この成功事例の共創プロセスにおける知識創造と価値創造は、共創者たちの ポジティブな情動形成、人間関係の形成、と客観ニーズの満足のプロセスを絡 ませることにより、情報共有(サービス共同化)、サービス合意形成(サービス 表出化)、適切なサービス提供(サービス連結化)、サービス経験(サービス内 面化)と深化していくと述べることができた。実際の共創の場における価値創 造はサービス共同化からサービス内面化まで必ず4ステップのように通して行
うことではなかった。ある時連続的に深化するが、ある時非連続的に進行した。
成功事例を通して、仮説1が成立したと言える。すなわち共創におけるサービ スプロセスは情報共有(サービス共同化)、サービス合意形成(サービス表出化)、 適切なサービス提供(サービス連結化)、サービス経験(サービス内面化)から 構成し、共創者の状況を互いに明らかにしながら新たなサービス提供が出来る ことにより、知識創造を通して価値創造を加速する。
この成功事例におけるサービス場の事例を通して、サービス場は個人と個人 の関係から始め、そして組織と組織の関係、公的から私的へと拡大し、情報の 共有を広めていくことで共創の双方は相互の理解が深くなると解った。これら のサービス場を理解するプロセスで、好感、関係性を形成し、互いに信頼性を 深め、双方のニーズを早く明らかにすることができた。そして速やかなサービ ス支援が可能になり、新たな知識創造を効率化することで価値創造を行った。
この故に仮説2も成立したと言える。すなわち共創におけるサービス場は有効 情報の繋がりで、時間の推移に従って、サービス提供者と受容者の間の関係性 を強め、提供者と受容者のニーズを満たしながら、双方の満足感に至るよいサ ービスを形成する時空間場所である。共創者はスパイラル的にサービス場の理 解を深めることによって、よいサービスができるようになる。これが、知識創 造を加速する。
この成功事例を通して、企業間の共創の成功に影響する要素は企業間の共通 目的(共創活動の目標即ち共創価値である)と信頼関係である。実際の事例の 共創活動からみると、具体的な問題解決をすることにより共創の目標を達成す ると解った。これらの共創プロセスにおける問題解決は連続的な潜在客観ニー ズを満足することと考えられる。一方、共創活動における信頼関係は、共創プ ロセスを通して形成しながら、また共創プロセスの展開を促進する。心理学で は、信頼関係は人間の好意から形成し、人間関係であると解釈している。成功 実例でも、共創者達はいいコミュニケーションから互いに好意を持ち、楽しい などの感情形成から、いい人間関係を生み、信頼性の構築ができたとしている。
それ故に、共創活動の仮説3が成立したと言える。すなわち、共創活動におけ る共創者の間の人間関係の構築と強化、心理的な満足度と客観ニーズの満足度
という三要素は、共創プロセスを発展させ、これにより、いいサービス提供が 出来ることで、共創の成功に大きい影響を与える。