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評価委員から出された主な意見・提言・要望

<教育行政全般に関した意見・提言等>

○新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐため、オンライン授業が注目されて

います。現状、義務教育ではオンライン授業が授業日数に含まれないなどの課

題があるようですが、新型コロナウイルスの再拡大期には、学校活動が制限さ

れる可能性があります。オンライン授業も含め、こういう状況下だからできる

ことを、教育委員会のみならず、地域・保護者と一緒になって知恵を絞ること が必要です。コロナ禍にあって、学校行事に関しても、保護者の意見は様々で す。安易に中止にするのではなく、児童生徒たちのため、今何ができるかを考 えることが大切だと感じます。

○教育委員会事務局の事務事業は 29 事業あり、これらが同時に動くというこ とは相当な仕事量があり、この状況で働き方改革や超過勤務の削減を進めてい くことは容易ではないように感じます。

○体育施設・社会教育施設では、新型コロナウイルス感染症対策用の衛生用品 等の設置・配備がなされていますが、災害発生に備えた応急・避難用品の配備 が不十分です。避難所に指定されている施設もあり、頻発する災害発生に備え た対応をお願いしたい。

○コロナ禍を想定しての整備ではありませんが、学校特別教室へのエアコン設 置や、一人一台PC整備、教育委員会会議における感染症対策等への協議など、

きめ細やかな対応により、コロナ禍を乗り越えつつあると感じます。

○ハード事業とソフト事業の融合を考えていただきたい。一人一台PC整備へ の対応として、教職員のICT活用指導力の改善やプログラミング教育導入に 向けた準備が必要であり、成果を出すためのソフト面の充実を期待します。

○生涯学習活動を支える各文化施設は、存続すべき重要な施設であると認識し ています。これらの運営に関して、人件費を含め管理費が多額となっています。

まちづくりを担う施設でもあることから、縦割りを排して、市長部局との連携 を検討するなど、運営手法の改善が求められます。

○評価報告書の各事業は、適切にまとめがされており、取組内容も理解できま した。各事務事業の評価及び総合評価にも異論はなく、適正に事務執行がなさ れていると評価します。

8.評価委員会委員長の総合的な所見

1.<はじめに>

令和元年度の終わりにかけて、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、「学

校の新しい生活様式」への対応や、指導のための工夫や判断など、感染リスク

を考えた衛生管理には通常以上のご苦労があったものと推察します。

はどうあればいいのかといった状況の中で適切に取り組まれており、令和元年 度の事業の成果と課題から、事務局所管事務事業は、総体として適当に執行さ れていると判断します。

2.<事務局所管事務事業について>

(1)情報教育推進基盤整備事業

普通教室に加え、新たに小中学校特別教室にもエアコンを設置し、施設管理 も緊急度の高いものから順次対応していくなど、安全管理に配慮した教育環境 が整えられています。情報教育推進基盤整備事業においては、教育のICT整 備計画に基づき、市内全学校の普通教室に電子黒板、実物投影機、教師用タブ レット端末を設置するなど、各学校の情報教育推進が図られています。

このように時代の状況を先取りした教育環境の整備は、コロナ禍の中での学 習の遅れや、夏休み中の授業に早速対応できる状況をつくりだしました。全国 的に学校のパソコン配置は遅れており、自治体間格差が広がっているとされて います。整備計画に基づき、事業が順調に進められていることを高く評価しま す。

(2)教職員の働き方改革

教職員の働き方改革に精力的に取り組まれています。例えば、安芸高田教育 推進会は、教職員の力量形成に大きな役割を果たしてきた伝統ある組織です。

その効果を保ちながら、スクラップ&ビルドを行い、市主催研修と合同で研修 会を実施するなど、負担軽減とコスト削減に取り組まれました。さらに、教職 員の定時退校、スクールサポートスタッフの配置、部活動指導員の配置など、

学校現場の業務改善を進める取組は、生徒と向き合う時間の確保につながり、

教職員にとって満足度の高いものとなっています。学力向上等、今後一層の「教 育の質」向上に期待します。

(3)郷土(ふるさと)学交流会

安芸高田「郷土(ふるさと)学交流会」は、安芸高田教育の特色ある取組で

す。市内には国の史跡毛利氏城跡、甲立古墳のほか、文化財保護法にかかわる

指定・登録の文化財が 221 件あります。

教育委員会では、子供発掘体験教室の実施、郷土理解学習副読本の活用等の 学習機会や、交流会のような学習環境を提供されています。その中で子供たち は、具体的な体験や事物との関わりを拠りどころとして、感動したり、驚いた りしながら、「なぜ、どうして」と考えを深める中で、実際の生活や社会、自 然の在り方を学んでいきます。

現代に起こる事象というのは、過去とは違うと考えがちですが、人類の長い 歩みがあり、やがて時代ごとに違う常識や違うルールがあることを発見します。

こうして歴史的な視野の中で考えることにより、物事を相対化して複眼的に見 ることを学んでいきます。

このような取組がやがて将来において、その存在と魅力を理解して、景観や 自然環境の保全に努めていくという好循環を作り出し、歴史遺産の保護や活用、

さらには上位計画や市民憲章につながって、地域の活性化となってきます。

以上のような意味を持つ安芸高田「郷土(ふるさと)学交流会」の発展に今 後大いに期待します。

(4)八千代の丘美術館

八千代の丘美術館は、これまで美術館内でのワークショップの開催や、学校 等に出向いての指導など、市民や児童生徒の身近な芸術へ親しむ取組にとどま っていました。しかし、今回の入館作家所蔵作品展は、広島県立美術館で開催 し、その存在や活動を県内外に示す取組となりました。それは活動指標にある 単なる回数ではなく、内容的な充実であり、今後もこのような取組を期待しま す。

3.<事務局所管事務事業に関して改善すべき点>

(1)市民の要望に応える魅力ある事業の創設

これまでの事務事業をみると、一部改善が図られているものの、前年度を踏

襲した毎回同じような事業の評価が繰り返されています。これでは市民からの

要望や要請に応え、関心を持ってもらえるような魅力ある事業は実施できませ

ん。担当者任せや担当課任せにするのではなく、課を越えて社会の変化や市民

の意識をタイムリー にキャッチした魅力ある事業を教育委員会総体として作

(2)複合的効果や経年的変化を意識した事業評価と改善の取組

教育評価をしていく際、難しいのは、一般行政の事業評価シートをそのまま 活用しているため、費用対効果や効率、参加人数、活動回数のみで評価しがち な点です。教育の成果に関する評価は、特定の数値指標だけで評価を行うので はなく、多面的観点から行われるべきであり、定量的な評価(数値で表せるデ ータ) 、定性的評価(数値で表せないデータ)を組み合わせ、分析していくこ とにより、経年的変化を確認した事業評価をして改善の取組につなげなければ なりません。

所管事務事業としての 1 対 1 の対応的な狭い視野から、複合的な効果をいか

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