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統計データからみる農山村の世帯

ドキュメント内 現代農山村における結婚に関する研究 (ページ 50-53)

第 3 章 「 T 型集落点検調査」からみる小規模集落の現状

2. 統計データからみる農山村の世帯

「T型集落点検」調査からのデータを見る前に、まずは官庁統計データから、農山村の世 帯の推移および現状について確認しておくことにしよう。ここでは、郡部を農山村的地域 として捉えておくことにしたい。

46 2-1.世帯規模の推移

図3-1から、世帯規模の推移について確認しよう。図3-1の上の曲線は、農家世帯の平均 世帯員数をあらわしており、下の曲線は、普通世帯3の平均世帯員数をあらわしている。

まずは、普通世帯の平均世帯員数の推移をみてみると、1955年までは5.00人であったが、

65年には 4.00人にまで減少している。65 年から90 年まで4人台を維持していたが、95 年には3.00人を下回り、2005年では2.53人となっている。

一方、農家世帯をみてみると、55年までは6.00人であったが、70年で5.00人にまで減 少する。その後も緩やかに減少しつつ、2005年では4.26人となっている。

普通世帯と農家世帯を比較してみると、この55年間で、農家世帯のほうが減少は緩やか であった。普通世帯は55年間で平均世帯員数が約半分にまで減少しているのに対して、農 家世帯では1.7人程度までの減少にとどまっている。また、1955年では農家世帯と普通世 帯の平均世帯員数の差が1人であったが、2005年には1.73人まで拡大している。農家世帯 では世帯規模は縮小しつつあるが、普通世帯と比べると世帯規模は大きいといえる。

図3-1 平均世帯員数の推移 資料)大友由紀子(2007)78頁 ※平均世帯員数(普通世帯)は国勢調査

平均世帯員数(農家人口/農家世帯数)は農業センサス

2-2.世帯構成の推移

次に、郡部の世帯構成4の推移についてみてみよう(図3-2)。農山村地域において特徴的 とされる三世代世帯では、1996年から 99 年までは20%を超えていたものの、2000 年で 20%を下回るようになる。2000年から2003年まではほぼ同じ数値であったが、2004年以 降減少傾向に転じ、2009年では13%にまで減少した。三世代世帯は、この13年間で10%

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近く減少したことになる。一方、単独世帯は、多少の増減はあるものの、全体的に増加傾 向がみられており、2005年からは三世代世帯を上回るようになっている。2009年では20%

を超え、この13年間でおよそ6%の上昇がみられている。核家族世帯については、増減を 繰り返しながらも50%台を保っているが、全体としてゆるやかな増加傾向にある。

次に、図には示していないが、市部について述べてみる。2009年市部では、単独世帯25.3%、

核家族世帯60.4%、三世代世帯 7.8%となっている。2004 年の市部は、単独世帯24.9%、

核家族世帯61.7%、三世代世帯7.8%であったことから、市部にかんしていえば、この5年 間ではどの世帯構成もほとんど変わっていないことがわかる。

図3-2 郡部世帯構成推移

資料)「国民生活基礎調査」より筆者作成

図3-1、図3-2から、世帯規模の縮小化と、郡部の単独世帯の増加および三世代世帯の減 少が読み取れる。2004年を境に単独世帯と三世代世帯の比率が逆転したことは興味深い。

三世代世帯の減少は、既婚子との別居の増加と、子どもの未婚・晩婚化によって生じるも のである(大友 2007)。一方、核家族世帯にはあまり変化がみられなかった。

国民生活基礎調査で用いられる「核家族世帯」とは、夫婦 2 人の世帯、夫婦もしくは片 親と未婚の子どもから成る世帯のことを指す。だが、農山村地域において、夫婦と20代の 未婚男性の世帯と、夫婦と50代の未婚男性の世帯を同じ核家族世帯として括ることには異 論がある。20代の未婚男性は将来結婚し、生殖家族を形成する可能性は十分あろうが、50 代の未婚男性の場合、結婚する可能性は20代の未婚男性よりも低いと想定される。さらに、

50 代未婚男性の親は老齢であり介護の不安を抱えている。つまり、同じ核家族世帯であっ ても、性格はずいぶん異なっているのである。また、高齢者の夫婦2人世帯と、40代夫婦

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と10代の子どもがいる世帯を、同じ核家族世帯とみなすことも問題があろう。さらに言え ば、平成の市町村合併により、典型的な農山村的特徴を持つ地域でも、現在は「市部」に 属するという事態が増えている5。このように官公庁の行っている統計調査は、マクロな動 向を知るためには有効であるとしても、本論の用いる生活構造論的アプローチが必要とす るデータを収集するには限界がある。

本章で用いる「T型集落点検」調査では、官庁の統計調査とは異なる手法によって住民の 生活構造を明らかにすることが可能である。また、調査によって帰納的に構成された独自 の世帯類型を用いており、現代農山村世帯の特性を十分表わすことができるものとなって いる。集落を単位とする調査であるから、純農村的な地域を市部地域とするような誤りも さけることができる。次節では、「T型集落点検」の調査方法や調査地の概要、「T型集落点 検」で用いる世帯類型の説明を行ってゆくことにしたい。

ドキュメント内 現代農山村における結婚に関する研究 (ページ 50-53)

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