4. 太陽熱利用システムのリユース・リサイクル・適正処分に関する検討
4.1 使用済太陽熱利用システムの撤去から処分までのフローに関する調査
4.1.3 使用済太陽熱利用システムの撤去、運搬、リサイクル・処理に関する留意事項
実施したアンケート調査、ヒアリング調査を基に太陽熱利用システムの撤去、運搬・リサイク ル・処理に関する留意事項を整理した。
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表 4-3 太陽熱利用システムの撤去、運搬、リサイクル・処理に関する留意事項等
段階 作業工程
Ⅰ:安全の確保 Ⅱ:廃棄物の適正な処 理の確保
Ⅲ:資源の有効利用の 確保
想定され るリスク
リスク 回避策
想定され るリスク
リスク 回避策
想定され るリスク
リスク 回避策
撤去
太陽熱利用システ ムの確認(太陽熱利 用システムの種 類・サイズ・重量、
架台の形状等の確 認)
- -
確認が不 十分であ ったこと による不 適正な処 理
太陽熱利 用システ ムの種類
(自然循 環式・強 制循環式
※1
- -
撤去作業現場の確 認(設置場所、作業 スペース・搬出ルー トの確認)
作業場所 の広さが 不十分で あったた めの事故
十分な広 さの作業 場所の確 保
- - - -
足場・スライダーの
設置、安全対策等 墜落・転落
適切な足 場、養生 シートの 設置。
親綱・安 全帯・保 護帽等の 使用
- - - -
不凍液の取り出し
(強制循環式の場 合)
- -
不凍液の 不適切な 処理
太陽熱利 用システ ム本体の 撤去前 に、不凍 液を取り 出し、容 器に入れ る。
廃液処理 業業者に 処理を委 託する。
- -
温水の取り出し 高温水に よる火傷
太陽熱利 用システ ム本体の 撤去前 に、温水 を取り出 す。
- - - -
本体の取り外し
高温な集熱 部による火 傷
保護帽、
グロー ブ、保護 メガネ、
作業着等 の着用
- - - -
製品解体・分別※2 破損等によ るけが
保護帽、
グロー ブ、保護 メガネ、
作業着等 の着用
資源価値の 低下
適切な分 別による 資源の有 効利用
運搬
廃棄物処理法に則 った運搬・積替・保 管の実施
- - - - - -
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段階 作業工程
Ⅰ:安全の確保 Ⅱ:廃棄物の適正な処 理の確保
Ⅲ:資源の有効利用の 確保
想定され るリスク
リスク 回避策
想定され るリスク
リスク 回避策
想定され るリスク
リスク 回避策
リサイク ル・処理
製品解体・分別※2 - - - - 資源価値の
低下
適切な分 別による 資源の有 効利用 金属リサイクル
廃棄物処理法に則
った処理の実施 - - - - - -
※1:過去に販売された強制循環式のごく一部では、熱媒にフロンを使用しているものがある。当該製品のメーカー はすでに撤退しており、現在はフロンを使用した製品は販売されていない。また、過去に販売された製品につ いては、メーカーがHPにてメーカー紹介の案内を行うとともに、一般社団法人ソーラーシステム振興協会に おいても、問い合わせがあった場合には、メーカーの紹介を行っている。
※2:製品の解体・分別は、撤去現場で行われる場合とリサイクル・処理の段階で行われる場合がある。
表 4-4 使用済太陽熱利用システムの適切な分別方法
自然循環式 <貯湯部>
・ タンクを覆う外装材を固定するねじを外す
・ 保温材を外す
・ タンクを取り出す
<集熱部>
・ 透過体と外装材を固定するねじを外す
・ 透過体を外す
・ 集熱体を取り出す 強制循環式 <貯湯部>
・ タンク等を覆う外装材を固定するねじを外す
・ ポンプ、配線等の部品を取り出す
・ 保温材を外す
・ タンクを取り出す
<集熱部>
・ 透過体と外装材を固定するねじを外す
・ 透過体を外す
・ 集熱体を取り出す
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