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軽ガス銃の製作

ドキュメント内 白木, 邦明 (ページ 43-52)

第3章 軽ガス銃によるデブリ防護パンパーの超高速衝突試験

ダイヤフラム

図3-1 2段式軽ガス銃の構造

図3-2 2段式軽ガス銃の外観

3. 2. 2 2段式軽ガス銃の設計

2 段式軽ガス銃の設計に当たっては、 銃の形状、 火薬量、 封入する水素ガス圧等の パラメータを設定しなければならない。 そのため、 燃焼室内の火薬の燃焼、 圧縮管内 の水素ガスの圧縮・膨張、 飛朔体及びピストンの運動をモデル化し、 管内の運動をl 次元数値解析シミュレーションを用いて模擬し、 各種パラメータの値を設定した。 以 下にこのモデル化を示す(3-l)D

勺,eqd

(1) 燃焼室内の火薬の燃焼

火薬の燃焼については、 火薬室内で一様に起こると仮定すると、 燃焼量と燃焼室内 の平均圧力の関係は、

生=bpa

dt (3-1 )

ただし、 xは線燃焼量、 pは平均圧力、 α 、 bは火薬の種類によって決まる定数で ある。

(2) 圧縮管内の気体の圧縮・膨張

圧縮管内ではピストンにより気体が圧縮され、 次にその気体が膨張することにより 飛朔体が押し出される。 気体を圧縮性流体とすると、 この現象を表す基礎方程式は、

ここで、

au aF

一一+一一=-A+H iJt ax

u =

[p, pu, p ( e+ u 2 ) r

F =

[…2 +中e+シu2+ P) r

A=

� � [ωu2pu(puH2+P)[

H =

[O,Ff + Fhl,qJ

T

(3-2)

であり、 p、 u、 eはそれぞれ気体の密度、 速度、 単位質量当たりの内部エネルギであ る。 また、 Ffは流体と管内壁面の摩擦による損失、 Fh/は圧力損失、 qは管壁への熱伝 達による損失、 Pは圧縮管内の圧力、 Aは圧縮管内の管断面積を表す。

(3) 飛淘体及びピストンの運動

飛淘体及びピストンにかかる力は、 前後の気体の圧力差と摩擦力である。 摩擦力に 関しては、 ピストン表面の降伏も考慮した。

(4) 数値解析法

数値解析法としては、 ランダムチョイス法(RCM)(3-2). (3-3)を用いている。RCMは、 従来 用いられた人工粘性法に比べ、 計算時聞が数倍増えるものの、 衝撃波通過後の振動が まったく励起されないことや、 人工拡散が無いことが特徴である。 本解析のように、

衝撃波がl次元で長い距離を移動する現象を取り扱う場合に適した手法である。

- 38

-圧縮管 火薬量(最大) ダイヤフラム破断圧力

mm

h m m m m g即 様一

5日

m5

仕一 j表一

の一径さ径さ 半、一

銃一 内長 内長 ス干ガ一軽一式一段一

表一

発射管

銃のパラメータ設定に当たっては(3-4)、数値解析シミュレーションを繰り返し、銃の 強度上や形状の制約下で最も大きな射出速度が得られるパラメータを決定した。 得ら れた代表 的な銃のパラメータを表 3- 1に示す。 また、 数値解析シミュレーションによ り銃の性能を予測した結果の一例を表 3-2に示す。 飛朔体の射出速度は、計算結果が 6.4 km/secと得られ実際の試験結果の6. 54 km/secにかなり近い値となり、射出性 能予測が精度良く行えたことを示している。 ただし、RCMでの収束パラメータの値に よっては解が精度良く求まらない場合もあり、実際の計算に当たってはその点の注意 が必要である。

表 3-2 射出速度の試験と計算結果の比較 射出速度(試験結果) 6. 54 km/sec 射出速度(計算結果) 6.40 km/sec

水素ガス初期圧 0.7 MPa ピストン質量 8 kg

デブリ質量 3. 33 g

火薬質量 800 g

3. 2. 3 サボ分離機構

各種の高速衝突試験を実施するためには、 異なるサイズのデブリを種々の速度で射 出する必要がある。そこで、同じ径の発射管で異なるサイズのデブリを射出するため、

図3-3に示すようなサボの中にデブリを装着する構造とした。 サボは、長手方向に2 分割で構成されており、希薄な窒素ガス(1. 3 x 1 Q4P a)で満たされたフライトチューブ を通過する時に、窒素ガス の抵抗によりサボが聞き、 中のデブリだけがその先に射出 される仕組みになっている。サボは軽量で圧縮強度の高いポリカーボネイト製とした。

門叶uqtu

直径9mmデブリ用サボ

L/D=2. 1, 質量5.06g, 材質はポリカーボネイト

(模擬デブリ: 9mm直径アルミニウム球)

図3-3 サボと模擬デブリ

3.2.4 2段式軽ガス銃の性能

2段式軽ガス銃で射出できるデブリの大きさは、 前述のサボを用いて直径3, 5, 7,

9mmの4種類とした。 各々のサイズのデブリに対し、 火薬量、 水素ガスの初期圧力を 変化させ、 射出できるデブリの速度を制御する。 本装置では、 1. 6 km/secから 6.8 km/secまでの速度範囲のデブリを射出することが可能である。 ただし、5回/sec以下 の速度領域では、 安全上の観点から、 水素ガスの代わりにヘリウムガスを用いる。 又、

ダイヤフラムには耐食鋼(SUS-304)を用い、板厚1.5mmと2mmのものを火薬量により使 い分けて使用した。図3-4に、 直径9mmのデブリの火薬量とデブリ速度の関係を示す。

火薬量500g までは、 射出速度と火薬量はほぼ比例関係を示している。 それ以上の火 薬量になると、 火薬量を増やしても射出速度があまり上がらない傾向を示しており、

本試験装置では、 最高射出速度 6.8 km/secが上限に近い値となっている。

40

-水 素 ガ ス ウ ム ガ ス

口O

デブリ直径: 9mm 8

5

4

2 [ωむ的\豆]制

キ『

ぽ刃 度目

量[gJ

4∞

2∞

火薬量と射出速度の関係

Whippleパンパーの基礎データ取得超高速衝突試験

図3-4

3.3

JEM与圧部の防護構造のうちWhippleバンパーを採用している部分は、 アルミニウ ム材のバンパーと与圧壁から構成されている(図3-5参照)。 与圧壁壁 厚は当初3.2mm (後に 4.8mmに変更)のアルミニウム合金製で、 面外剛性を大きくするためIso-Grid 構造 (図3-6参照)を採用している。 バンパーは板厚1.27mmのアルミニウム製平板で、

与圧壁との間隔(スタンドオフ) は100mmに固定した。 また、 パンパーと与圧壁の聞 に、 断熱材としてのMLIが設置 される。 試験に用いた供試体は、 実際の防護構造の代 表的な部分を模擬したものである。供試体の構造仕様を表3-3に、また供試体の構成・

配置を図3-7に示す。

与圧部は薄肉円筒構造をな しており、 内圧l気圧が作用することにより、 与圧壁は 2軸引張り応力状態( 与圧壁厚3.2mm ではフーフ応力引= 68. 6Mpa, 軸方向応力0[.

=34.3Mpa)にある。この与圧応力の有無が与圧壁の不安定破壊発生へ与える影響を調べ るため、l軸 (フープ応力のみ考慮) 引張り応力を供試体に 作用させた試験 も実施し た。 そのため、 図3-8に示すような引張り荷重載荷装置を開発した。

-E, •. a斗A

[全体構造図]

N.ト

[防護構造断面図]

図3-5 JEM与圧部構造設計概要

リブ厚さt=2mm

リブ高さh=25.4mm

g矢視A-バ|、 広田ち

600

図3-6 Iso-Grid構造

-42

-表3-3 JEM Whippleバンパー供試体仕様

1.27m

項目 前面パンパー 与圧壁

材料 アルミニウム6061 アルミニウム2219 供試体サイズ 600 x 600rnm 600 x 600mrn

板厚 1. 27mrn 3. 2rnrn

引張り強度 降伏: Gy =284MPa 降伏:σy= 353MPa 終極: Gu =314MPa 終極:σu =431MPa

構造様式 平板 アイソグリッド

O模擬デブリ

OZ3 /角射一日u/射

一 3

/ 前面バンパl MLー 3.2mm

与圧 壁

間隔 100mm

図3-7 供試体の構成・配置

A 1引張力

仁二二平:二二コ

一 ー

(供試体) 1t�

与庄壁

仁二二二二二亡二二二二コ ト← h

. 引張力

図3-8 引張り荷重載荷装置

。i:�こ土

模擬デブリ

3. 3. 1 試験の目的と内容

(1) 貫通限界確認試験

JEM与圧部に採用する防護構造の基本性能の把握と 、 米国NASAで提唱された貫通限 界曲線(デブリ径、 衝突速度から 貫通孔径を推定) を確認する目的で実施した。

具体的には以下のデータを取得するため、 各種試験を実施した。

-模擬デブリサイズ{直径 3mm(0. 04g) , 5mm (0. 18g), 7mm (0. 49g), 9mm (1. 04g)のアル ミニウム製球}の違いによる貫通孔径への影響、

・模擬デブリ衝突速度(3 , 5, 6 km/ s e c )の違いによる貫通孔径への影響、

・模擬デブリの衝突投射角(0, 300 )の違いによる貫通孔径への影響、

・内圧により生じるフープ応力 (1軸引張り応力68.6MPa)の有無による貫通孔径への 影響

(2) 動的破壊強度磁認試験

デブリ衝突によって与圧壁に生ずる初期き裂がある大きさ(限界き裂長) 以上にな ると、 与圧応力状態にあるため瞬時にき裂が進展し(フープ応力の作用によりき裂が 円筒軸方向へ 進展する可能性 がある) 、 大きな破壊に至る現象を高速衝突試験で確認 すると共に、 試験から得 ら れた限界き裂長と静的破壊力学解析に基づく限界き裂長の

関係を調べた。

試験内容としては、

. フープ応力(a H= 6 8. 6'"'--' 313. 8MP a)

・供試体板厚(0.8, 1. 6, 3.2mm)

・供試体幅(150, 300, 600mm)

をパラメータに、 き裂が瞬時に進展し供試体が破断するか否かを調べた。 なお、 これ らの試験はデブリの投射角が全てO。 の条件で実施した。

(3) 1 so-Gr i d構造評価試験

JEM与圧壁に採用するIso-Grid 構造の基本防御特性の確認 と 、Iso-Gridの補強リブ がき裂進展 を抑制する効果がどの程度あるかを調べる目的で実施した。

試験内容としては、

・与圧壁構造形式{Iso-Grid、 Waf f 1 e-Gr i d (米国モジ、ュールの与圧壁に適 用 、 図3-9参照)、 平板}の違いによる損傷度(貫通孔径、 き裂長)の差、

・補強リブの厚さ(t=2, 4mm)の違いによるき裂の進展の差、

を調べ、 Iso-Gridリブのき裂進展 抑止効果を検討した。

- 44

--EEztast--‘ パhuド , J

リブ厚さい2.29mm リブ高さh=25.4rnm

ドキュメント内 白木, 邦明 (ページ 43-52)

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