2.7.4 臨床的安全性
2.7.4.6 市販後データ
2.7.4.6.1 重篤な有害事象の概要
(1) すべての癌腫に認められた重篤な有害事象
Roche 社の安全性データベースから, 年 月 日までに登録されたベバシズマブの投与
を受けた患者に発現した重篤な有害事象について抽出した。なお,Roche 社の安全性データベ ースには,日本の情報を含む Roche 社製品販売国の臨床試験及び市販後臨床試験,市販後自発 報告(文献症例報告含む)等の情報が集積されており,本検索においては,今回予定している 適応症以外に本剤が使用された症例も含まれている。
器官別大分類別に抽出した結果を表 2.7.4.6.1-1に示す。
重篤な有害事象は Roche 社のデータベースに64,001件集積されており,その中で因果関係が 否定されない有害事象(因果関係「あり」,「不明」)は31,451件であった。主な器官別大分 類別の副作用は,胃腸障害,血管障害,呼吸器,胸郭および縦隔障害であった。
表 2.7.4.6.1-1 重篤な有害事象の器官別大分類別一覧
有害事象器官別大分類 因果関係(企業意見)
あり 不明 なし 評価不能
感染症および寄生虫症 2024 498 3475 493
良性,悪性および詳細不明の新生物(嚢胞
およびポリープを含む) 286 289 706 74
血液およびリンパ系障害 1907 293 2446 350
免疫系障害 122 45 157 4
内分泌障害 20 2 33 3
代謝および栄養障害 751 149 1495 526
精神障害 169 48 385 145
神経系障害 2025 563 1315 474
眼障害 821 253 78 157
耳および迷路障害 28 8 30 6
心臓障害 1239 291 833 195
血管障害 2939 549 753 413
呼吸器,胸郭および縦隔障害 2427 611 1929 616
胃腸障害 4938 1260 5238 1523
肝胆道系障害 223 114 442 56
皮膚および皮下組織障害 357 93 162 117
筋骨格系および結合組織障害 335 112 612 151
腎および尿路障害 592 194 487 159
妊娠,産褥および周産期の状態 2 3
生殖系および乳房障害 120 38 63 14
先天性,家族性および遺伝性障害 17 8 10 2
一般・全身障害および投与部位の状態 1729 887 2537 1827
臨床検査 1161 276 780 483
傷害,中毒および処置合併症 447 147 571 111
外科および内科処置 15 26 81 27
社会環境 2 1 3
(2) 膠芽腫患者に認められた重篤な有害事象
重篤な有害事象の内,膠芽腫患者の重篤な有害事象を表 2.7.4.7.1-4に示した。すべての重篤 な有害事象64,001件の内,原疾患が膠芽腫の患者で発現した重篤な有害事象は757件であった。
因果関係が否定されない重篤な有害事象(副作用)は411件であった。主な重篤な副作用は,
肺塞栓症28件,深部静脈血栓症17件,高血圧及び死亡(原因不明)11件,痙攣,視神経症及び
血小板減少症9件等であった。なお,脳出血については因果関係が否定されない重篤な有害事
象(副作用)として3件報告された。
アバスチン
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臨床的安全性(再発)Page 45
(3) すべての癌腫に認められた死亡
癌腫にかかわらず死亡に至った有害事象を表 2.7.4.7.1-5に示した。
転帰が死亡となった有害事象は5,891件であり,その内,ベバシズマブとの因果関係が否定さ れない事象が2,998件あった。ベバシズマブとの因果関係が否定されない事象の内,主なもの は死亡(原因不明)371件,疾患進行161件,消化管穿孔96件,敗血症95件,肺塞栓症93件であ った。
2.7.4.6.2 安全性定期報告
本剤は,治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌に対する治療薬として国内で2007年4月 18日に承認され,6月11日より販売を開始した。
本項では,第6回安全性定期報告収集期間である2011年2月25日までに集積された安全性情報 又は特定使用成績調査で調査票を回収した2,705例の内,集計対象となった2,696例の集計結果
(5.3.6-1)の要約を記載した。本報告期間に添付文書の改訂は行わなかった。
また,ベバシズマブは,2004年2月26日の米国での転移性結腸・直腸癌の一次治療での適応 の承認以降,多数の諸外国にて使用されており,Roche 社により定期的安全性最新報告書
(PSUR)が発行され,当該調査期間に入手した PSUR(No 1041900,情報収集期間:2010年2 月26日-2011年2月25日)の概要を記載した。
なお,第6回安全性定期報告書及び Roche 社 PSUR(No 1041900,情報収集期間:2010年2月 26日-2011年2月25日)を5.3.6-1,5.3.6-2に添付した。
2.7.4.6.3 特定使用成績調査
(1) 概要
平成19年4月18日の「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」に対する承認条件として 付された販売開始後一定期間に投与する全例を対象とした「特定使用成績調査」については,
574施設より2,712例が登録され, 2,699例にて集計・解析を行った。収集した2,705例の内,9 例を除く2,696例で,1,668例(発現率61.87%),5,869件の副作用が報告された。その内,重篤 な副作用は412例であった。また,死亡例は374例報告され,その内,本剤との因果関係が否定 できない事象により死亡に至った患者は34例(44件)であった。死亡に至った事象の内訳は,
消化管穿孔7例,7件(消化管穿孔,小腸穿孔が各2件,大腸穿孔,直腸穿孔,回腸穿孔が各1 件),出血が6例,6件(胃腸出血2件,脳出血,気管出血,腫瘍出血,出血が各1件),静脈血 栓塞栓症5例,6件(肺血栓症2件,大静脈血栓症,静脈血栓症,肺塞栓症,血栓性静脈炎が各1 件),敗血症4例,4件(敗血症3件,敗血症性ショック1件),急性呼吸窮迫症候群〔ARDS〕
3例,3件(急性呼吸窮迫症候群3件),原因不明の死亡3例,3件,間質性肺炎2例,2件(間質 性肺疾患2件),播種性血管内凝固2例,2件(播種性血管内凝固2件),動脈血栓塞栓症が1例,
1件(脳梗塞1件),急性肺水腫,肺障害,肺炎,肝不全,心不全,骨髄機能不全,大動脈瘤破 裂,出血性大腸潰瘍,消化管壊死,腹膜炎が各1例,1件であった。なお,間質性肺疾患につい ては併用化学療法の影響も考えられることから,本剤における発現率増加はないと考えるが,
国内添付文書の重大な副作用の項に間質性肺疾患の追加記載を行った。
本剤に特徴的な主な事象の重篤な副作用発現状況について,本調査及び海外臨床試験での状
況を以下に示す。本調査の結果は,海外臨床試験の副作用の発現傾向に比べ著変は認められな
かった(表 2.7.4.6.3-1)。
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表 2.7.4.6.3-1 本剤に特徴的な主な事象の重篤な副作用発現状況
国内
[副作用発現例数(副作用発現例率)]
海外
[有害事象発現例数(有害事象発現率)]
本調査注1) AVF2107g試験 NO16966試験 併用化学療法 種々の化学療法 IFL FOLFOX4 XELOX
解析対象例数 2,696例 392例 342例 353例
消化管穿孔 23 (0.9%) 8 (2.0%) 1 (0.3%) 3 (0.8%) 25 (0.9%) 8 (2.0%) 1 (0.3%) 3 (0.8%) 創傷治癒遅延 9 (0.3%) -注2) 0 (0.0%) 1 (0.3%) 40 (1.5%) 5/60注2) (8.3%) 9 (2.6%) 3 (0.8%) 出血(全体) 28 (1.0%) 13 (3.3%) 7 (2.0%) 6 (1.7%) 318 (11.8%) -注3) 130 (38.0%) 82 (23.2%) 動脈血栓塞栓症 7 (0.3%) 13 (3.3%) 5 (1.5%) 7 (2.0%)
10 (0.4%) 14 (3.6%) 8 (2.3%) 9 (2.5%) 静脈血栓塞栓症 24 (0.9%) 60 (15.3%) 32 (9.4%) 22 (6.2%) 36 (1.3%) 68 (17.3%) 58 (17.0%) 34 (9.6%) 高血圧 52 (1.9%) 49 (12.5%) 12 (3.5%) 16 (4.5%) 363 (13.5%) 96 (24.5%) 70 (20.5%) 62 (17.6%) RPLS 1 (<0.1%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%)
1 (<0.1%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) 0 (0.0%) タンパク尿 5 (0.2%) 3 (0.8%) 3 (0.9%) 1 (0.3%) 123 (4.6%) 113 (28.8%) 21 (6.1%) 14 (4.0%) 心毒性注4) 1 (<0.1%) 2 (0.5%) 10 (2.9%) 14 (4.0%) (うっ血性心不全) 1 (<0.1%) 2 (0.5%) 23 (6.7%) 31 (8.8%) Infusion 12 (0.4%) 0注5) (0.0%) 1注6) (0.3%) 0注6) (0.0%) Reaction 172 (6.4%) 0注5) (0.0%) 1注7) (0.3%) 5注7) (1.4%) 上段はGrade 3以上,下段は全Gradeの発現例を示す。
注1) 本調査におけるGrade欠損例について,Grade欠損かつ重篤度「重篤」であった事象をGrade3以上として集計 注2) 創傷治癒遅延は,本剤投与中に手術を実施した患者に対する発現率を提示。Grade別の集計データは入手していない 注3) 出血(全体)の全Grade集計データは入手していない
注4) 心毒性(うっ血性心不全)について,本調査,国内臨床試験,海外臨床試験AVF2107g試験は「うっ血性心不全」を,
海外臨床試験NO16966試験は「心障害」の発現状況を提示
注5) MedDRA基本語の「infusion related reaction」に該当する例数を提示。なお,AVF2107g試験において,国内承認時と同 様の「infusion reaction」の定義に基づく集計データは入手していない
注6) MedDRA基本語の「infusion related reaction」に該当する例数のうち重篤であった例数を提示(2007年1月31日カットオ フ)。なお,NO16966試験において,国内承認時と同様の「infusion reaction」の定義に基づく集計データは入手してい ない
注7) MedDRA 基本語の「infusion related reaction」に該当する例数を提示(2006年1月31日カットオフ,FOLFOX+本剤群 n=341)。なお,NO16966試験において,国内承認時と同様の「infusion reaction」の定義に基づく集計データは入手し ていない
2.7.4.6.4 副作用・感染症報告
第6回安全性定期報告集積期間中に,当局に副作用・感染症報告を行った副作用・感染症は 613例1,182件であった。その内訳は,「好中球数減少」が31件,「大腸穿孔」が30件,「消化 管穿孔」,「腹膜炎」が各29件,「間質性肺疾患」が27件,「播種性血管内凝固」が23件,
「高血圧」,「下痢」,「回腸穿孔」,「直腸穿孔」,「血小板数減少」が各18件,「敗血 症」,「喀血」が各16件,「脳出血」が15件,「脳梗塞」,「深部静脈血栓症」,「肺塞栓 症」,「急性腎不全」が各14件,「肺炎」,「ショック」が各13件,「発熱性好中球減少症」,
「静脈血栓症」,「治癒不良」,「発熱」,「白血球数減少」が各12件,「十二指腸穿孔」が 11件,「鼻出血」,「胃腸出血」が各10件,「出血性胃潰瘍」,「イレウス」,「メレナ」,
「嘔吐」が各9件,「敗血症性ショック」,「食欲減退」,「呼吸不全」,「小腸穿孔」が各8
件,「腹部膿瘍」,「貧血」,「骨髄機能不全」,「鎖骨下静脈血栓症」,「腸炎」,「腸閉
塞」が各7件,「アナフィラキシーショック」,「心肺停止」,「血栓症」,「大静脈血栓
症」,「多臓器不全」,「医療機器内血栓」が各6件,「腰筋膿瘍」,「好中球減少症」,
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