• 検索結果がありません。

調査内容

ドキュメント内 外国語を読む力を構成する要因 (ページ 36-42)

第2章  研究の目的と方法 第1節本研究の目的

第3節 調査内容

本調査で対象とする, L2の読解力‑の関わる要因を図示すると,以下の図であらわされ る(図3)0

図3 L2読解に関わる要因

本研究では,被調査者に対し,以下の項目の調査をおこなった。 (調査で使用したテス トは付録参照)

Ll読解力に関して (1)日本語読解テスト

(2)日本語文字認識テスト(検査A,以下日A) (3)日本語単語認知テスト(検査B,以下日B) L2言語能力に関して

(4)語糞力テスト(CELT V‑A) (5)文法力テスト(CELTS‑A) (6)リスニングテスト(CELTL‑A)

(7)英語文字認識テスト(検査A,以下英A) (8)英語単語認知テスト(検査B,以下英B) (9)英語読解テスト

(10) cloze test

メタ認知能力に関して

(ll)メタ認知能力アンケート(英語用) (12)メタ認知能力アンケート(日本語用)

L2言語能力をはかる調査に関する, (4)語糞力テスト, (5)文法力テスト, (6)リスニ

ングカテストは Comprehensive English Language Test for Learners of English (CELT

Form A)を用いた.語糞力,および文法力は多くの研究においてL2言語能力を測る指標と して用いられており,本研究においてもL2の言語能力として含めて検討するが,標準化 されたテストで一般的な,語糞力および文法力を測定するためである。リスニングに関し ては, Llリーディングにおいてその重要性が強調されており,また,作業記憶による処理 量,またはL2の総合力との関係が示唆されるとして調査内容に含めた。同様に, L2言語 能力の総合力を示唆するテストとしてcloze testを含めている。

Llにおけるリーディング研究でその必要性を強調されている読解の下位技能である文字 認識に関する, (7)英語文字認識テストおよび(2)日本語文字認識テストは,検査Aの 方法で行った。検査Aは,ランダムに並べたアルファベット(日本語の場合はひらがなま たはカタカナ)の並び方と同じ並び方をしているものを, 4つの選択肢の中から選ぶ検査 でおこなった。 30秒間で10問のタスクに取り組む検査を10回おこなう。

例:検査A (英語) uiaek

a. uieak

b. uikea

c. uiaek

d. iukea

また,同じくLlリーディングの分野でその重要性を強調されている,読解の下位技能 である単語認知能力に関する, (8)英語単語認知テスト,および(3)日本語単語認知テ ストは,検査Bの方法で行った。検査Bは,提示された単語に関係した語を5つの選択肢 の中から選ぶタスク10間を25秒間で取り組む検査を10回おこなう。

例:検査B (英語)

楽器(newspaper guitar work hotel world)

最後に, (1)日本語読解テストおよび(9)英語読解テストについては,エッセイおよ び論説文の2種類を選択した。

これまでの先行研究において使用されてきた読解力の測定法は, (1) cloze test(クローズテスト)

(2) reading comprehension test(読解テスト)

(3) direct content questions(内容に関して文で答えるテスト) (4)想起や要約などのプロトコル法

の4つに分類できる。このうち,これまで多くのリーディングの研究で用いられていた測 定法は(2)多肢選択型テストまたはtrue/false tests形式の読解テストである。読解テス トには,独自に作成した読解テストを使用したものと,標準テストとして作成されている 以下のようなテストを使用したものがある。

(1)Descriptive Test of Language Skills‑Reading Comprehension Test

[Educational Testing Service, 1977] (Anderson,N.J. , LBachman, K.Perkins,

A.Cohen. 1991)アメリカの合衆国の多くの大学で,母語話者,および非母語話者に 対するremedial program, ESL reading program ‑の選抜試験,適正試験として採 用されている。

(2)Michigan Placement Test

(3)SRA Reading Laboratory Placement Test[ Science Research Associate Reading

Laboratory Placement Test] (Ando & Payne 1996)

(4)TOEFL

(5)TOEIC

など,標準化されたリーディングテストはいくつか存在する。しかしながら,本調査にお いては母語読解におけるメタ認知能力の比較を試みるため,母語読解と英語読解のテキス トをある程度統一する必要があるので,このような標準化されたテストは使用していない。

また,テキストの内容によって読解力が影響されることがいくつかの研究により指摘さ れている。テキストの内容に関する背景知識がテキスト理解に影響を与えることを指摘し ている研究には, Carrell(1987), Johnson(1981), Anderson and Urquhart(1988)などが ある。このような研究では,語嚢・文法知識などの言語能力よりも背景知識のほうが理解 度により強い関係を示している。

また,文章構成にも読解力は作用されることが指摘されている Carrell(1984)は,説 明文の読解では,内容再生テストの成績が良いと指摘しており,展開が予測できるテキス

トとそうでないテキストでは理解が異なることを示している。

従って,本調査においては,文章構成,および背景知識により極端な偏りが出るのを防 ぐため,テキストのタイプをエッセイ文と論説文の2種類準備し,テキストタイプによる 偏りが出ないようにした(付録参照)。日本語読解テストの難易度は,センター試験に準拠

したものである。

また,解答形式については,他の要因と比較検討する目的のため,読解力を数値化する 必要性があり,数値化の可能な多肢選択型のreading comprehension testを読解テスト

として使用した。

(ll)メタ認知能力アンケート(英語用)および(12)メタ認知能力アンケート(日本語用)に 関しては,以下の2種類からなる。

(a)読解テストの解答に対する確信度

(b)自分の用いたストラテジーに関するアンケート

これまでの研究においては,メタ認知能力についてのアンケート,またはthink‑aloud などによるストラテジー解明を中心とした質的な面にのみ注目がなされていた。しかしな がら,第1章で述べたメタ認知能力の定義によると,メタ認知能力は,わかっているかわ からないか見極めることができる能力と,またそれぞれの場合に応じて適切なストラテジ ー(方略)を用いることができる能力の2側面から考えることが必要だと考えられる。従っ て,本研究においては,メタ認知の種類だけではなく,自分の理解度を測るという量的な 側面からもメタ認知を考慮する。

(a)読解テストの解答に対する確信度

本研究においては,わかっているかわからないかを見極めることができる能力について は,確信度を指標にメタ認知能力の測定を行う。

被調査者は,多肢選択問題である読解問題の解答に対し,それぞれの解答に対してどの 程度自信があるかを,とても自信があるを5 とし,まったく自信がないを1として5段階 評価する。解答が正当だった場合,被調査者の出した評価をそのまま用いる。例えば,解 答に対してとても自信があると考え5と回答していて,被調査者の自信どおり解答が正解

だった場合は,わかっているかわからないかに関するメタ認知能力がきちんと働いたと考 えてそのまま5の評価とする。逆に,被調査者の解答が誤答だった場合は,被調査者の出 した評価を逆の評価とする。例えば,被調査者がその解答に自信があるとして5の評価を していても,解答が誤答であった場合は,被調査者のメタ認知能力が正確に働いていなか ったと考えられ,逆転して1の評価を与える。このようにして,すべての解答に対する確 信度を評価し直したものを平均化した数値を,その被調査者の確信度とする。

(b)自分の用いたストラテジーに関する質問紙

どのようなストラテジーを用いているかについては,これまでの先行研究の多くで用い られている, Carrell(1989)が作成したアンケート項目を少し変更した質問紙(付録参照)

により調査を行った。それぞれの項目に対して「強くそう思う」を5, 「決してそう思わな い」を1とし,中間段階を1点段階で得点した。

メタ認知能力アンケート以外の各テストはすべて100点満点で採点した。

ドキュメント内 外国語を読む力を構成する要因 (ページ 36-42)