○財政力指数
財政力指数は、地方公共団体の財政基盤の強弱を示す指数で、標準的な行政活動に 必要な財源をどれくらい自力で調達できるかを表しており、普通交付税の算定基礎と なる基準財政収入額を基準財政需要額で除して得た数値の過去 3 カ年の平均値をいい ます。
基準財政収入額が基準財政需要額を下回る場合は、それを補うために普通交付税が 交付されます。本市の場合は大幅に上回っているため通常、普通交付税は交付されま せんが、合併の特例措置により一定期間交付を受けることができます。財政力指数が
「1」を超えている場合には、基準財政需要額を超えた分だけ通常水準を超えた行政 活動が可能であるといえるため、財政力は高いといえます。
第 54 図は、基準財政需要額、基準財政収入額、財政力指数の推移です。
財政力指数 = 基準財政収入額 (3 カ年平均) 基準財政需要額
【用語解説】
① 基準財政収入額、基準財政需要額
基準財政収入額とは、普通交付税の算定に用いるもので、各地方公共団体の財 政力を合理的に測定するために、標準的な状態において徴収が見込まれる税収入 等を一定の方法によって算定した額の合計額をいいます。
基準財政需要額とは、普通交付税の算定に用いるもので、各地方公共団体が合 理的、かつ、妥当な水準における行政を行い、又は施設を維持するための財政需 要を一定の方法によって合理的に算定した額をいいます。
1.068
1.493 1.544 1.497
1.423 1.350
1.267 1.255
1.250 1.259 1.276
1.141 1.492
1.512 1.487
1.269 1.293
1.240 1.233 1.277
1.268 1.284
0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8
0 50 100 150 200 250 300 350
S52 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28
億円
第54図 基準財政需要額・収入額、財政力指数の推移
基準財政需要額 基準財政収入額
財政力指数3ヵ年平均(右目盛) 財政力指数単年度(右目盛)
○経常収支比率
経常収支比率とは、財政構造の弾力性を判断するための指標で、税など毎年度経常 的に収入される一般財源を、人件費、扶助費、公債費などの毎年度経常的に支出する 経費にどの程度充当しているかを表す比率です。この比率が高いほど、公共施設の整 備などの投資的な経費に充てる財源が少なくなり、財政運営が厳しくなります。
第 55 図は経常収支比率の推移を示しています。この 10 年間は、80%前後で推移し ており財政の健全性を維持しています。平成 20 年度は固定資産税の増加などにより 下がりました。平成 21 年度及び平成 24 年度は、法人市民税並びに固定資産税の減少、
扶助費の増加などにより上がり、その後は横ばいで推移してきましたが、平成 28 年 度は扶助費等の増加により上がりました。
※ 経常一般財源等には、合併に伴い、平成 17 年度から旧下総町及び旧大栄町 の臨時財政対策債が含まれています。
33
277 282 288 288 294 292 299 305 312 318
41
342
379
348 348 359
349 362 373 381 383
81.2 80.9 74.4
82.7 82.9 81.9 83.6 82.6 81.8 81.7 83.0
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90
0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500
S52 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28
億円 %
第55図 経常収支比率の推移 経常経費充当一般財源
経常一般財源等 経常収支比率(右目盛り)
経常収支比率 = 経 常 経 費 充 当 一 般 財 源
×100
経 常 一 般 財 源 等
【用語解説】
① 一般財源
一般財源とは、歳入のうち税などのように使途が特定されず、どのような経費 にも使用することができるものをいいます。また、生活保護費の負担金や道路整
備のための補助金などのように、使途が限定されているものは、特定財源といい ます。
○市債
市債は、財政運営上の資金調達手段であると同時に、学校、道路、公園などの長期 間にわたり効果を生ずる施設整備について、将来利用する住民の方々にもその一部を 負担していただく方法として活用しています。
公債費はこの市債に対する元利償還金であり、義務的経費の中でも特に弾力性が 乏しい経費であるので、その動向には十分留意する必要があります。
この公債費の財政負担の割合を判断する指標には、「公債費負担比率」、「実質公 債費比率」などがあります。第 56 図は各指標の推移を示しています。
8.6
10.6 9.5
10.2 10.0
9.7 9.7 9.8
10.4
9.8 10.0
7.8
7.4 7.2
7.0
6.6 6.5 6.2
6.0 6.0 6.0
5.0 6.0 7.0 8.0 9.0 10.0 11.0 12.0
S52 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28
%
第56図 公債費に関する指標
公債費負担比率 実質公債費比率
・公債費負担比率
公債費負担比率とは、一般財源総額に対する公債費に充当された一般財源(一時借 入金利子等を含む)の占める割合を表す比率です。すなわち、公債費により一般財源 の使途がどの程度制約されているかをみるものであり、財政構造の弾力性を判断する 指標となります。本市は、10%前後で推移しており財政構造の弾力性を維持していま す。
公債費負担比率 = 公債費充当一般財源
×100 一 般 財 源 総 額
・実質公債費比率
実質公債費比率とは、平成 18 年度に地方債制度が「許可制度」から「協議制度」
に移行したことに伴い設けられた新たな財政指標で、標準財政規模に占める実質的な 公債費に費やした一般財源の割合の 3 カ年の平均値をいいます。
従来の公債費負担比率との主な相違点は、上水道などの公営企業等の支出する元利 償還金への一般会計からの繰出金、一部事務組合等の地方債の元利償還金に対する負 担金及び公債費に準ずる債務負担行為に係る額を準元利償還金として算入しているこ とにあります。
この実質公債費比率が 18%を超えると地方債許可団体となり、財政健全化法に基 づき 25%を超えると早期健全化計画を、35%以上を超えると財政再生計画の策定が 義務付けられ、その内容に応じて地方債の発行を制限されることとなります。なお、
本市の平成 28 年度の実質公債費比率は 6.0%となっています。
実質公債費比率 =
(地方債の
元利償還金)
+(準元利 償還金)
-(特定財源+元利償還金・
準元利償還金に係る基準
財政需要額算入額) × 100
(標準財政規模)
-(基準財政需要額算入公債費及び準公債費)
【用語解説】
① 標準財政規模
標準財政規模とは、市が標準的な状態で通常収入されるであろう一般財源の規 模を示すもので、市が通常水準の行政サービスを提供する上で必要な一般財源 の目安となる数値です。
算式={基準財政収入額-(所得割における税源移譲相当額の 25%)-地方譲与税-交通 安全対策特別交付金}×100/75+地方譲与税+交通安全対策特別交付金+普通交付税
+臨時財政対策債発行可能額
② 債務負担行為
予算は単一年度で完結することが原則ですが、将来にわたる支払い義務に対応 するため、あらかじめ後年度の債務を約束する行為を債務負担行為といいます。
これを行う場合には、その事項、期間及び限度額について予算の項目の一つと して定める必要があります。
・市債残高
市債残高は、施設整備の進捗に伴い 500 億円に届く水準にあり、公債費(元利償 還金)は平成 26 年度以降、約 45 億円で推移しています。第 57 図は市債残高と公 債費の推移を示しています。
55
406 400 399 405 420 438 444 452 478 491
5
42 42 42
41 43 43 43
45 45 45
0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50
0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500 550
S52 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28
(億円) (億円)
第57図 市債残高
市債現在高(左目盛)
元利償還(右目盛)
・特別会計を含めた市債残高総額
特別会計を含めた市債残高は平成 21 年度までは緩やかに減少していましたが、平 成 22 年度からは野球場整備事業、公津の杜複合施設整備事業、新清掃工場整備事業 など大規模事業の影響により増加に転じました。平成 24 年度から平成 26 年度にかけ てはほぼ横ばいで推移していましたが、平成 27 年度以降は、医科系大学誘致事業や 国家戦略特区推進事業などの大規模事業の影響により増加しており、上下水道事業を 含めた平成 28 年度末の市債残高総額は 672 億円となっています。市民一人当たりの 市債残高は約 51 万円となります。第 58 図は市債残高総額の推移を示しています。
※平成 28 年度末市債残高(672 億円)÷平成 29 年 3 月末人口(132,409 人)≒51 万円
55
406 400 399 405 420 438 444 452 478 491
13
108 105 100 95 91 86 82 78 73 70
8
113 113 115 120 127 125 122 118 114 111
3 1
0 100 200 300 400 500 600 700
S52 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28
億円
第58図 市債残高総額市場 水道 下水道 一般会計
・ 水道には簡易水道事業を、下水道には農業集落排水事業を含んでいます。
○実質収支比率
実質収支比率とは、標準財政規模に対する実質収支の割合をいいます。実質収支は、
その年度に属すべき収入と支出の実質的な差額(形式収支から翌年度に繰越すべき財 源を差し引いたもの)で、当該団体の純剰余又は純損失を意味するものであり、財政 運営の状況を判断する指標の一つとなります。
第 59 図は実質収支比率の推移を示しています。年度によって増減はありますが、
概ね望ましい範囲内で推移しており、財政運営の健全性を維持しています。
実質収支比率 = 実 質 収 支 額 標 準 財 政 規 模 ×100
○将来負担比率
将来負担比率とは、平成 19 年度決算から地方公共団体の財政の健全化に関する法 律によって新たに導入された 4 つの財政指標の 1 つで、地方公共団体の借入金など、
現在抱えている負債の大きさを、その地方公共団体の標準財政規模に対する割合で表 したものです。この比率が、早期健全化基準である 350%以上になると、早期健全化 団体に指定され、財政健全化計画の策定が義務付けられます。
本市の平成 28 年度の将来負担比率は 74.6%で、早期健全化基準を大幅に下回って おり、財政運営の健全性を維持しています。
第 60 図は将来負担比率の推移を示しています。
56
1,676 1,968
1,818 2,430
1,972 2,256
1,744 2,496
3,602
2,337
1.4
4.8 5.3
4.8 7.0
5.5 6.4
4.9 6.7
9.6
6.2
0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0
0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500
S52 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28
%
百万円
第59図 実質収支比率
実質収支額(左目盛)
実質収支比率(右目盛)