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センター提供ソフト PaintShopPro 7Jについての紹介

  PaintShopProは代表的な画像処理ソフトの1つです。当センターではこれまで、ペイント系の画像処 理ソフトとしてPaintShopProを提供してきました。今回、これを6Jから7Jにバージョンアップし、さ らに強化された画像処理機能を提供できるようになりましたので、ここにご紹介します。

  センターでは1997年にPaintShopPro 4.2Jのサービスを始めました。これはセンターとして初めての 本格的なペイント系画像処理ソフト(画像処理ソフトにはペイント系のほかにドロー系があります)

で、コンピュータグラフィックスやインターネットホームページ作成の授業で使用されるようになり ました。また、スキャナで写真などを読み取ったり、読み取った画像を加工したりするときにも使用 されています。その後センターでは1999年に、PaintShopPro 6Jにバージョンアップしました。6Jにつ いては、1999年度の当センター年次報告書に紹介されています。PaintShopProは5Jから6Jにかけて、

レイヤー機能の追加やドロー機能の追加・拡充など、大幅に機能が拡張され、コストパフォーマンス の良い本格的な画像処理ソフトに成長しました。また、多くの画像処理ソフトがそうであるように、

とくにインターネットホームページ用の画像作成への対応が強化される傾向にあります。

  今回のバージョン7Jは、さらにその機能が強化・拡充されるとともに、より使いやすさが追求され ています。これにともない、いくつかの使用手順上の変更がなされています。ここでは、7J で強化・

拡充された機能と、操作手順上の変更点を中心にご紹介したいと思います。

  なお、当センターではPaintShopPro 7Jの簡易マニュアルを作成しており、センターのホームページ の資料コーナーで入手できます。どうぞご利用ください。

1  バージョン7Jの追加・強化機能 (1) 写真修正機能

  写真の修正はこれまでのバージョンでも可能でしたが、明る さやコントラストならともかく、高度な修正には相当な知識と 技術が必要でした。バージョン7J(以下バージョン7Jを7J、バ ージョン6Jを6Jと呼ぶことにします)では、自動修正機能や目 的別の修正機能が用意され、高度な修正も手軽にできるように なりました。暗すぎたり少しピントが甘かったり、ちょっと失 敗したような写真も生かすことができます。また、より鮮明な あるいは自然な写真に修正することも可能です。

図 1「写真修正」のメニュー  修正機能には図1のようななものが用意されています。イン

タレース除去は、ビデオからとった画像に入っている走査線を 取り除いて画像を修正するものです。JPEG効果とはJPEG圧縮 による画像の乱れ、モアレは印刷物をイメージスキャナで撮っ たときの模様です。スクラッチの自動除去は、画像上の小さな

傷のような汚れやノイズを除去するものです。赤目とは、ストロボを使って写真を撮ったときに、人 物の黒目の部分が赤く写る現象です。

図2  図形機能のオプション(一部)

(2) 図形機能の強化

円や四角形を描く図形機能は、前バージ ョンでは正方形、長方形、円、楕円などご く限られた種類のものでしたが、7Jでは図 2のように、さまざまな図形が用意されて います。これまでホームページのボタンを 作るときは、長方形などの基本図形を描い て、これを加工する必要がありましたが、

用意された形であれば、直接、作成するこ とができます。

  これらの図形描画機能はベクタ画像(後

)の作成でも使用することができます。

(3) 描画色設定法の変更

  7J では、図形を描く際の色の設定法が大きく変り、これにより、図形の枠線の色、内部の色(塗り つぶしの色)、およびそのパターンやテクスチャの指定がし易くなりました。この機能強化により、カ ラーパレットは図3のように変更になっています。大きな変更点は、前景色(6Jでは描画色)と背景 色のほかに、スタイルおよびテクスチャが加わった点です。これにより、各描画ツール(ブラシや図 形機能など)での描画色や模様の設定はすべて、ここで行うようになっています(文字挿入時の設定 を除く)。6Jでは、各描画機能の「ツールオプション」で指定するようになっていたので、注意が必要 です。

実際の色の設定法については、後で説明することにします。

 

(4) ドロー機能とテキスト機能の強化

  描画色の設定の変更・強化に伴って、ドロー機能でベクタ図形を描く場合や、テキスト機能で文字 を描くときに、さらに多彩な図形や文字を効率的に描くことができるようになりました。これにより、

枠つきの文字の作成、文字へのグラデーションの適用、ベクタ図形での枠や内部の色の多様な設定な が可能になりました。

(5) ホームページ作成用機能の強化

  ホームページ作成に有効な機能として、次のような機能の追加や強 が行われています。

・イメージの分割機能

  イメージをいくつかに分割し、分割された各イメージをWeb ペー ジの表中のセル(ます目)に配置して再構成できるようにします。こ の機能は、分割されたイメージとこれを Webページ上で再構成する ためのHTML文を生成します。これにより、分割されたイメージご とに最適化が行われるので、トータルのファイルサイズを小さくする

とができます。

・イメージマップ作成機能

図3  V.6(左)とV.7(右)

のカラーパレットの違い

  1つの画像の上に複数のホットスポット(クリックすると別のページへジャンプする点)を設定する 能です。

・ロールオーバー機能

  イメージやイメージ上のホットスポットにマウスを移動したりクリックしたときに別の画像を表示 せる機能です。イメージスライスやイメージマップの機能と合わせて使用します。

・アニメーション作成機能の強化(AnimationShop 3)

  Webページ上で使用するアニメーション(GIFアニメーションなど)を作成する機能で、PaintShopPro .0のV.2からV.3へバージョンアップされ、機能の強化と操作性の改善が図られています。

6

(6) PaintShopProブラウザ

  エクスプローラ風の画像ファイル参照機能です。フォルダとその中の画像ファイルのサムネールが

PaintShopProブラウザ・ウィンドウ上に表示されます。ここからダブルクリックあるいはドラッグ&ド

ロップで画像を取り出すことができ、他のフォ ルダへのコピーや移動も行うことができます。

2  ラスタ画像とベクタ画像

  PaintShopProには本来のラスタ画像のほかに、

ベクタ画像を描く機能が備えられています。ド ロー機能はベクタ画像(ベクタイメージ)と呼 ばれるタイプの画像を描く機能です。これはド ロー機能と呼ばれます。ドロー機能を備えるこ とにより、より幅広くまた効率よく画像を作 成・編集することが可能になります。7Jでは、

その機能が強化されています。ここでは、ラス タ画像とベクタ画像の違いと特徴を説明しま す。

  PaintShopProはその名のとおりペイント系の 画像処理ソフトで、基本的にはラスタ画像(ラ スタイメージ)を対象にしています。ラスタ画 像はピクセルと呼ばれる点の集まりで画像情 報を持ちます。ピクセルはキャンバスを細かな 格子状に区切って配置されており、格子上の定 められた位置にそれぞれ対応しています。ラス タ画像では各ピクセルについて、そのピクセル

の色情報を持つことにより画像を表現します。したがって画像の拡大は、1つのセルをいくつかのセル に広げる形で行われ、もとのセルと同じ情報をその周りのいくつかのセルでもつことになるので、拡 大すると不鮮明な画像となります。

カレント カラーパネル 内部のテクスチャ 枠線のテクスチャ 内部のパターン 枠線のパターン 使用できる色 前景色 背景色

図4  カラーパレット

  一方ベクタ画像では、画像を数理的な情報で表現します。たとえば直線は、始点と終点の座標の値 で表現します。他の図形も同様で、座標値や関数で表現します。したがって、拡大や縮小を要求され ると、それに対応した図形をその都度、算出して描きなおすことができます。これにより、移動や変 形が自由にでき、拡大によっても画像が不鮮明になることはありません。また、図形ごとに独立して

扱うことができます。たとえば、重なった図形の1つだけ拡大するようなことも簡単にできます。

  こう説明すると、ベクタ画像の方が優れているように思われますが、スキャナで読み取った画像や デジタルカメラで撮影された画像はラスタ画像ですし、写真のように微妙にまた不規則に色が変化す る画像をベクタ画像とすることは困難です(ラスタ画像をベクトル化する機能もあり、画像によって は(短調な色彩の図形など)うまくベクタ画像に変換することができます)。また、色調の変更、画像 の加工、さまざまな効果の適用などの画像処理は、移動や変形を除いてはほとんど、ラスタ画像での み可能です。ベクタ画像では図形は描けても画像処理はできないということになります。そこで一般 には、画像作成には必要に応じてベクタ画像を使用し、画像処理をするときは、これをラスタ画像に 変換するということになります。

3  描画色の選択

描画では、これに用いるカラー、スタイル、テクスチャの設定が必要となります。カラーの前景色 と背景色で指定した色を基本として、さらに「スタイル」で、その色の使い方を決めるといった形で 指定します。ただテキストツール(文字の挿入)だけは、色の指定をその操作(挿入文字の作成)の 中で行うことができます。

  6Jではスタイルやテクスチャは、各描画ツールの中で指定をするようになっていましたが、7Jでは すべて、カラーパレット上で行うようになりました。これにより操作が統一され、分かりやすく使い やすいものになっています。もっともソフトの操作は慣れの問題があるので、6J のユーザは少し戸惑 うかもしれません。7J での大きな変更点はここにあるので、まずこのカラー指定の仕組みを理解する ことをお薦めします。

3.1  カラー

描画などに使用するカラーはアクティブカラーとして選択されている必要があります。アクティブ カラーには前景色と背景色があり、カラーパレット上で、次のようにして選択することができます。

・カラーパレットの「使用できる色」パネルを使う。

・カラーパレットの「前景色」「背景色」ボックスを使う。

・カラーパレットのスタイルボックスを使う。

・「色の選択」ツールを使う。

前景色と背景色は描画の基本となるカラーですが、これらは次のように考えておくとよいでしょう。

何らかのツールを用いて図形を描くとき、その描画には通常、前景色が使用されます。これに対して 背景色は、各オブジェクト(画像)の後ろにある色(下地の色)と考えておくとよいでしょう。した がって、画像を剥ぎ取ると背景色が出てきます。

(1)カラーパレットの「利用できる色」パネルを使う方法

  マウスカーソルをカラーパレットの「使用できる色」パネル上に置くと、マウスカーソルがスポイ ト状に変わります。と同時に、スポイトのある位置の色がカラーパレット最下部の「カレントカラー パネル」に表示されます。そこで、左ボタンを押すと前景色として、右ボタンを押すと背景色として その色が選択されます。前景色と背景色は、パレット最上段の「前景色」「背景色」ボックスにそれぞ れ表示されます。

(2)カラーパレットの「前景色」「背景色」ボックスを使う方法

  「前景色」「背景色」ボックスをクリックすると、「色の設定」ダイアログボックスが表示されます。

ドキュメント内 2000年度年次報告書の発行にあたって (ページ 30-36)

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