第 5 章 ヒューリスティック法による有用性評価
5.2 評価用システムの構成
ここでは評価に用いるハードウェアとソフトウェアについて説明する。
5.2.1 ハードウェア
評価に用いる情報提示デバイスとして図5.1に示す小型PC(SONY VGN-UX90PS)を 用いた。このPCのディスプレイ部分は図5.2のように上方にずらすことができ、キー ボードを内蔵している。また、このPCは図5.3のように背面にカメラを搭載している。
このカメラで撮影できる動画の最高画素数は30万画素である。表5.1、表5.2にPCと カメラの仕様を示す。また、このPCのディスプレイはタッチパネル液晶になっており、
付属のスタイラスペンでディスプレイをなぞることで操作することができる。つまり、
現場監督がこれまで扱ってきた紙とペンにインターフェースが近いため、操作時の違 和感が少ないと考えられる。また、重量も通常のタブレットPCに比べて約500gと軽 く、携帯性に優れている。このPCを用いて5.2.2項で述べる評価用ソフトウェアを実 行したときの描画速度は平均7fps程度であった。
5.2.2 ソフトウェア
4章では、ラインコードマーカを用いたトラッキングとしてカメラの3次元位置・姿 勢を6自由度で計測する6DOFトラッキング手法とカメラ画像内のマーカの位置や大
図 5.1: 評価に用いるPC(前面・閉)
図 5.2: 評価に用いるPC(前面・開)
図 5.3: 評価に用いるPCとカメラ(背面)
表 5.1: 評価に用いるPCの仕様
CPU インテル Core Solo プロセッサーU1400(1.20 GHz)
メインメモリ 1GB (ビデオメモリー共有) ビデオメモリ 最大128MB (メインメモリー共有) ディスプレイ 4.5型ワイドTFTカラー液晶
OS Microsoft Windows XP Professional
バッテリー駆動時間 4時間
寸法 150.2mm × 38.2mm× 95.0mm
重量 492g
表 5.2: カメラの仕様 有効画素数(静止画) 131万画素
有効画素数(動画) 30万画素
種類 1/4型SXGAプログレッシブ方式CMOSセンサー 最大フレームレート 15fps
レンズの焦点距離 3.8mm
きさ、左右の傾きを基準にする4DOFトラッキング手法を説明した。本研究では、ふ げん発電所において評価を行う部屋を使用できる時間が限られていたため、セットアッ プをなるべく簡便に行いたいという理由と、デモシナリオでは評価者の視点移動をある 程度限定することが可能であるという理由から4DOFトラッキングを行うこととした。
評価に用いるソフトウェアはMicrosoft社「VisualStudio2005」を用いて作成し、開発 言語はC#を用いた。また、CADデータの作成には3Dポリゴンモデラー「Metasequoia」 を用い、その表示にはOpenGLを利用した。ソフトウェアの外観(図5.4)と各ボタン や情報表示部の意味を以下に示す。
① 解体順序の確認モード 解体順序が表示されたCADデータが画面に表示される。図 5.4に示す⑤〜⑧のボタンを押すことで機器の解体順序を確認できる。(図5.5〜図5.14)
② CADデータの切断モード CADデータとして解体した箇所を記録できるモードに なる。切断モードにおいて⑩を選択し、スタイラスペンでCADデータをなぞると切断 した箇所を記録することができる。
図 5.4: ソフトウェアの外観
③ 動画の一時停止 カメラ画像を一時停止させる。スタイラスペンでCADデータを 操作したり、切断したりするときは画像を一時停止させて、手元で操作するほうが扱 いやすい。
④ 解体記録の確認 日付けごとの解体記録を参照できる。(図5.15)
⑤ 解体順序を1日分戻す CADデータの解体順序を1日分戻す。前日の解体順序を 確認したい場合に押す。解体記録の確認時にも使用する。
⑥ 解体順序を1つ戻す CADデータの解体順序を1つ戻す。前の解体順序を確認し たい場合に押す。
⑦ 解体順序を1つ進める CADデータの解体順序を1つ進める。次の解体順序を確 認したい場合に押す。
⑧ 解体順序を1日分進める CADデータの解体順序を1日分進める。翌日の解体順 序を確認したい場合に押す。解体記録の確認時にも使用する。
⑨ CADデータを初期状態に戻す CADデータの表示位置・向き・大きさを初期状態 に戻す。CADデータを操作していて、位置・向き・大きさを初期状態に戻したい場合 に使用する。(図5.16)
⑩ CADデータの切断 CADデータをなぞることでCADデータとして切断箇所を記 録する。これを選択するには②のCADデータの切断モードが選択されている必要があ る。(図5.17)
⑪ CADデータの移動 CADデータを画面と平行に移動する。スタイラスペンでディ スプレイを上下左右になぞるとCADデータも同様に上下左右に移動する。機器の細か い箇所を確認したり切断したりしたい場合にCADデータの拡大表示機能と共に使う。
図5.16)
⑫ CADデータの回転 CADデータを水平方向に回転する。スタイラスペンでディス プレイを左右になぞるとCADデータも同様に左右に回転する。上下方向の回転は操作 が煩雑になるため操作不可とした。機器の裏側を確認したい場合に使用する。(図5.16)
⑬ CADデータの拡大・縮小 CADデータを拡大・縮小する。スタイラスペンでディ スプレイを上下になぞるとCADデータが拡大・縮小する。機器の細かい箇所を確認し たり切断したりしたい場合に利用する。(図5.16)
⑭ 日付表示 表示されている解体順序の日付が表示される。
⑮ 情報表示 ここに解体禁止箇所の警告が文字で表示される。カメラ画像上に文字を 表示させた場合、煩雑になり見にくくなる恐れがあるため、画面上部に表示させる。
⑯ カメラディスプレイ ここにカメラ画像やCADデータが表示される。