6−1 分類相互の関係性モデルからシンボル性獲得手法への変換
図 30. シンボル性獲得手法への変換イメージ
象徴の目的 操作部分 設計手法
目的→操作部分→設計手法の流れを明確化
象徴の目的 操作部分 設計手法
共通する設計手法のみ残す 設計手法
現代公共建築におけるシンボル性獲得手法に関する研究および設計提案 第 6 章 設計提案
敷地コンテクスト性
象徴の目的 操作部分
全体構成
屋根
設計手法 自然形態の引用
隣地への応答 軸線の挿入
慣習的な形態
敷地コンテクスト性におけるシンボル性獲得手法
全体構成
軸線の挿入 自然形態の引用 隣地への応答
建築空間の独自性
象徴の目的 操作部分
全体構成
動線空間 構造体
設計手法
異デザインの対比 幾何学形態の挿入
ヒエラルキーの排除
構造表現の強調
建築空間の独自性におけるシンボル性獲得手法
全体構成 異デザインの対比 幾何学形態の挿入 ヒエラルキーの排除 構造表現の強調 動線空間
構造体
現代公共建築におけるシンボル性獲得手法に関する研究および設計提案 第 6 章 設計提案
商業的アイコン性
象徴の目的 操作部分
壁面 開口部
設計手法 色彩の差異 複層的な構成
商業的アイコン性におけるシンボル性獲得手法
壁面 色彩の差異 複層的な構成 開口部
内部機能の表出
象徴の目的 操作部分
全体構成
吹抜け 工作物
設計手法 スケールの拡大
スケールの拡大
求心的な配置 ボリュームの浮遊感
精神性の具体化
内部機能の表出におけるシンボル性獲得手法
壁面 色彩の差異 複層的な構成 開口部
塔状のボリューム 正面性の排除 構成の単純化 全体構成
現代公共建築におけるシンボル性獲得手法に関する研究および設計提案 第 6 章 設計提案
都市的ランドマーク性
象徴の目的 操作部分
全体構成
設計手法
塔状のボリューム 正面性の排除 構成の単純化
都市的ランドマーク性におけるシンボル性獲得手法
塔状のボリューム 正面性の排除 構成の単純化 全体構成
現代公共建築におけるシンボル性獲得手法に関する研究および設計提案 第 6 章 設計提案
前節で設定したシンボル性獲得手法を基に、それぞれ の象徴の目的に対応するコンセプトモデルを作成した。
これら 5 種のコンセプトモデルを結合させるような形で、
次節において設計提案を行う。
6−2 象徴の目的に対応するコンセプトモデル
現代公共建築におけるシンボル性獲得手法に関する研究および設計提案 第 6 章 設計提案
全体構成:幾何学形態の挿入
倒した 8 角柱 3 つを交差させる 動線空間:ヒエラルキーの排除
廊下などの動線空間をボリュームとして立ち 上げ、全体の建築のボリュームと等価に扱う 構造体 :構造表現の強調
構造体を全体ボリュームの外側に設け、外観 にあらわすことで力強さを表現する
建築空間の独自性モデル
現代公共建築におけるシンボル性獲得手法に関する研究および設計提案 第 6 章 設計提案
全体構成:軸線の挿入
正面の文化センターに直行する軸と、この地 域に存在する城跡からこの敷地に延長した軸 の 2 つを用いて L 字の全体形とする
:隣地への応答
南側・西側のボリュームを、周辺住戸に合わ せたスケールに分節する。
屋根 :慣習的な形態
各部分の頂部を勾配屋根とする。
敷地コンテクスト性モデル
現代公共建築におけるシンボル性獲得手法に関する研究および設計提案 第 6 章 設計提案
壁面 :色彩の差異
異なる色の壁面をランダムに配置する。
開口部 :複層的な構成
ガラス面から離れた位置にメッシュを配置し、
バルコニー的空間をつくる。南側・西側はブ リーズソレイユのような奥行きのある開口部 とする。
商業的アイコン性モデル
現代公共建築におけるシンボル性獲得手法に関する研究および設計提案 第 6 章 設計提案
全体構成:スケールの拡大
執務室やホール、議場などの主要機能のボ リュームを肥大化させる。
吹抜け :スケールの拡大
ロビー空間上部にボリュームを貫通する大き なボイドを設ける。
内部機能の表出モデル
現代公共建築におけるシンボル性獲得手法に関する研究および設計提案 第 6 章 設計提案
全体構成:正面性の排除
角を丸めること立面の四周が同樣にみえるよ うにする。
:塔状のボリューム
建物高さを高くした上で、全体を錐体とする。
:構成の単純化
全体をワンボリュームでわかりやすい形態と する。
都市的ランドマーク性モデル
現代公共建築におけるシンボル性獲得手法に関する研究および設計提案 第 6 章 設計提案
6−3 設計提案 - 市庁舎を対象として
【プログラム】
市庁舎および図書館分館、児童館機能
【提案概要】
地上 4 階建て
延べ床面積 : 約 11000 ㎡
【敷地概要】
人口 8 万人規模の郊外の市 敷地面積 13511.14 ㎡
現代公共建築におけるシンボル性獲得手法に関する研究および設計提案 第 6 章 設計提案
現代公共建築におけるシンボル性獲得手法に関する研究および設計提案 第 6 章 設計提案
ホール アトリウム
a aʼ
建物全体で既存広場を囲むように L 字型の配置とし、6 ヶ 所の入り口によって全方向からのアクセスが可能になっ ている。
1 階には主に執務室とホール、図書館分館を計画している。
ホールは既存広場に面して計画することで、内外の一体 的な利用に対応することが可能である。
図書館分館は北側前面道路に面する位置に計画すること で、図書館の様子をファサードとして周囲に見せる。また、
図書館分館部分は庁舎部分とは独立して別利用(利用時 間で区切って利用すること)が可能な計画とした。
執務室
図書館分館
執務室
bʼ b
現代公共建築におけるシンボル性獲得手法に関する研究および設計提案 第 6 章 設計提案
2F 平面図 S=1/600 3F 平面図 S=1/600
議場
2 階は主に執務室と図書館分館、それに付随する創作活動 室を計画した。アトリウムとホールの上部は吹抜けとなっ ており、下階の様子がうかがえる空間となっている。
3 階は主に執務室と議場、児童館機能を計画した。2 階に も計画したホワイエはメインエントランスである北側 ファサードに面した明るい空間として議場などの待合ス ペースになる。
図書館分館
遊戯室
学童保育室 創作活動室
執務室
執務室
ホワイエ ホワイエ
執務室
執務室
a aʼ
bʼ
b b bʼ
a aʼ
現代公共建築におけるシンボル性獲得手法に関する研究および設計提案 第 6 章 設計提案
北東側鳥瞰パース 南西側鳥瞰パース
b-bʼ 断面図 S=1/1000 a-aʼ 断面図 S=1/500
遊戯室 保育室
図書室 創作室
アトリウム 執務室
執務室
執務室 議場
執務室 ホワイエ
ホワイエ
ホール 執務室 執務室
図書室
基本的には 3 層構成の断面計画である。さまざまなシン ボル性要素の組み合わせにより、最上階の天井形状が変 化している。これにより多様な空間が現れる。
現代公共建築におけるシンボル性獲得手法に関する研究および設計提案 第 6 章 設計提案
建物のメインエントランスとし て広場を囲むような L 字型の立 面である。ここでは比較的大き なボリューム同士が噛み合うこ とによってダイナミックな建築 表現としている。その外側に表 された構造体は、さらに建築の 力強さを強調するとともに、線 的な構成によって大味な北側立 面全体を調停するような役割を もっている。
主に施設駐車場側から見える立 面である。構造体・8 角柱・動 線部分などのそれぞれの要素の 見える面積をおよそ同じにし、
形態をあまり重ね合わせず並置 することで、要素同士のヒエラ ルキーを薄める構成とした。こ れにより構造体・8角柱・動線 部分など、それぞれの要素が独 立して、シークエンスとして順 番に見えてくる。
北側立面
東側立面
現代公共建築におけるシンボル性獲得手法に関する研究および設計提案 第 6 章 設計提案
主に住宅街側から見える立面で ある。等間隔に並べられた構造 体とブリーズソレイユに、角度 を振った 8 角柱が貫入していく ことで、線的な要素と面的な要 素のグラデーショナルな変化が 得られるような構成とした。ま た上部の動線部分ボリュームや 塔の方向性により、水平性が強 調されている。
住宅街と北側大通りの両面から 見える立面である。この立面に おいては最も多くの要素を混在 させた。ここではボリュームの 分節や、小さな勾配屋根などの 部分的要素の集積によって構成 することにより猥雑な印象を与 えることを意図している。
南側立面
西側立面
現代公共建築におけるシンボル性獲得手法に関する研究および設計提案 第 6 章 設計提案