逆流性食道炎の様な症状が出現する。
→胃酸分泌抑制剤など使用する
H
2受容体拮抗薬(ガスターなど)・・・胃酸分泌抑制する PPI
(タケプロン、ネキシウムなど)・・・胃酸分泌抑制する PG
産生促進(レバミピドなど)・・・胃粘膜保護作用あり妊娠性痒疹
妊娠
8−15
週に四肢の近位伸側を中心に 一部体幹にも、かゆみの強い丘疹を生じる。 分娩に伴い皮疹・掻痒は消退
発症時期 臨床症状 皮疹の消退時期 特徴 妊娠性痒疹 妊娠8−15週 かゆみの強い丘疹・
掻破痕、小潰瘍、血 痂、色素沈着
いずれも一般的に は分娩とともに皮 疹は消退する
主に2回目以降の 妊娠時に生じる
PUPPP※ 妊娠後期
(25週以降)
かゆみの強い後半を 伴う蕁麻疹様丘疹
主に初産婦に生じ る
皮膚伸展線条
(妊娠線)
妊娠中期〜
後期以降
かゆみを伴い、細か
なシワになる。 50%以上の妊婦に 発症する
※PUPPP=Pruritic urticarial papules and plaques of pregnancy
治療
外用剤
ステロイド(ロコイド、リンデロン、マイザーなどmedium〜very strong)
ジフェンヒドラミン塩酸塩軟膏(レスタミン)など
保湿剤
ヘパリン類似物質(ヒルドイド)軟膏、クリーム、スプレーなど
内服薬
抗ヒスタミン薬(アレグラ、ポララミン)など
生理的なもの or 病的なもの
感冒(風邪)
膀胱炎、腎盂腎炎
性感染症
つわり(悪阻)
便秘(痔)
貧血
腰痛
胃部圧迫感
妊娠線(掻痒感)感冒(風邪)
咳嗽・・・鎮咳薬(アストミンなど)、麦門冬湯など
発熱・・・アセトアミノフェン
咽頭痛・・・トローチ、うがい薬(アズノール)など
痰・・・去痰薬(カルボシステインなど)
鼻汁・・・点鼻薬(スカイロンなど)、第二世代抗ヒスタミン薬
(ロタラジン、セチリジン)など
総合感冒薬の
PL
顆粒、葛根湯なども良く使われる。インフルエンザ の場合には抗ウイルス薬(タミフル、リレンザなど)も使用可能。イ ンフルエンザのワクチン接種は全妊娠期間で可能。膀胱炎、腎盂腎炎
~
・妊娠子宮によ る尿管の圧迫
・妊娠20週以降
膀胱炎、腎盂腎炎
治療は抗菌薬投与(アンピシリン、フロモックスなど)、補液、飲水など。
解熱鎮痛剤(アセトアミノフェン)も使用する
改善しなければ泌尿器科での治療(腎瘻など)再発しやすい 特に妊娠後期
低カルニチン血症
性感染症
基本的に産婦人科医へ受診する患者さんが多いと思いますが、いつも通りの処 方であれば行って頂いても良いかと思います。
性器ヘルペス・・・妊娠中に再発、悪化する事あり。産道感染を起こす。
→抗ウイルス薬(バラシクロビル)を内服・塗布する。
カンジダ腟症・・・腟・外陰部掻痒感、帯下増加を訴える事が多い。
抗真菌薬(マイコスポール、ラミシールなど)+ステロイド軟膏(リンデロンな ど)を併用する事が多い
出産後によくある事
便秘(痔)
乳腺炎
胎盤遺残
→処方薬は妊娠中と同様なので省略します。分娩
後子宮の物理的圧迫はなくなりますが、授乳によ り水分喪失が多くなるため、便が固くなり便秘に なると考えられています。乳腺炎
乳腺炎とは?
→乳房に発赤、腫脹、発熱、疼痛などがあり 授乳機能に支障をきたす事。乳汁のうっ滞が 原因。乳製品、糖質や脂質を取りすぎるとな りやすいと言われている。
乳腺炎の治療は?
→乳房マッサージ(授乳)、飲水、抗菌薬投 与など。乳汁分泌を促すために、漢方(葛根 湯)を処方する事も。発熱、疼痛コントロー
ルには
NSAIDs
やアセトアミノフェンを使用する。
授乳中は使用可
まとめ
妊娠初期は催奇形性により流産や大奇形を引き起こす可能 性が高く、妊娠中期以降は胎児毒性が問題となる。
リスクとベネフィットを考え、投与の可否を決定する。
医薬品使用・外科治療による胎児へのリスクを過度に恐れず、
母体へのメリットとのバランスを適切に評価して診療して下さい
おまけ
北海道における遠隔妊婦健診に関して
遠隔地に住む妊婦さんの妊婦健診の負担を減らすことはで きないか?
オンライン診療がその一助にならないか?
道内三大学の連携研究 : 北海道全域での社会実装
73
課題1(北海道大学)
「超長距離遠隔地での遠隔妊婦健診・診療の社会実 装研究」
課題2(旭川医科大学)
「離島での遠隔妊婦健診・診療の社会実装研究」
課題3(札幌医科大学)
「本州を想定した近距離医療圏での遠隔妊婦健診・
診療の社会実装研究」
礼文島⇔稚内
余市⇔小樽
奥尻島⇔函館
網走⇔摩周⇔釧路 コロナ対応:札幌
旭川医科大学:
離島での遠隔妊婦健診・診療の社会実装
目標:市立稚内病院と礼文町国保船泊診療所を結ぶ周産期遠隔医療シ ステムを構築し、離島の周産期遠隔医療システムの安全性を検討する。
2020年8月に機材を市立稚内病院と礼文船泊診療所に設置した。
2020年9月に2病院間で診療スケジュールなど調整。
2020年10月から礼文在住妊婦を対象に、遠隔妊婦健診の説明・同
意書の説明を開始した。 現在、月1回〜2回の頻度で遠隔妊婦健診を行っている。
礼文(拠点病院)の機材
稚内(センター病院)の機材
目標:小樽協会病院と余市協会病院を結ぶ周産期 遠隔医療システムを構築し、近距離の周産期遠隔 医療システムの有用性を検討する。
余市協会病院は従来より小樽協会病院より助産師 が訪問し、助産師外来を開設していたがより安心 な医療を提供するため 遠隔医療用胎児心拍モニタ を用いた遠隔健診システムを構築した。
札幌医科大学:
「本州を想定した近距離医療圏での遠隔妊婦健診・診療の社会実装研究」
北海道大学:
「超長距離遠隔地での遠隔妊婦健診・診療の社会実装研究」
【通常タイプ】
遠隔医療用の胎児心拍モニタを利用
【費用節約タイプ】
一般の胎児心拍モニタと市販のスキャナ とクラウドシステムを利用
目標:超長距離の周産期遠隔医療システムの安全性を検討する。