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2005/2000 1.13倍

1.10 倍 1.11倍

 

       

                         

図1  10a 当たり米生産費用合計の作付規模別推移 (平成 16 年産) 

資料:(社)日本経済調査協議会  表2 増える耕作放棄地 

資料:(社)日本経済調査協議会 

60ha、180 ヶ所の経営農地のうち、本社周辺の農地 516a、28 ヶ所の農地地図 

 

<図中の農地番号> 

① 1000 及び 8000 番台 自社所有地     5 ヶ所  232a 

② 2000 番台      行政仲介借地 18 ヶ所 226a    借地契約期間はすべて 

③  3000 番台           個人対個人借地 1 ヶ所    2a     5年未満と極めて短い。 

④  4000 番台       借地料なし借地 4 ヶ所   46a 

 

○ ㈲S 青果が指摘する農地集約化の問題点 

 〜以下の問題から、集約化に一個人一企業としては限界を感じている〜 

1 行政と実需者とのミスマッチ「点と面の違い」 

  区画・道路整備等が先行し、専業経営体としてのコストが加味されていない。 

2 農地法による所有者・相続者の権利「非農家として財産保有・不在地主等」 

  資産として・投機としての農地所有。 

3 行政関係者の現場認識の不足 

  目先だけの斡旋で明確なビジョンが共有されていない。 

4 個人農業者対企業農業との地域内競合 

  規模、生産品目の違いによる農地利用が中長期的には悪影響を発生させる。 

5 地域内の人的な環境整備の遅れ「農地利用に関する意識・姿勢のズレ」 

  域内利用計画が実需者の意見より行政側視点で推進されている。 

図2  分散錯圃の例 (有限会社 S 青果、平成 19 年末時点) 

図2  分散錯圃の例 (有限会社 S 青果、平成 19 年末時点) 

Ⅱ 「農業経営総合支援法(仮称)」の具体的内容(試案) 

   ― 「農地政策改革案」についての見解の具体化 ―   

 1 目的・理念 

(1)農業経営に関する総合的支援措置を講ずる。 

(2)「農業経営体」が経営資源(農地・人・技術・経営ノウハウ)を、創意 工夫により自由に活用して、多様な経営展開をし、かつ持続的に農業経営 を行い得るよう措置。 

 

2 特に農地について(新たな仕組み) 

○農地を農業の経営資源として位置付け、利用されるべきものとすること    大前提として、個人情報保護に配慮した農地情報の一元的データベース

化、全国どこからでも、誰でも自由にアクセスできるシステム構築 

○ 分かりやすい、使い勝手のよい、簡素な法制とすること 

  現行の農地関係諸法制の権利・義務関係は、その関係がすべて終了する まで継続することを基本とする。ただし、当事者合意の場合は、この新 たな農地に関する法制に移行することができるような規定を置くほか、

新たな理念に基づく農地制度適用上必要な限度で現行の農地に関する諸 法制の適用除外規定を置く。 

○ 所有と利用の分離    所有と利用の共存共栄 

・ 利用を妨げない限り、所有権の移動は自由 

・ 農地利用についての経営形態は原則自由 

・ 定期借地権制度の創設(最低、原則20年以上など) 

・ 定期借地権等の移動は原則認めない 

○ 利用権者の権利・義務 

・ 農地を利用する権利と義務を負うこと 

・ 農地情報の開示により、利用料は標準小作料制ではなく、透明性のあ る決定システムのもとに決定されること 

・ 利用権者は次の義務を負うこと 

― 適正な利用料の支払いと供託金の提供 

― 中途解約等の場合、適正な利用権者の紹介、供託金により原状回復 を行うこと 

○ 公正な第三者機関の設置 

・ 原則、都道府県単位で設置(全国展開する農業経営体などのため、全 国にひとつの調整機関) 

・ 農地関連情報の集積、開示(個人情報保護) 

・ 不動産業者の関与 

・ 利用状況の監視、是正、強制措置 

・ 利用権の中間保有、担い手への集積 

  農地情報が一元的にデータベース化され、全国どこからでも、誰でも自 由にアクセスできるシステムが構築されれば、この第三者機関は都道府 県にひとつあれば十分機能を発揮できる。 

○ 農地関係税制 

・ ゾーニングで利用すべきとされた地域内の農地について、利用されて いない場合は、相続税の納税猶予、固定資産税減免などの優遇措置は適 用しない(原則宅地並課税)。 

・ 規模要件を設け、一定規模以上の利用については優遇措置を拡充する。

規模要件は政策的に変化する。 

・ 利用状況の認定は、公的な第三者機関が行う。 

・ 定期借地権を設定している場合は公的な第三者機関の認定により、相 続税納税猶予の対象とする。 

 

 3 農業経営の総合支援システムの再構築 

○ 行政が認定する認定農業者制度に代え、自立自助を促し、経営感覚の 錬磨とより自由で多様な経営展開に資する持続的農業経営体の考えの導 入 

・ 農協系統の経営モデルと持続的農業経営体の経営モデルの相違を踏ま え相互のイコールフッティングの確保 

・ 持続的農業経営体の経営判断を尊重しうる施策、行政システムの構築 

○ セーフティネット(災害対策、直接支払政策を含め)の構築  

○ 産業としての農業(プロ農業)の担い手を総合支援するシステムの創 設 

○ 農業経営を農地・人・技術・経営ノウハウ全体としてとらえ、これを トータルで継承できる税制・金融を含めた総合システムの創設 

 ※生産・加工・販売の総合知識集約産業たる農業の経営継承は地域の雇 用確保等農村活力の維持にとっても重要 

○ 新規参入に対する総合(農地・金融・税制)支援システムの構築 

○ 小規模農業者、高齢者による特色ある農業の支援   

参考:農地関連諸制度 

○ 農地法(1952) 

(この法律の目的) 

第1条 この法律は、農地はその耕作者みずからが所有することを最も適当で あると認めて、耕作者の農地の取得を促進し、及びその権利を保護し、

並びに土地の農業上の効率的な利用を図るためその利用関係を調整し、

もって耕作者の地位の安定と農業生産力の増進とを図ることを目的と する。 

○ 農業経営基盤強化促進法(1980)

(目的)

第1条 この法律は、我が国農業が国民経済の発展と国民生活の安定に寄与 していくためには、効率的かつ安定的な農業経営を育成し、これらの農 業経営が農業生産の相当部分を担うような農業構造を確立することが 重要であることにかんがみ、育成すべき効率的かつ安定的な農業経営の 目標を明らかにするとともに、その目標に向けて農業経営の改善を計画 的に進めようとする農業者に対する農用地の利用の集積、これらの農業 者の経営管理の合理化その他の農業経営基盤の強化を促進するための 措置を総合的に講ずることにより、農業の健全な発展に寄与することを 目的とする。 

農地政策の展開方向についての考察 

  宮城大学事業構想学部教授  大 泉 一 貫   

■要 旨■   

新規参入なども含めた多様な担い手によって農地が有効に利用される農地制度の検 討が求められている。11 月に発表された検討の結果は、それに応えるものではなく、

農地集積・面的集積などこれまでの政策の枠内にとどまっている。提案されている面的 集積には数々の懸念があり、耕作放棄地も農地制度と絡めた提案とはなっていない。総 じて経営の視点が希薄で「農地を農業的に利用」するための理論立ても弱い、腰の引け たものとなっている。そうなった背景には参議院選挙での自民党の敗北がある。 

わが国の農業の課題は農業の経営展開力が弱いことだ。その原因に発展途上国型の保 護農政思想があり、その根底に規制を主とする農地制度がある。その点を改革し、先進 国型の魅力的な農業を作る政治状況の出現が必要だ。 

 

1.はじめに 

2007 年 11 月6日、「農地政策の展開方向について(農地に関する改革案と工程 表)」が農水省から出された。 

改革の目的について、当初の農水省の文書(平成 19 年 1 月 30 日 第1回農地 政策に関する有識者会議資料)には、「農業経営が展開され、具体的な生産活動が 行われる農地について、その利用の安定に資する農地政策の再構築を検討する。

なお、検討に当たっては、法令、予算、税制等、農地に関する政策全般を対象と する」とあった。目指すスローガンは「所有から利用へ」、「農地の有効利用の促 進」だ。これらは、「農地政策の再構築」のための農政制度全般の見直しかあるい は方針・考え方を検討するものと思われた。 

だが、11 月文書の内容から農地制度改革は消え、内容は農地集積・面的集積と なっていた。 

 

2.農地制度改革のトーンダウンでいいのか? 

1)トーンダウンを演出した参議院選 

トーンダウンしてしまった背景には、農政を争点の一つとした参院選があっ

た。自民党の敗北によって構造改革路線は消え「戦後保護農政路線」へと逆流 し、農水省も改革姿勢を後退させてしまった。 

 農政、特に米政策は常に政治に翻弄されてきた。「戦後保護農政」が自民党 の体制維持・危機回避の機能をはたしていたからである。だがそれも 90 年代 以降、農協の集票力の低下や小選挙区制の導入、財政難等々、様々な理由によ って構造改革を内容とする「成熟国型農政」へ変化していた。 

 それが 07 年参議院選挙で民主党が「保護農政」を展開、敗北した自民党は 票にどう結びついたかの詳細な検証なしに急遽本家意識を取り戻した。農政は 先祖帰りし、またしても選挙対策の具にされそうな雲行きとなっている。 

 農地の制度改革を議論してきた「農地政策に関する有識者会議」の議論も7 月以降明らかにトーンを変えた。5月 15 日の第3回会議のとりまとめのトッ プに「農地規制などの制度改革」があったのが、8月 24 日の第4回会議では 後景に追いやられ、急遽「面的集積」がトップに浮上する。「農地制度改革」

から「面的集積」へのシフトが図られ、「多様な主体による新規参入の促進」

も消えてしまった。これに対する農水省の弁明は、農地制度、特に農地法が果 たしてきた多様な機能を切り離し仕分ける作業が困難なためというもの(諮問 会議・「EPA・農業ワーキング」第 13 回議事録)。たしかに農地制度の改正 は困難な部類に属するがこれが理由だと信じる人はまずいない。参院選後の政 治状況の変化の中で「複雑な農地制度」をこれ幸いに逃げ込んでしまったとい うのが正解だろう。 

 

2)農地法的な制度はこのままで良いのか? 

だがここは踏ん張りどこだった。農地法が農業振興上障碍になっていること は既に関係者に共有されている。 

 農地法はもともと耕作を担保するために様々な権利移動を制限する法律で、

制定当時こそ生産力の向上をもたらしたものの、その後は農業の振興に抑制的 に機能したとする意見が支配的だ。その間、農民の農業離れなど、現状の変化 を追認し違反的状況に何度か修正を加えてきた。 

 農民の農業離れはもはや後戻りできない状況にある。それを追認するために 耕作者(常時農作業従事者)条項の農業従事日数を 150 日から 60 日に引き下 げるなどの措置を講じ、多量の兼業農家を農地所有の有資格者にしてきた。さ らに「土地持ち非農家」などという変な概念を登場させ、法的整合性を図った。

「土地持ち非農家」は農地法上「耕作者」とはみなされず、したがって「農地

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