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主要国際機関、先進国の支援状況

国際機関・先進国等からの産業財産権分野におけるアフリカ諸国に対する取組の概要及 び過去の支援実績(制度整備支援、

IT

化支援、人材(官、民)育成支援等)に関して、公 開情報や各機関の

HP

を含む最新の情報をとりまとめた。なお、とりまとめにあたって、

一部の情報については、「国際知的財産政策54」の歴史的な展開及び「知的財産関連分野の 広がりに対応した国際ルールの構築55」(参考資料集)の中から、アフリカ諸国に関連する 部分を参考にした。

(1) 国連・国連関係機関

① 国際連合(

UN

United Nations

56

2000

9

月ニューヨークで開催された国連ミレニアム・サミットでは、

21

世紀の国際 社会の目標として国連ミレニアム宣言を採択した。この国連ミレニアム宣言と

1990

年代 に開催された主要な国際会議やサミットで採択された国際開発目標を統合してまとめられ たものがミレニアム開発目標(

Millennium Development Goals: MDGs

)である。

MDGs

は、

2015

年までに達成すべき

8

つの目標、

18

のターゲット、

48

の指標を掲げ、

開発や人権に関わる国際機関だけでなく、

WIPO

等の知的財産専門機関においても、開発 問題に積極的に取り組む重要な指針となっている。

<目標とターゲットの要旨>

目標1: 極度の貧困と飢餓の撲滅 目標2: 初等教育の完全普及の達成

目標3: ジェンダーの平等推進と女性の地位向上 目標4: 乳幼児死亡率の削減

目標5: 妊産婦の健康の改善

目標6:

HIV

/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延の防止

目標7: 環境の持続可能性確保

目標8: 開発のためのグローバルなパートナーシップの推進

ターゲット

17

: 製薬会社と協力して、開発途上国において人々が安価で必要不可欠 な医薬品を入手できるようにする。

ターゲット

18

:民間部門と協力して、特に情報・通信における新技術による利益が得 られるようにする。

指標

46

: 安価で必要不可欠な医薬品を継続的に入手できる人口の割合 最新のターゲットや指標は国連のウェブサイト57で確認できる。

54 国際知的財産政策(植村昭三:2005.12.7

http://www.rcast.u-tokyo.ac.jp/ja/research/meeting/2005/1207/pdf/01.pdf

55 知的財産関連分野の広がりに対応した国際ルールの構築・参考資料集(知的創造サイクル専門調査会:

2005.12.21http://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/tyousakai/cycle/dai3/3siryou6.pdf

56 ミレニアム開発目標(外務省)http://www.mofa.go.jp/Mofaj/gaiko/oda/doukou/mdgs.html

57 United Nations site for the MDG Indicatorshttp://mdgs.un.org/unsd/mdg/Default.aspx

② 世界知的所有権機関(

WIPO

World Intellectual Property Organization

近年、

WIPO

の場において、開発途上国を中心として、開発問題を重視する視点から知 的財産(権問題)を捉えようとする動きが活発化しており、その中心となるのが、開発ア ジェンダ関連提案に関する暫定委員会(

PCDA

Provisional Committee on Proposals Related to a WIPO Development Agenda

)での議論と、

PCDA

の後継となる開発関連の 問題を扱う常設委員会である「開発と知的財産に関する委員会(

CDIP

Committee on Development and IP

)」の議論である58

開発と知的財産に関する議論のこれまでの経緯及び最近の

CDIP

の動向については以下 のとおりである。

<これまでの経緯>

国際連合でとりまとめられた「ミレニアム開発目標(

MDGs

Millennium Development

Goals

)」を受け、国際連合の専門機関の一つである

WIPO

でも開発問題に積極的に取り組

むべきであるとする意識を背景として、

2004

年の

WIPO

加盟国総会において、ブラジル・

アルゼンチン等の計

14

カ国(開発フレンズと呼ばれている)から

WIPO

において開発問 題(開発途上国の経済発展に係る問題)に関するアクションプランを策定しようとする提 案が行われた59。この提案を受けて開発アジェンダの議論が開始され、

PCDA

等での議論 を踏まえて、

45

項目の具体的提案がまとめられた。その内容は、既に

WIPO

が取り組ん でいるキャパシティビルディング等に関するものだけでなく、開発途上国の経済的発展を 考慮した条約等の作成に関するものなど、広範囲に及んでいる60

2008

9

24

日(月)~

10

3

日(水)の

WIPO

加盟国総会では、開発アジェンダ が以下のように議論された61

開発アジェンダの議論とは、

WIPO

において開発問題(開発途上国の経済発展に係る問 題)に関するアクションプランを策定しようというものである。

2004

年の総会時に、開発 フレンズ(ブラジル、アルゼンチン等の計

14

ヵ国から構成されるグループ)が提案を行 い、議論がスタートした。

MDGs

を掲げる国際連合の専門機関として、

WIPO

も開発問題 に積極的に取り組むべきであるとの問題意識が背景にある。具体的提案の数は

111

項目に 上り、その内容は、既に

WIPO

が取組んでいる開発途上国への技術支援やキャパシティビ ルディングに関するものだけでなく、開発途上国の経済的発展を考慮した条約等の作成に 関するもの、技術移転に関するものなどまでと、広範囲に及んでいる。

これまでに、

2005

年に

3

回、

2006

年に

2

回、及び

2007

年に

2

回(

2006

年及び

2007

年は「

WIPO

開発アジェンダ関連提案に関する暫定委員会(

PCDA

Provisional Committee on Proposals related to a WIPO Development Agenda

)」において議論)会 合が開催され、

2008

年総会ではこれらの会合において合意の得られた

45

項目及びその内 即実施可能な

19

項目について勧告がなされ採択された。当該

19

項目の内、主なものとし て、技術支援のメカニズムの構築、実施、及び評価のプロセスは、特定の国のニーズを考

58 WIPOにおける開発と知的財産に関する議論の動向(文科省:2008.5.12

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/009/08051303/006.htm

59 アクションプラン策定の提案WIPO:2005.4.5www.wipo.int/edocs/mdocs/mdocs/en/iim_1/iim_1_4.doc

60 45項目の具体的提案WIPO2008.3.3http://www.wipo.int/edocs/mdocs/mdocs/en/cdip_1/cdip_1_3.doc

61 WIPO加盟国総会の結果概要(特許庁:2007.10.19

http://www.jpo.go.jp/torikumi/kokusai/kokusai2/07wipo_meeting_gaiyou.htm

慮したものであるべきこと、

WIPO

での規範設定等の活動においては、国際的知財関連条 約における、特に開発途上国・

LDC

に関心のある柔軟性を考慮すべきこと、知的財産と開 発の関連や影響を特定するため、要求に応じて知的財産保護の研究を行うこと、などが挙 げられる。

また、開発関連問題を扱う常設の委員会として「開発と知的財産に関する委員会

CDIP

Committee on Development and IP

)」の設立が承認され、合意された提案項目 の実施に関する作業プログラムを策定すること、関連する

WIPO

の委員会と調整の上、プ ログラムの実施状況をモニター、評価、議論して総会に報告すること、

CDIP

及び総会に よって合意された知財と開発に関連する事項を議論すること、などの取組がなされる予定 である。なお、休止していた開発関連の既存組織である「知的財産に関する開発協力常設 委員会(

PCIPD

Permanent Committee on Cooperation for Development Related to Intellectual Property

)」は廃止され、

PCDA

も存続されないこととなった。

CDIP

の動向>

2008

3

月に開催された第

1

CDIP

においては、議長より、即実施が可能な

19

項目 に関する今後の作業計画についてのたたき台が提案された。しかしながら、同委員会の手 続規則は採択されたものの、実質的な検討作業は余り進捗せず、他の常設委員会の議論に 影響を及ぼす可能性のある規範設定に関連した提案への検討作業については着手されてい ない。また、

7

月開催予定の第

2

CDIP

に向け、

4

月に非公式の会期間会合が開催され たが、この場でも大幅な進捗は見られていない。なお、ブラジル等は、当該

19

項目の実 施について、各委員会への拘束力を確保する観点から、

CDIP

議長又は

WIPO

事務局長名 で勧告を発する旨の提案をしている。

以下に、開発途上国協力に関連したニュースを示す。

WIPO開発・知財委員会(CDIP)が正式発足、開発アジェンダが前進62

200710月の世界知的所有権機関(WIPO)総会で設立が承認された途上国の開発問題を扱う常設委員会

「開発と知的財産に関する委員会(CDIP)」が正式に発足し、第1回会合が337日にジュネーブで開催され た。会合には100WIPO加盟国、7つの政府間組織、30の非政府組織が参加し、過去4年にわたる開発アジ ェンダの議論で合意された45項目の具体的提案のうち5項目について実行に向けた議論が行われた。

今回の会合ではこの内

1. 後発開発途上国(LDC)に対する資金援助を拡大し、途上国による知的財産の有効活用を支援する。

2. 途上国への技術支援に関する詳細情報をWIPOのウェブサイトで公開する。

3. WIPOの技術支援プログラムを拡充し、各国における知財当局の基盤整備を支援する。

などについて実行に向けた具体策が協議された。WIPO事務局は資金及び人材面からCDIPがまとめたこれ らの実施計画について検討を行い、7月の第2回会合63までに必要な修正を加えることとなっている。

CDIP2回会合は200877()から11()まで行われ64、第3回、第4回会合は、2009427 ()から51()1116()から20()まで開催される予定である。

WIPO、アフリカ広域知的財産機関と協力体制を強化65

世界知的所有権機関(WIPO)は、WIPOのフランシス・ガリ事務局長と、アフリカ広域知的財産機関(ARIPO

62 LAIT海外ニュース(2008.10.4http://www.lait.jp/copyright.php?itemid=408

WIPO Press Release2008.3.10http://www.wipo.int/pressroom/en/articles/2008/article_0012.html

63 Development Agenda for WIPOWIPOhttp://www.wipo.int/ip-development/en/agenda/

64 CDIP Second SessionWIPOhttp://www.wipo.int/ip-development/en/agenda/cdip/cdip_2.html

65 IPNEXTニュース(2008.10.06http://www.ipnext.jp/news/index.php?id=4673

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