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調査結果の整理・まとめと提言

アフリカ諸国における現状及び主要各国の支援状況を参考に、我が国の支援施策を提 言する。

(1) アフリカ諸国の問題点

国内、海外のアンケート、ヒアリングで寄せられたアフリカ諸国での問題点を以下に 整理した。登録や訴訟に時間が掛かる、法制度が未整備、権利行使や権利保護の運用に 問題がある、という意見が多く、代理人の問題、費用が掛かる、先行調査ができない、

情報不足といった問題もある。その他、政情不安や需要不足といった根本的な問題も指 摘されている。

(出所:

A

国内アンケート、

B

海外アンケート、

C

国内ヒアリング、

D

海外ヒアリング)

① 一般的な問題点

・時間が掛かる

問題点 相手国

出願番号の通知すら遅い国があるようです。 A

時間が掛かる。(エジプト、ナイジェリア、ザンビア) EG, NG, ZM A

南アフリカを除く殆どの国で時間が掛かる。 ZA以外 A

登録証が届いた時には次の更新期限が過ぎていた。 A

南アフリカ、サウジアラビア、ケニア、ガーナ、チュニジアでは、出願後 4 年以上経つが登録

になっていない。 ZA, KE,

GH, TN A

リビアは、2001年に出願したが、まだ登録になっていない。 LY A

この地域では、全ての手続に非常に長い時間が掛かる。更に、事務作業は、特にOAPIがひ

どい。その結果、更新や顧客の権利の登録に問題が生じる。 OA B

出願から登録までに時間が掛かる国が多い。登録証がなかなか届かないこともある C

国内代理人や現地代理人の処理速度は普通だが、その後の現地特許庁の処理が遅いので

はないかと感じている。 C

エジプトは出願から登録までが 5 年くらいと非常に遅い。代理人と特許庁の双方に問題があ

ると感じている。 EG C

特許庁が出願書類や資料を紛失してしまったり、登録証がなかなか発行されないという国もあ

る。 C

一般的に、アフリカ諸国では代理人及び特許庁とも反応が遅いと感じられる。 C

出願処理が遅い国が多いのが問題となっている。 C

アンゴラ、ボツワナ:審査、登録まで非常に時間が掛かる。 AO, BW D

IP 権の付与のための方式審査や実体審査の結果が出るまでにかなり長い時間(時には 3 年)を要している(KIPIARIPOの両方とも)。この点について、IP権の保護を獲得する費 用を増加させるだけでなく、時には出願人に途中で出願を放棄させることになるのではない かと危惧している。

KE, AP D

ケニアのIP権の保護システムにおいて、改善と是正が必要な領域は、特に管理(行政)の面 である。KIPI のスタッフは、審査、公報での公開、登録証の発行等に掛かる時間を減少させ る、種々の事務処理の効率を高める必要がある。処理の遅延は願書の処理だけでなく、登録 証の発行時にもあるし、特許を維持する年金の処理でも当てはまる。

KE D

ケニアでは、IP の権利者は侵害を提訴することができる。法的手続きは裁判所に対して行う

が、ケニアの裁判所は多くの滞貨を抱えており、例えば差止めの場合で約2年を要する。 KE D

運用上の問題としては、(出願から登録までの)時間が長過ぎると感じている。 D

一般的な立場から、OAPI の事務処理に要する時間は妥当であると思う。只一つの問題は、

OAPI での調査結果や、他の書類(複製、失効していない証明、取消していない証明)の取 得、証明書の付与に時間を要することである。

OA D

公報は毎月発行される。ただし、滞貨が沢山あるため、発行日と出版日とは34ヶ月異なる。

実際に、2008 7 月発行の公報は、2008 11 月に出版された(公報に Issue date Publish dateの二つの日付があることに注意)。

EG D

もっともスムーズに行った場合、出願から登録まで2年半から3年。ただし、滞貨が無い場合

であり、通常は、滞貨のため、5年以上掛かる。 EG D

滞貨(backlog)が非常に多く、手続に要する時間が非常に長い(6から8年)。 EG D

アフリカの殆どの国で、書類の発行の遅れが問題となっている。その範囲は最短でも3-4ヶ月

(エチオピア、ジブチ)、25年以上(ガンビア)の例もある。その他のアフリカ諸国では、18ヶ月 から36ヶ月の間であり、この地域ではこれが普通だと考えられている。

GM D

時間の遅れと混乱(複雑化、厄介な問題)は、全て個々の国の特質と特定の商標/特許商標 庁のシステムに依存している。そのような問題を解決するためには、商標庁のシステムの電算 化を含む改善と、莫大な数の願書と証書の発行までのフォローアップを実行していく能力を 持つように改良することが必要である。

EG D

・情報が不足している

権利範囲がどこまで及ぶかわかりにくい。 A

出願以降、どのような手続が進むのかよくわからない。 A

制度がわかりにくい。 A

法制度、権利の効力を含め、よくわかりません。 A

アフリカ全般、特・意・商全般、訴訟システムや執行力を含めた権利行使の実行性について

不知なので不安がある。 A

法制度が不明である。 A

特許出願の実体審査や権利解釈についての情報が不足している。 A

対象技術を移転、供与する相手先も解らない。 A

制度に関して日本で得られる情報が少ない為、制度、運用そのものがあるか把握するのが難

しい。 A

大分よくなってきたが、時々情報の収集が困難である。 B

・法制度が未整備

リビアでは、1981年~2002年に出願商標がキャンセルされた。 LY A

委任状等の公証・認証が必要な国がある。 A

ハーグ条約(認証不要条約)加盟国が少ない。 A

イギリス、フランス等、旧宗主国の権利を前提に、又はそのまま有効な国がいくつかあるが

ex. キリバス、ソロモン、ハイチ、ツバル、バヌアツ)イギリス、フランスでは使用しないのに第 三者の障害となる権利があるため目的の国で使用できない場合がある。

A

知財庁のデータベースは不完全で検索不可能。知識が足りず、法律も非整備。 B

モロッコは、古くは英語圏とフランス語圏で、二つの特許庁があったが、併合された後も、仏

語と英語が混在している場合があり、コミュニケーションに困っている。 MA C

リビアでは登録済みの商標がキャンセルされ、新たに登録をしなければ有効な権利とならな

いとの処置をされたことが、これまでに2回あった。 LY C

ザンビア、マラウイ、リベリア、シエラレオネ、コンゴ民主共和国、ナミビア等の諸国では、法律

や制度が古く(時代遅れとの表現)、知財庁スタッフの訓練が行き届いていない。 CD, LR, MW, NA, SL, ZM D 輸入業者や小売業者に対する告訴は、貿易記載法(取引表示法:Trade Descriptions Act

や対不正商品防止法2008に基づいて、担当当局に要求することができる。ただし、ケニアで は、模倣品の事件を監視し、記録するシステムが無いので、統計的データを報告することは できない。

KE D

ケニアの税関部門の問題として、権利者による情報(Recordal)システムが無いため、税関官 吏が、本物と模倣品との区別ができないということがあり、結果として模倣品の流入防止や早 い発見を妨げている。

KE D

・権利行使などの運用に問題がある

十分な権利行使が可能か。そのための法整備は十分か? A

権利行使が困難と考えている。 A

ビジネスがあれば特許等出願するがエンフォースメントの面で不十分な国が多い。 A

権利行使の活用が不透明 A 現地法人へのライセンスに際して、海外送金手続が煩雑であった記憶あり(南アフリカ) ZA A

出願人の証明のために、登記簿の認証等の作業が必要 EG A

警察による取締りがなかなか実行されなかった。(タンザニア) TZ A

大部分は、投資家にとっての産業財産権の重要性の意識の欠如、そしてそれ故、権利侵害

が許容されないということの理解の欠如がある。 B

現状では、アフリカでの保護は、実際の効果という面では、かなり未開発である。 B

問題は、しばしばOAPIで生じる。 OA B

500万くらいの事案で、訴訟の為に23年の期間と1千万円もの費用を掛けるわけにも行か

ないので、結果的に放置している国も多い。 C

南アフリカやエジプトの代理人及び特許庁の能力については十分と思っているが、幾つかの

国では事務処理能力のレベルが低い。 ZA, EG以外 C

個人や代理人による権利行使は、十分に行われているとはいえない。これには模倣品事件 に対応する知識が不足していることも挙げられる。また、裁判所の手続きの遅れによって、権 利者が行使の手続きを中止することもある(費用の増大の問題)。

D

・代理人に問題がある

代理人の選択肢が少ない A

ポルトガル語訳付きの法人証明の領事認証を要求された。公証人、外務省の認証について

も一言一句ポルトガル語訳で要求された。 A

アフリカでの権利行使に対し、現地代理人(弁護士)の経験が不十分な為、当方の意思が伝

わらない。又、十分な対応がとれない。 A

知的財産の制度や、それに基づく民事訴訟に詳しい弁護士を探すのが困難 A

OAPIの代理人に、英語を正しく理解できない言語的問題がある。 OA B

コミュニケーションに時々障害がある。 B

現地代理人の数は少なく、競合他社とバッティングすることが多く、困っている。 C

幾つかの国では、現地代理人の情報が少ないので、国内代理人から南アフリカの代理人経

由でそれぞれの国の現地代理人に依頼している。 C

・費用が高い

欧州や南アフリカの代理人をハブにしてアフリカ諸国の代理人をコントロールするため、代理

人手数料が高くなる。アフリカ諸国の現地代理人情報が非常に少ない。 A

出願や代理人費用は止むを得ないとしても、認証費用が高い点で出願を躊躇する。 A

・先行調査ができない

問題点として、先行技術調査ができない(各国の明細書が容易に入手できない)ことや、代理 人の能力、得意分野、競合他社の起用状況に関する情報が少ないこともあって、選択肢が少 ないことなどを感じている。

C

・政情不安

政情不安(国や地域の独立、統合の頻度が多い) A

政治状況等で混乱している国が多く、知的財産に関する情報が少ないと思われます。 A 政情不安で特許庁が機能停止している国もある。(権利更新等の手続が不明となっている) A

・需要がない

最近、アフリカへの出願が少ないため特に問題点はわからない A

現時点では出願件数が少なく問題が顕在化していない A

新規市場としての興味は、どちらかというと中東の方が多く、アフリカ諸国への話題は殆ど出

ていない。" C

会社全体の傾向としてアフリカ諸国より、中近東の方が重要度は遥かに高いと考えられてい

る。アフリカ諸国については南アフリカを除くとあまり興味が無い。 ZA以外 C

問題がないのは需要が少なく、まだ問題が顕在化していないためと思われる。 C

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