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週以降で、子宮底による胃の圧迫 でつわりの様な症状が出現する。嘔気、嘔吐や

ドキュメント内 令和2年度 妊婦の診療に係る医療研修会 (ページ 60-77)

逆流性食道炎の様な症状が出現する。

→胃酸分泌抑制剤など使用する

 H

2受容体拮抗薬(ガスターなど)・・・胃酸分泌抑制する

 PPI

(タケプロン、ネキシウムなど)・・・胃酸分泌抑制する

 PG

産生促進(レバミピドなど)・・・胃粘膜保護作用あり

妊娠性痒疹

妊娠

8−15

週に四肢の近位伸側を中心に 一部体幹にも、かゆみの強い丘疹を生じる。

分娩に伴い皮疹・掻痒は消退

発症時期 臨床症状 皮疹の消退時期 特徴 妊娠性痒疹 妊娠815週 かゆみの強い丘疹・

掻破痕、小潰瘍、血 痂、色素沈着

いずれも一般的に は分娩とともに皮 疹は消退する

主に2回目以降の 妊娠時に生じる

PUPPP※ 妊娠後期

25週以降)

かゆみの強い後半を 伴う蕁麻疹様丘疹

主に初産婦に生じ

皮膚伸展線条

(妊娠線)

妊娠中期〜

後期以降

かゆみを伴い、細か

なシワになる。 50%以上の妊婦に 発症する

※PUPPP=Pruritic urticarial papules and plaques of pregnancy

治療

 外用剤

ステロイド(ロコイド、リンデロン、マイザーなどmedium〜very strong)

ジフェンヒドラミン塩酸塩軟膏(レスタミン)など

 保湿剤

ヘパリン類似物質(ヒルドイド)軟膏、クリーム、スプレーなど

 内服薬

抗ヒスタミン薬(アレグラ、ポララミン)など

生理的なもの or 病的なもの

感冒(風邪)

膀胱炎、腎盂腎炎

性感染症

つわり(悪阻)

便秘(痔)

貧血

腰痛

胃部圧迫感

妊娠線(掻痒感)

感冒(風邪)

咳嗽・・・鎮咳薬(アストミンなど)、麦門冬湯など

発熱・・・アセトアミノフェン

咽頭痛・・・トローチ、うがい薬(アズノール)など

痰・・・去痰薬(カルボシステインなど)

鼻汁・・・点鼻薬(スカイロンなど)、第二世代抗ヒスタミン薬

(ロタラジン、セチリジン)など

総合感冒薬の

PL

顆粒、葛根湯なども良く使われる。インフルエンザ の場合には抗ウイルス薬(タミフル、リレンザなど)も使用可能。イ ンフルエンザのワクチン接種は全妊娠期間で可能。

膀胱炎、腎盂腎炎

~

・妊娠子宮によ る尿管の圧迫

・妊娠20週以降

膀胱炎、腎盂腎炎

治療は抗菌薬投与(アンピシリン、フロモックスなど)、

補液、飲水など。

解熱鎮痛剤(アセトアミノフェン)も使用する

改善しなければ泌尿器科での治療(腎瘻など)

再発しやすい 特に妊娠後期

低カルニチン血症

性感染症

基本的に産婦人科医へ受診する患者さんが多いと思いますが、いつも通りの処 方であれば行って頂いても良いかと思います。

性器ヘルペス・・・妊娠中に再発、悪化する事あり。産道感染を起こす。

→抗ウイルス薬(バラシクロビル)を内服・塗布する。

カンジダ腟症・・・腟・外陰部掻痒感、帯下増加を訴える事が多い。

抗真菌薬(マイコスポール、ラミシールなど)+ステロイド軟膏(リンデロンな ど)を併用する事が多い

出産後によくある事

 便秘(痔)

 乳腺炎

 胎盤遺残

→処方薬は妊娠中と同様なので省略します。分娩

後子宮の物理的圧迫はなくなりますが、授乳によ り水分喪失が多くなるため、便が固くなり便秘に なると考えられています。

乳腺炎

乳腺炎とは?

→乳房に発赤、腫脹、発熱、疼痛などがあり 授乳機能に支障をきたす事。乳汁のうっ滞が 原因。乳製品、糖質や脂質を取りすぎるとな りやすいと言われている。

乳腺炎の治療は?

→乳房マッサージ(授乳)、飲水、抗菌薬投 与など。乳汁分泌を促すために、漢方(葛根 湯)を処方する事も。発熱、疼痛コントロー

ルには

NSAIDs

やアセトアミノフェンを使用す

る。

授乳中は使用可

まとめ

 妊娠初期は催奇形性により流産や大奇形を引き起こす可能 性が高く、妊娠中期以降は胎児毒性が問題となる。

 リスクとベネフィットを考え、投与の可否を決定する。

医薬品使用・外科治療による胎児へのリスクを過度に恐れず、

母体へのメリットとのバランスを適切に評価して診療して下さい

おまけ

北海道における遠隔妊婦健診に関して

 遠隔地に住む妊婦さんの妊婦健診の負担を減らすことはで きないか?

 オンライン診療がその一助にならないか?

道内三大学の連携研究 : 北海道全域での社会実装

73

課題1(北海道大学)

「超長距離遠隔地での遠隔妊婦健診・診療の社会実 装研究」

課題2(旭川医科大学)

「離島での遠隔妊婦健診・診療の社会実装研究」

課題3(札幌医科大学)

「本州を想定した近距離医療圏での遠隔妊婦健診・

診療の社会実装研究」

礼文島⇔稚内

余市⇔小樽

奥尻島⇔函館

網走⇔摩周⇔釧路 コロナ対応:札幌

旭川医科大学:

離島での遠隔妊婦健診・診療の社会実装

目標:市立稚内病院と礼文町国保船泊診療所を結ぶ周産期遠隔医療シ ステムを構築し、離島の周産期遠隔医療システムの安全性を検討する。

2020年8月に機材を市立稚内病院と礼文船泊診療所に設置した。

2020年9月に2病院間で診療スケジュールなど調整。

2020年10月から礼文在住妊婦を対象に、遠隔妊婦健診の説明・同

意書の説明を開始した。

現在、月1回〜2回の頻度で遠隔妊婦健診を行っている。

礼文(拠点病院)の機材

稚内(センター病院)の機材

目標:小樽協会病院と余市協会病院を結ぶ周産期 遠隔医療システムを構築し、近距離の周産期遠隔 医療システムの有用性を検討する。

余市協会病院は従来より小樽協会病院より助産師 が訪問し、助産師外来を開設していたがより安心 な医療を提供するため 遠隔医療用胎児心拍モニタ を用いた遠隔健診システムを構築した。

札幌医科大学:

「本州を想定した近距離医療圏での遠隔妊婦健診・診療の社会実装研究」

北海道大学:

「超長距離遠隔地での遠隔妊婦健診・診療の社会実装研究」

【通常タイプ】

遠隔医療用の胎児心拍モニタを利用

【費用節約タイプ】

一般の胎児心拍モニタと市販のスキャナ とクラウドシステムを利用

目標:超長距離の周産期遠隔医療システムの安全性を検討する。

ドキュメント内 令和2年度 妊婦の診療に係る医療研修会 (ページ 60-77)

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