーズが高い部品の一つである。

2)電気機器

電気機器については、比較的コストが高く、一定頻度で修理が必要となる電機部品・ユニット の中古品利用ニーズが高い。ヨー制御機器、ピッチ制御機器等の制御系機器が代表例で、新品は

37 23MW風車の場合。事業者へのヒアリング調査より。

38 例えば日本に設置されている海外製風車の場合、保証契約上、メーカー担当者による故障原因の調査・特定を した上で新品部品・部材を取り寄せることから、新品部品・部材の取り寄せに2か月以上を要する事例も存在す る。

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数百万の投資となることから、安価な中古品を購入する事例が多い。また、高価な大型電機部品 に限らず、例えば高級風況計測器のように、新品で購入すると50万円を超える小さい電機部品に ついても、中古品のニーズがあり、市場で取引されている。

3)部材

中古部材については、今回の調査では利用状況に関する情報は多く得られなかったものの、モ ーターのブレーキや、油圧装置のシリンダーなど、特に小型部品内の部材について、中古利用の ニーズ・事例が確認された。

(2) ブレード

ブレードは、台風や落雷等により最も損傷を受けやすく、使用不能になるまで修繕を繰り返す のが一般的であるが、調達に時間を要することや運搬コストがかかることから、安価に調達でき る場合、中古品利用のメリットがある。海外では、リパワリングの際に、撤去した風車のブレー ドが近隣の風車に再利用されている事例がある。また、国内においても、新品のブレードを購入 したかったものの、同型のブレードをメーカーが生産しておらず、中古品を手配して対応した事 例が確認された。

(3) タワー

タワーは輸送コストがかかることから現地調達にメリットがあり、遠方から中古品を取り寄せ るより、近くで新品を購入する方が安価である可能性が高い。

なお、日本においては、旧建築基準法の元で設置されたタワーは、新建築基準法の元では移設 することが出来ない。これは旧建築基準法のもとで建設された風車はIEC規格に適合しているが、

改正建築基準法ではJIS規格への適合が求められており、国際認証を取得した風車であってもJIS 規格に適合していなければ、タワー・基礎の移設は認可されないためである。

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