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定着 aLlgirateの産生
バイオフィルムの形成 国1パイオフ,<ルムの形成過程を示す儀式囲。
浮遊状態にあった菌(浮逝菌)は定着後、 Jqginateを産生する。定着員の分裂 増橘に伴って、 AJginateは薗体を覆うようになLJ、一種の集落が形成される。
これをバイオフィルムといい、その環境下に存在するバイオフィルム菌は、
生体の防御因子(抗体、食細胞、抗菌薬等)からの攻撃から守られる。ま た、 Jiイオフイルム内に存在する菌は互いにAutoin血cer分子を介して、コ
ミュニケーションを図っていると考えられ、一種の多細胞の組織状態を呈し ている.
本菌の自然界および生体内での生育環境と考えられるバイオフィルム内での細胞 (図1)と浮遊状態に有る細胞を比較することにより、バイオフィルム内に定着し た細胞の機能発現の解析を試みるために、二次元電気泳動による膜蛋白質および細
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胞内蛋白質の分画法の確立を行った。また、細胞内への環境下の異物(Ⅹenobiotics)
侵入を阻止する排出システムの発現をも含めて解析した。
2 研究経過
まず、簡便なバイオフィルム作成法の確立を目指し、すでに確立したバイオフィ ルム作成法の改良を検討したo環境応答遺伝子の同定のために、シリコンシート上 のバイオフィルムをマイクロスパチュラーではがし、バッファーに懸濁後、超音波 処理による菌体の破砕後、細胞全蛋白質を調製した。また、膜蛋白質は超音波破砕 した懸濁液から未破砕菌体を除去後、遠心により膜画分から得た。これらの試料は、
二次元電気泳動(一次元:等電点電気泳動;二次元: SDS・ポリアクリルアミドゲル 電気泳動SDS‑PAGE)により分画した。得られた泳動像をコンピューターに取り
込んだ後、 Melanie II (Bio‑Rad)で画像解析した。その結果。浮遊菌とバイオフィ
ルム菌とで産生量の異なった蛋白質スポットについて、質量分析法(TOFF‑MASS)
による部分アミン酸の決定を行った。得られた配列を基にデータベ一一ス
(www.pseudomonas. com)を検索し、スポットに相当する蛋白質の同定を試み
た。一方、異物排出システムの発現については、すでに作成した抗体を用いたイッ ムノブロット解析により観察した。
3 研究結果
1)既報のバイオフィルム作成法を基に、バイオフィルム作成に適した培地の成分
を調べたところ、 0.65% CaC12・2H20, 0.65% MgC12・6H20, 4.6% NaCl, 2.3%
Na2SO4, 0.065% Sodium Citrate, 0.0002% Sodium Oxalate, 0.28% KH2PO4,
0.016% KCl, 0.02% NH4Cl, 0.12% Urea, 0.01% Creati山ne, 0.01% Nutrient broth
の組成で作成した培地中でもっとも効率よく37℃での約24時間の振返培養により
P. aemginosa PAOlが容易にシリコンシート上にバイオフィルムを作成することが分かった。
2)二次元電気泳動による蛋白質の分画法を確立することが出来た(図2)0
3)バイオフィルムで数種の異物排出システムが発現していることが観察された。
これは、異物排出蛋白質が環境下に存在する細胞傷害性分子に対する自己防御に働
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いていることを示している。
3)バイオフィルム菌では、バイオフィルムの本体であるalginateの生合成に関与 する酵素群が高発現していること、さらに膜蛋白質も含めてalginateの生合成蛋 白質群以外の蛋白質の発現が観察された。発現した膜蛋白質は環境への応答に寄与 しているものであると推測される。
図2 浮遵菌から得られた全麟蛋白賓(A)および麟蛋白質(B)の二次元電気泳動国。
一次元日の等零点電気泳動のために全麟蛋白質(200 FJg)は、 8 M Area‑4 % CHAPS‑65 mM DTT‑2 % P旭rrT凪Iyte (pI 4‑9)中で、また麟蛋白貫く100 FJg)は、 7 M Lrea‑2 M th血rea‑4.4 % CHAPS‑1 ll mM DTT‑2 % P旭rrnalyte (pl 4‑9)中で可溶化した。二次元日の分酉はSDS‑PAGE
によtJ行った。分爾後、部分7ミノ酸配列決定のためにはCoαnassie染色した。本国は、スポッ トの観察のために銀染色した結果を示している。
4 まとめ
環境変動の一つのモデルとして試みたバイオフィルム菌中で発現する遺伝子の同 定をプロテオーム解析により行い、浮遊菌での結果と比較したところ、明らかにバ イオフィルム環境下で産生される蛋白質を同定することが出来た。また、異物排出 システムの発現も観察することが出来た。これらの結果は、バイオフィルムが環境 適応研究に適した材料であることを示している。さらに確立した方法を基にバイオ フィルム内で発現する遺伝子群の同定を行うことにより、環境応答機構研究をより 推進できるものと思われる。
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博物の集団および種分化における形質発現と 適応機構の解析
東京都立大1理 可知直毅,工藤 洋 農境技研・環境生物 芝地博幸 京大名誉教授・京都女子大 河野昭一 東北大・遺生研 石棄義雄,津田雅孝
1 はじめに
アブラナ科植物の種分化における形質発現と適応機構を明らかにする ために, (1)タネツケバナ属の種間における形質発現とその生理生態 的解析と(2)アゼトウガラシに見られる除草剤抵抗性雑草の発生様式
と形質発現について研究を行った。
タネツケバナ属植物は栄養成長期を通して,主茎頂端の強い頂芽優性 によって各節の節間伸長と主茎葉との間にある膜芽の発育成長が抑制さ れている。その結果,主軸節,主茎葉および膜芽を単位とする「構造体」
が階層的に積み重なった構造を持つロゼットが形成される。低温への逮 遇および日長の変化などによって頂芽優性が低下すると主茎頂端での花 芽分化,・節間の伸長および臓芽の分化成長が開始される。節間伸長の開 始節位および分枝形成能を維持している膜芽の節位の違いは草型を大き く変える。このような発育過程における形質発現の環境に対する可塑悼 の大きさは種の集団形成においてその地理的,環境的な幅を強く規定す ると予想される。
本研究に用いたタネツケバナ属は水田を含む耕地などに広く集団を形
成しているタネツケバナ(Cardaml'neflexuosa),近年日本に定着し分布域
を拡大しつつあり,タネツケバナと同様に人為的な撹乱環境に集団を形 成するが比較的乾燥した環境に多く見られるミチタネツケバナ
(C.hL't:suta),山間の渓流に集団を形成し,東北地方の内陸部では水田環境 に生育地を拡大している多年草のオオバタネツケバナ(C.scutata),同様
に山間渓流地に集団を作り,他種との競合的な環境に生育しているタチ
タネツケバナ(C.fallax)の4種である.
近年,水田用除草剤の普及によって水稲作の除草作業は大幅に短縮さ
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れ, 10a当たり2時間程度となった。しかしながら,単一除草剤の連 用の結果,抵抗性雑草の発生が相次いで報告されるようになり,その防 除に向けての取り組みが緊急の課題となっている。そこで,本研究では, 一年生水田雑草アゼトウガラシを材料に,スルホニルウレア系除草剤
(sU剤)に対する抵抗性生物型の発生および分散過程を明らかにする と共に,抵抗性の発現に関与する分子生物学的メカニズムを解析した。
2 研究経過
(1)については,日本各地に普遍的な自生が見られるタネツケバナ属 (アブラナ科)の4種について,生活環に特徴的な形質発現の種間比較 を行った。とくに,主軸からの分枝(一次分枝)の形成様式に注目し,
日長および温度環境にする反応性の違いから種の特徴および各々の生宿 環境との対応を検討した。タネツケバナおよびタネツケバナは低温への 遭遇の有無,日長の違いよって開花までの日数に違いが見られるが,最 終的には開花に至り,量的長日植物と呼ばれる開花様式であった。しか し,オオバタネツケバナおよびタチタネツケバナの2種は短日条件では 栄養成長を継続し,花芽分化に低温あるいは長日条件を必須とする質的 長日植物であった。
(2)にいては,秋田,山形,京都の3府県12集団からアアゼトウガ ラシを採集し, SU剤抵抗性および感受性生物型6 9個体を実験に用い た。まず,遺伝マーカーを用いて,集団の遺伝的多様性および個体間の 遺伝的類縁関係を解析した。次に, SU剤のアクションサイトとなって
いるアセト乳酸合成酵素(‑ALS)の塩基配列を解析した。
3 研究結果
(1)ミチタネツケバナとタチタネツケバナは共に多数のロゼット葉を 基部に残して節間伸長を開始した。前者は基部節の膿芽から多数の分枝 を分化し基部分枝型を呈し,この種が生育する弱い競合環境に良く適合
していると考えられた。対照的に,後者は碁部節の膜芽からの分枝が強 く抑制され,旺盛な節間伸長を伴った伸長節の膜芽からの分枝が旺盛な 上位節分枝型であった。分枝形成が強く抑制された基部ロゼット葉は節 間伸長への資源を提供する役割を果たし,開花後急速に枯れ上がった。
このようにして高い草丈と高い位置の節からの分枝形成は他種との強い
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競合環境にあるタチタネツケバナの生育環境を良く反映していると考え
られた。
(2)アゼトウガラシ集団の遺伝的類縁関係を解析した結果,全国的に 見ると,各地で報告されている抵抗性生物型はいずれも独自に起源した ものと考えられるが,集落単位で見ると,ある圃場で発生した特定の抵 抗性生物型が周辺の圃場へと拡がり,遺伝的には極めて均一な抵抗性生 物型の集団が形成されていたことが明らかとなった。また,アセト乳酸 合成酵素の塩基配列を解析したところ,開始コドンから数えて1 7 9番
目のアミノ酸が,点突然変異によって置換していることが明らかとなっ た。具体的には,感受性生物型がプロリンであるのに対して,抵抗性生 物型ではアラニン,グルタミン,セリン,リジンなどに置き代わってい た。以上のことから, SU剤に対する抵抗性は, 179番目のアミノ酸が プロリン以外に変化することによって獲得されていたことが示唆された。
4 まとめ
アブラナ科植物の種分化における形質発現と適応機構を明らかにする ために,タネツケバナ属の種間における形質発現とその生理生態的解析, およびアゼトウガラシに見られる除草剤抵抗性雑草の発生様式と形質発 現について研究を行った。
タネツケバナ属(アブラナ科)の4種について,生活環に特徴的な形 質発現の種間比較を行った結果,タチタネツケバナは高い草丈と高い位 置の節からの分枝形成を示し,他種との強い競合環境にある本種の生育 環境を良く反映していると考えられた。
一方,各地域でアゼトウガラシの抵抗性生物型は独自に起源したもの と考えられるが,局所集団内では遺伝的には極めて均一な抵抗性生物型 の集団が形成されていたことが明らかになった。さらに, SU剤に対す る抵抗性は, 179番目のアミノ酸がプロリン以外に変化することによっ て獲得されたことが示唆された。
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