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前進翼の定義と供試ファン

第 4 章 小型軸流ファンにおける前進翼と箱形ケーシングの干渉が翼通過周波数騒

4.1 前進翼の定義と供試ファン

(1) 前進翼の定義

翼を傾斜させて流れを制御する方法はスイープとダイヘドラルに区別される(10)(11). 図4.1 にスイープ翼とダイヘドラル翼及び本研究での前進翼の定義を示す.実線は傾 斜前の翼断面,破線は傾斜後の翼断面を示す.スイープは翼を流れ方向に傾斜する方 法,ダイヘドラルは翼を流れ方向に対して直角方向に傾斜する方法である.

スイープとダイヘドラルを個々に定義すると,翼の軸方向の寸法が変化する.しか し,本研究で対象とする小型軸流ファンは情報機器などに搭載されるため,軸方向の 寸法に制約がある.そのため本研究での翼の前進角は翼断面を周方向に変位させる,

いわゆる,周方向リーン(circumferential lean) とした.周方向リーンは翼の軸方向 の寸法は変化することなしに,スイープとダイヘドラルを同時に与えることができる.

図4.2 に本研究における前進角の定義を示す.前進角Δθは翼の後縁で定義した.具 体的には回転軸と翼根側後縁を通る直線と,回転軸と翼端側後縁を通る直線の成す角 とした.

小型軸流ファンにおける前進翼と箱形ケーシングの干渉が翼通過周波数騒音に 与える影響

53 Flow

direction Sweep

Blade section

Dihedral Flow direction Rotation

Circumferential lean

Flow direction

Sweep Dihedral

図 4.1 スイープ翼とダイヘドラル翼及び本研究での前進翼の定義

Trailing edge

Rotation

Hub Tip

Circumferential lean angle Δθ

Rotating axis

図 4.2 本研究における前進角の定義

54 (2) 供試ファン

前進翼とケーシングの干渉が騒音に与える影響を調べるために翼の前進角の異な るプロペラを試作した.表 4.1 にプロペラの主な諸元を示す.図 4.3に試作したプロ ペラの写真を示す.図 4.3 はプロペラを吸込み側から見たものである.翼の前進角を パラメータとした5種類の形状を実験した.前進角Δθはそれぞれ 31,41,46,56, 63度とした.前進角の翼根 Hub と翼端 Tip の間の分布は,翼根 Hub を 0 度,翼端 Tipの前進角Δθとした場合に,翼根 Hubから翼端Tipにかけて半径に対して線形と なるように定義した.

図 4.4に翼断面を示す.図 4.4は翼断面を円筒面に展開した図である.翼のキャン バーラインは翼入口角βb1,翼出口角βb2,取付け角ξ,翼弦長 L,最大反り量fc,最 大反り量を与える位置(前縁からの距離 X)を与えることにより定義した.翼は翼根 Hubから翼端Tip の間で複数の翼断面を定義し,それぞれの前進角に従って各翼断面 をつなげることにより設計した.図 4.3 のプロペラにおいて,前進角以外のパラメー タは全て同一とした.ボス径とプロペラの翼端外径の比は0.41とした.箱形ケーシン グの一辺の寸法は92mmとした.

表 4.1 プロペラの主な諸元

Contents Symbol Unit Spec.

Diameter D

t

[mm] 84.5

Setting angle(75%R) ξ [deg] 32

Blade length(75%R) L [mm] 27

Rotating speed N [rpm] 3000

Number of blade Z - 7

小型軸流ファンにおける前進翼と箱形ケーシングの干渉が翼通過周波数騒音に 与える影響

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Δθ =31deg Δθ =41deg Δθ =46deg

Δθ =56deg Δθ =63deg

図 4.3 試作したプロペラの写真

ξ L

X

Leading edge

Trailing edge

fc

β

b2

Blade chord Chamber line

β

b1

Rotation

図 4.4 翼断面

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