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審査報告(2)

平成

28

2

8

Ⅰ.申請品目

[販 売 名] シクレスト舌下錠

5 mg、同舌下錠 10 mg

[一 般 名] アセナピンマレイン酸塩

[申 請 者 名]

Meiji Seika

ファルマ株式会社

[申請年月日] 平成

27

5

28

Ⅱ.審査内容

専門協議及びその後の医薬品医療機器総合機構(以下、「機構」)における審査の概略は、以下 のとおりである。なお、本専門協議の専門委員は、本申請品目についての専門委員からの申し出 等に基づき、「医薬品医療機器総合機構における専門協議等の実施に関する達」(平成

20

12

25

日付

20

達第

8

号)の規定により、指名した。

専門協議では、審査報告(1)に記載した機構の判断は支持された。なお機構は、以下の点につ いて追加で検討し、必要な対応を行った。

(1)本剤の用法・用量について

本剤の開始用量を

10 mg/日、推奨用量を 10 mg/日、最高用量を 20 mg/日と設定するという機構

の考え方は、専門協議においても支持された。なお、専門委員からは、本剤の投与を開始すると き、はじめの

2

回は

1

5 mg

を投与すること等、開始用量、維持用量及び最高用量の位置づけが 明確になるよう、用法・用量の記載を整備する必要があるとの意見が示された。

以上を踏まえ機構は、用法・用量の記載を整備し、以下のとおり変更するよう申請者に求め、

申請者は適切に対応した。

[用法・用量]

通常、成人にはアセナピンとして

1

5 mg

1

2

回舌下投与から投与を開始する。なお、維持 用量は

1

5 mg

1

2

回、最高用量は

1

10 mg

1

2

回までとするが、年齢、症状に応じ 適宜増減すること。

(2)医薬品リスク管理計画(案)について

機構は、審査報告(1)の「Ⅱ.4.(ⅲ)<審査の概略>(8)製造販売後の対応について」の項 における検討及び専門協議における専門委員からの意見を踏まえ、現時点における本剤の医薬品 リスク管理計画(案)として、表

53

に示す安全性検討事項及び有効性に関する検討事項を設定す ること、表

54

に示す追加の医薬品安全性監視活動及びリスク最小化活動を実施することが適切と 判断した。

53 医薬品リスク管理計画(案)における安全性検討事項及び有効性に関する検討事項 安全性検討事項

重要な特定されたリスク 重要な潜在的リスク 重要な不足情報

錐体外路症状/遅発性ジスキネジ

悪性症候群

舌及び咽喉の腫脹

口腔粘膜病変

肝機能障害

ショック、アナフィラキシー

痙攣

高血糖、糖尿病性アシドーシス、

糖尿病性昏睡

横紋筋融解症

無顆粒球症、白血球減少

肺塞栓症、深部静脈血栓症

麻痺性イレウス

低血糖

 QT延長

高コレステロール血症

肝機能障害患者への投与

なし

有効性に関する検討事項

使用実態下における有効性

54 医薬品リスク管理計画(案)における追加の医薬品安全性監視活動及びリスク最小化活動の概要 追加の医薬品安全性監視活動 追加のリスク最小化活動

・市販直後調査

・使用成績調査

・市販直後調査による情報提供

以上を踏まえ機構は、上記の事項を検討するための製造販売後調査を実施するよう申請者に求 めた。

申請者は、統合失調症患者を対象として、表

55

に示す使用成績調査を実施することを説明した。

55 使用成績調査計画の骨子(案)

目的 使用実態下における安全性及び有効性の確認 調査方法 中央登録方式

対象患者 統合失調症患者 観察期間 52週間

予定症例数 6週投与症例として3000a)

主な調査項目

患者背景(年齢、性別、合併症、既往歴、糖尿病家族歴、自殺企図歴、発症年月、初発・再発の別、病 型等)

本剤の投与状況(1回投与量、1日投与回数、投与期間、休薬の理由等)

併用薬の投与状況

有害事象の発現状況

臨床検査値(バイタルサイン、血液学的検査、血液生化学的検査、心電図所見等)

 Clinical Global Impression-Improvement(CGI-I)、Positive and Negative Syndrome Scale(PANSS)、The Schizophrenia Quality of Life Scale 日本語版(JSQLS)

a) 52週投与症例として300例以上(目安)を含む。

機構は、以上について了承するが、本調査を速やかに実施し、得られた結果について、適切に 医療現場に情報提供する必要があると考える。

Ⅲ.審査報告(1)の訂正事項

審査報告(1)の下記の点について、以下のとおり訂正するが、本訂正後も審査報告(1)の結論 に影響がないことを確認した。