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評価項目・臨床検査・評価スケジュール

ドキュメント内 JCOGプロトコールマニュアルver.3.3 (ページ 54-61)

・ 原則として、「登録前」、「治療期間中」、「治療終了後」の 3 つの時期別に、検査項目と頻度(間隔)を明記す る。

・ この章で規定される評価項目、検査項目は、適格性確認や安全性・有効性評価のために実施するものを意 味する。ここで規定された項目のデータがすべて CRF に含まれて収集されるわけではない。すなわち「検査 は行うがデータは収集しない」項目があってもよい。

・ 複数のレジメンや複数のモダリティによるプロトコール治療では、治療期間を複数の時期に区分してもよい。

その場合「8.2.1.化学療法中の検査項目」「8.2.2.放射線治療中の評価項目」のように8.2.を細分する。

・ 評価項目・検査項目の決定にあたっては細心の注意を払い、必要最小限の項目に絞ること。日常診療として 比較的一般的でない検査項目(血清学的・免疫学的・凝固系検査などが多い)には非常に欠測が多く、集計 解析ができない/意味がない事例が極めて多い。一般的でない検査項目については保険適応も含めて参加 施設のすべてで規定どおりの検査が可能であることを必ず確認し、保険適応外の場合は研究費で負担する などの方策を講じること。

・ 検査法、検査項目は一意的に決定されるように記載する。例えば、CTの場合は、単純CT、造影CT、単純ま

たは造影CT、を区別する。

・ RECIST に従う場合、腫瘍縮小効果(奏効割合)がエンドポイントに含まれる試験では、経過中の効果判定は ベースライン評価と同じ検査方法で行わなければならない。従って、該当する試験(多くの試験が該当する)

では、登録前評価において他院で行った画像検査は許容されないことを明記する。

・ 必須項目のみ記載する。「必要に応じて」や「可能なら」という規定を用いると結局欠測値が混入して集計でき ない無駄なデータとなるため。ただし、「○○の場合に」のように条件が明確であれば許容される。

・ 「腫瘍マーカー」のみは不可。「腫瘍マーカー:CEA、CA19-9、CA125」のように特定する。同様に、「血算」、

「肝機能」、「凝固系」のみは不可。

・ 好中球数のデータを収集する場合、幼若好中球を含む全好中球数とするのか、成熟好中球(桿状核球+分 節核球)のみをカウントする ANC(Absolute Neutrophil Count)を用いるのか明記すること。例:好中球数

(ANC:桿状核球+分節核球)

・ 血清カルシウム値の補正について:血清アルブミン値が 4.0 g/dL未満の場合には、米国骨代謝学会が提唱 する補正を使用する(参考文献:Crit Rev Clin Lab Sci 1984:21(1):51-97)。

補正カルシウム(mg/dL)=血清カルシウム値(mg/dL)+(4-血清アルブミン値)×0.8 登録前評価項目

・ 登録前に必要な評価項目を列記する。

・ 検査日の規定については登録日より遡って何日以内までの検査を許容するかを明記すること。「日」で規定 するが、7日、14日、28日など、週単位の規定と一致する方が望ましい。「登録前7日以内」は、1週前の登 録日と同一曜日までを含むこととする。

・ 画像診断や内視鏡検査などの期限は、臨床的な適切さや実施可能性を考慮して決定する。JCOG の標準は 登録日を含まない28日以内である。つまり登録日をday 0としてday -28までを意味する。ただし、進行が遅 いがん種が対象の場合はもっと長い期限を設定することもあり得る。

例)

登録までに行う検査(登録前であれば時期を問わない)

<セット1:B型肝炎、C型肝炎>(JCOG共通)

・ 【HBs抗原陽性例を対象に含む場合】

HBs抗原、HBc抗体、HBs抗体、HCV抗体

※HBs抗原陽性の場合は、HBc抗体、HBs抗体の測定は不要で、HBV-DNA、HBe抗原、HBe抗体を測定す る。また、HBc抗体、HBs抗体の少なくとも1つ以上が陽性の場合は治療開始前にHBV-DNAも測定する。

・ 【HBs抗原陽性例を除外する場合】

HBs抗原、HBc抗体、HBs抗体、HCV抗体

※HBc抗体、HBs抗体の少なくとも1つ以上が陽性の場合は治療開始前にHBV-DNAも測定する(6.4.1参 照)。

<セット2:治療歴>治療歴が必要な場合(試験特有)

1) 治療歴の有無

JCOGプロトコールマニュアルversion 3.3 55/144 2) (治療歴ありの場合)治療内容(モダリティ・レジメン・薬剤)、コース数、中止の有無とその理由(増悪、有

害事象、その他)、治療効果

<セット3:組織型:シンプル>登録時に組織型が必要な場合

1) 組織型

<セット4:組織型:複雑>登録時に組織型に加え、他にも検査が必要な場合

1) 組織型

2) 遺伝子異常:内容(候補)を列記する

3) ホルモン感受性:ER(-/+/2+/3+)、PgR(-/+/2+/3+)

登録前112日以内に行う検査(56日以内/28日以内より長く設定する場合のみ)

登録前56日以内に行う検査(主に画像検査)

登録前28日以内に行う検査(主に画像検査)

・ 56日と28日は画像検査に関する規定

・ 28日が標準だが、がん種や病期によっては56日も許容される。

・ 基本セット以外の内容を追加する場合は、研究事務局に理由を確認する。

<セット1(基本セット):CT、心電図、呼吸機能>

1) 胸部造影CT、上腹部造影CT

撮影部位を規定し、撮影条件、登録時の造影剤の使用可否についての補足を追記する。(記載例)

いずれも他院で行った検査は不可。

造影剤アレルギー、腎機能障害、気管支喘息が原因で造影CTが不可能な場合は単純CTもしくは単純 MRIを許容する。

2) 安静時12誘導心電図 3) 呼吸機能検査:FEV1.0%、%VC

<セット2:CT、心電図、呼吸機能、頭部MRI>

1) 胸部造影CT、上腹部造影CT

撮影部位を規定し、撮影条件、登録時の造影剤の使用可否についての補足を追記する。(記載例)

いずれも他院で行った検査は不可。

造影剤アレルギー、腎機能障害、気管支喘息が原因で造影CTが不可能な場合は単純CTもしくは単純 MRIを許容する。

2) 脳造影MRIまたは脳造影CT/頭部造影MRIまたは頭部造影CT(脳または頭部とするかは試験毎に決 定)

撮影条件、造影剤の使用可否、CTで代用することの可否についての補足を追記する。

(記載例)

T1強調像、T2強調像またはFLAIR像でのaxial、造影T1強調像axial、coronal像、

ペースメーカーや閉所恐怖症などでMRIが不可能な場合はCTでの評価を許容する。

造影剤アレルギー、腎機能障害、気管支喘息で造影が不可能な場合、または造影剤使用拒否の場合は 単純MRIを許容する。

3) 安静時12誘導心電図 4) 呼吸機能検査:FEV1.0%、%VC

<セット3:CT、心電図、呼吸機能、内視鏡>

1) 胸部造影CT、上腹部造影CT

撮影部位を規定し、撮影条件、登録時の造影剤の使用可否についての補足を追記する。(記載例)

いずれも他院で行った検査は不可。

造影剤アレルギー、腎機能障害、気管支喘息が原因で造影CTが不可能な場合は単純CTもしくは単純 MRIを許容する。

2) 安静時12誘導心電図 3) 呼吸機能検査:FEV1.0%、%VC

4) 上部消化管内視鏡、下部消化管内視鏡

JCOGプロトコールマニュアルversion 3.3 56/144 登録前14日以内に行う検査(主に血液検査)

登録前7日以内に行う検査(主に血液検査)

・ 14日と7日は血液検査に関する規定

・ 基本セット以外の内容を追加する場合は、研究事務局に理由を確認する。

<基本セット>

1) 全身状態:PS(ECOG)、体重

2) 末梢血算:白血球数、好中球数(ANC:桿状核球+分節核球)、ヘモグロビン、血小板数 3) 血液生化学:アルブミン、総ビリルビン、AST、ALT、クレアチニン、ナトリウム、カリウム、CRP 4) 腫瘍マーカー:CEA、CA19-9(がん種に応じて変更する)

<化学療法を含む試験のセット>

1) 全身状態:PS(ECOG)、体重

2) 末梢血算:白血球数、好中球数(ANC:桿状核球+分節核球)、ヘモグロビン、血小板

3) 血液生化学:アルブミン、総ビリルビン、AST、ALT、クレアチニン、ナトリウム、カリウム、ALP、LDH、

CRP、カルシウム(アルブミン補正)、CRP、FBS(空腹時血糖)

※補正カルシウム(mg/dL)=血清カルシウム値(mg/dL)+(4-血清アルブミン値)×0.8 4) 腫瘍マーカー:CEA、CA19-9(がん種に応じて変更する)

5) クレアチニンクリアランス(Cockcroft-Gault 式による推定値)

<手術を含む試験のセット>

1) 全身状態:PS(ECOG)、体重

2) 末梢血算:白血球数、好中球数(ANC:桿状核球+分節核球)、ヘモグロビン、血小板 3) 血液生化学:アルブミン、総ビリルビン、AST、ALT、クレアチニン、ナトリウム、カリウム、CRP 4) 腫瘍マーカー:CEA、CA19-9(がん種に応じて変更する)

5) 経皮的酸素飽和度:SpO2

評価期間の定義(必要な場合のみ)

・ 原病の増悪までプロトコール治療を継続する試験では、有害事象や治療経過を密に収集する「観察期間」と 安全性情報のみを取集する「患者追跡期間」とを定義すること。

・ 「観察期間」や「患者追跡期間」を定める場合は、データ収集の項目や頻度を両者で変更してもよい。

・ 評価期間の定義を定める場合は、以下を用いる。

・ 観察期間は、6か月相当(4週×6=24週、3週×9=27週)を基本とする。

1)観察期間

A群: 3コース終了まで(4コース開始前日)まで。

B群: 6コース終了まで(7コース開始前日)まで。

いずれの群においても、観察期間終了前にプロトコール治療が中止された場合はプロトコール治療中止日 までを観察期間とする。

2)患者追跡期間

観察期間終了から死亡もしくは本試験の最終追跡までの期間。

患者追跡期間は以下の2つの期間を含む(通常の「追跡期間」と区別するため「患者追跡期間」という表現 を用いた)。

1)観察期間終了後からプロトコール治療中止まで

2)プロトコール治療中止後から死亡日もしくは本試験の最終追跡まで 治療期間中の検査と評価

・ 治療中の毒性評価、有効性評価に必要な臨床評価項目、臨床検査、画像検査を検査間隔毎に記載する。

・ 検査項目別にまとめるよりも頻度や検査時期毎にまとめることを推奨する。

・ 観察期間を設ける試験では、患者追跡期間中は追跡調査にて有害事象を収集する。

以下に示す安全性評価項目の頻度は最低限のものである。これより密な頻度で検査を行うことや、検査項 目を追加することを禁じるものではない。

ただし、有効性評価項目に関しては、頻度を密にすることで有効性評価にバイアスが生じる可能性が高い ことから、増悪が疑われる場合を除いて、規定の頻度で評価を行うこと。規定された時期以外に行われた検

ドキュメント内 JCOGプロトコールマニュアルver.3.3 (ページ 54-61)