本書は本誌『食品と容器』のシリーズ解説:米の話(第1回~第23回)を別冊にしてまとめたものである。
これまでにも,米に関する成書は数多く出版されてきている。特にサイエンスの部分については不変の真理が論 文に編纂されており,その部分についてはゆるぎない。技術についても同様で,日々改良されている部分はあるが 基本原理はしっかりと不動である場合が多い。しかしながら,近年の社会情勢の変化で“6次産業化”というキー ワードが生まれているように,米周辺でも生産・加工・流通がこれまでに比べてより密接に関連することが求めら れている。これまでの良書と同内容が多々含まれるが,過去の情勢と現在の情勢の違いが反映されていることで,
新しさを感じさせる書を目指した。
ご希望の方は下記あてにお申し込みください。
変形A4版/本文163ページ 定価1,800円
《内容》監修に当たって(奥西智哉)/第1回 イネの原産地と日本への伝播(石川隆二)/第2回 米の生産と 需要動向(農林水産省)/第3回 米の成分(1)粒の生物的形成(増村威宏)/第4回 米の成分(2)澱粉(藤 田直子・阿久澤さゆり)/第5回 米の成分(3)タンパク質(大能俊久)/第6回 米の成分(4)脂質 こめ 油の魅力(浦田貴之)/第7回 米の成分(5)機能性脂質(宮澤陽夫)/第8回 米の品質(1)玄米品質 (山 川博幹)/第9回 米の品質(2)精米(河野征弘)/第10,11,12回 米の加工利用(1)業務用炊飯Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ(平 田孝一)/第13回 米の加工利用(2)家庭用炊飯(加古さおり)/第14回 米の加工利用(3)炊飯米特性の理 化学測定(鈴木啓太郎)/第15回 米の加工利用(4)無洗米(鈴木敬子)/第16回 米の加工利用(5)発芽玄 米(日浦拓也)/第17回 米の加工利用(6)保存食(伊藤秀朗)/第18回 米の加工利用(7)米粉の伝統的利 用(宮本 守)/第19回 米の加工利用(8)米粉の新たな利用(宮本 守)/第20回 米の加工利用(9)酒(古 川幸子)/第21回 米の加工利用(10)米を利用した医薬品(黒田昌治)/第22回 米の加工利用(11)非食利用
(大野 孝)/第23回 世界の米料理(奥西智哉)
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缶 詰 技 術 研 究 会
電話 03(3663)7251 ファックス 03(3663)7253 写真6超 高 齢 化 時 代 の 介 護 食 展 望
(13)スプーン一杯の幸せ提供 が責務
(日食 2014/05/26 日付)
介護も2025年問題が議論され ているが,介護食の視点で最も 配意が必要な食品の2次機能が 世代により大きく異なることだ。
すでに団塊の世代が入所した施 設は,今までの入所者と異なっ た対応が必要になっている。大 正・昭和初期生まれの高齢者と 戦後生まれの高齢者では食習慣 が大きく異なり,今後,ますま すケアの多様化が必要になるこ とから,今から準備しないと間 に合わない。
私が所属している , かながわ 食・栄養ケアサービス研究会で は,長年この多様化する介護食 に対応する方法を調査・研究・
開発した結果,介護食に使用す る食品を次の五つの要素に分け て,この食品の種類と数量を変 えることで料理別の個別化が可 能になることに至った。
(1)カット食品=肉や魚,卵,
野菜などをタイプ別の大きさと 料理に対応した切り方にカット し,軟らかくした食品や粉体,
ピューレー状の食品を言う。
(2)調味食品=料理ごとの おいしさ(特にうまみやかお り)を実現するための「たれ」
や「あん」などの調味した食品 を言う。
(3)つなぎ食品=介護食の 規格(まとまり,すべり)を実
現するために使用する食品を言 う。肉・魚料理別に①豆腐系②
②卵系③山芋系④コメ系などが ある。
(4)とろみ食品=寒天やゼ ラチン,片栗粉,とろみ調整食 品など料理にとろみをつける食 品を言う。
(5)栄養補助食品=(1)
と(2),(3)の食品で必要な 栄養価を取れないときに使用す る特定栄養素の食品を言う。
カット食品は,施設の注文に 合わせた食品(大きさ,切り方)
を一部の会社ではすでに販売さ れている。食材を下処理やカッ トの調理工程は問題の一つだ。
カット食品の流通を実現するた めには数多くの問題・課題があ るが,多くの企業が取り組むこ とで解決できると考えている。
調味食品は,専用調味料や調 味液などの商品名ですでに販売 されている。介護食を高齢者の 嗜し 好に対応するためには肉・
魚・野菜のうまみ成分が含まれ た調味食品になる。
つなぎ食品は,現状この分野 の食品は,販売されていない。
いままでのデータを整理し分析 することで商品化が可能と考え ている。
この五つの食品を攪かくはん拌,成形,
加熱することで個別化対応が可 能になるが,次の2点を解決す ることが必要になり,専門の会 社や先生方の研究・開発が望ま れる。
1 攪拌機
介護保険施設規模で使用でき る攪拌に必要な調理器具は販売 されていない。この機能をミキ サーで対応しているが,素材を 破壊し所定の食事形態を保証す ることが困難で,必要要件は素 材を傷めないで少量の食品(と ろみ食品)を含めて温度管理を し,均一に混ぜることである。
2 成形するための形や色の 検討
今後,ますます多様化する要 介護高齢者の食事サービスに対 応するためには,施設栄養士と 委託栄養士,調理師,調理ス タッフの専門職が役割分担する ことで初めて実現する。各専門 職の役割と仕事の内容を理解し あうことが大切だ。
〈終わりに〉
13年4月から月1回連載して きました。今,現場では口から 食べることが困難になり胃い ろ う瘻に 移行している方が多い。自立呼 吸できる方は,リスクは高いが 口から食べることが可能だ。人 生最期まで口から食べる食事の 提供を目指して関係者が努力す ることが求められている。
食事サービスを支える専門職 は,「スプーン一杯にいっぱい の幸せ」を目指して,利用者に
「明るく,おいしい,楽しい,
幸せ」な食事を提供しましょう。
「トクホと同等の根拠を」 新た な機能性食品表示で消費者委員 会
日本食糧新聞社・日本食糧新聞電子版(http://news.nissyoku.co.jp/)より
業 界 の 話 題
(日食 2014/05/26 日付)
消費者委員会は20日,特定保 健用食品,栄養機能食品以外の 健康食品での機能性表示制度に ついて,消費者庁の検討状況を 聴取した。科学的な根拠があれ ば企業などが独自に機能性を表 示できるようにしていく制度を 消費者庁は目指している。河上 正二委員長は委員の意見などを まとめ,「トクホなどと同等以 上の科学的根拠」「きちんとし た食事がまず必要といった情報 提供」などを求めた。
昨年6月に閣議決定した規制 改革実施計画や日本再興戦略で,
特定保健用・栄養機能食品以外 についても機能性を表示できる 仕組みの構築を定めた。企業や 団体などが科学的根拠をもとに 自ら機能性を訴えられる仕組み を目指し農産物などでも表示を 認めることで,国内農林水産業 の活性化にもつなげる。消費者 庁は12月に「食品の新たな機能 性表示制度に関する検討会」を 設置して5月までに5回の会合 を開き,現行の制度を中心とし た意見交換会を開いていた。
消費者庁の諮問機関である消 費者委員会は行政の動きを監視 する役目を持っていて,今回の 会合では消費者庁の動きを把握 し,意見を出していた。消費者 委員からは「健康増進のために は,1日3度のきちんとした食 事が重要」「科学的根拠があま りないにもかかわらず,機能性 をうたっている健康食品を駆逐 できるのか」「使い方もきちん と説明すべき」「農産物は栄養
素などが経時変化するが,どう 担保するのか」などの意見・質 問が出た。消費者庁は「検討会 は安全性の担保をどうすべきか の議論が終わった段階」として 理解を求めた。河上委員長は,
表示を認めるにはトクホ以上の 科学的根拠を求めている。
ケンコーマヨネーズ,東京海洋 大学寄附講座を公開 鮮度保持 など研究
(日食 2014/05/28 日付)
ケンコーマヨネーズが東京海 洋大学に開設した「サラダサイ エンス(ケンコーマヨネーズ)
寄附講座」が21日,関係者や 報道陣に公開された。13年10 月に同大学の品川キャンパス内 に設置し,14年4月に研究室 を整備した。鮮度保持が難しい 野菜やシーフード類など食材の 研究を行う。設置期間は18年 9月まで。
講座では,サラダまたはサラ ダを構成する食材や調味料につ いて,栄養成分と呈味成分の化 学組成,嗜好性に及ぼす要因,
健全性などを評価し,調理加工 特性や品質保持ならびに制御,
調味料との相互作用などサラダ に関する諸問題とこれらを解決 するための先端技術について研 究を行う。
今年度は,調理工程と食材の 物性との関係やサラダ調理時に 廃棄される葉野菜残さの有効利 用,アミノ酸の新たな機能性な どに着目して研究を進める。
同講座は大学院講座であり,
10月入学者の大学院入学試験 から学生募集に加わる。大学院
講座だが,毎年食品生産科学科 の4年生数人に対して卒論研究 の指導も行う。
ケンコーマヨネーズは“食を 通じて世の中に貢献する”とい う企業理念の下,日本で初めて ロングライフサラダを開発する など「サラダ料理」の確立や,
世界の特徴あるソースの開発な ど,事業領域の拡大に取り組ん でいる。
一方,東京海洋大学は日本唯 一の海洋系大学であり,食品科 学面では栄養や健康に役立つ機 能を引き出し,安全な食品を製 造するための理論や技術的研究 を行っている。特に扱いが困難 なシーフードを取り込んだサラ ダの研究においては,その嗜好 面や保健面を学習する教育機関 が国内に少ないことから,同講 座の開設が分野発展に大きく貢 献するとみられる。
日本フードスペシャリスト協会・
岩元睦夫会長 社会の要請・期待 に的確に応える人材を実社会へ
(日食 2014/06/04 日付)
“和食:日本人の伝統的な食 文化”が昨年末にユネスコ世界 無形文化遺産に登録されました。
栄養バランスに優れ,行事食な ど伝統的に受け継がれている日 本の食文化が,世界的に評価さ れたのは大変意義深いことです。
しかし一方で,現実の食を巡っ ては,安全性の確保,食品表示 の適正化,超高齢化社会への対 応など多くの課題があります。
このような状況を考えますと,
食の専門家としてのフードスペ シャリストへの期待はますます高