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第5章 計画の推進に向けて

1 計画の進行管理

(1)継続的な検証

本計画の計画期間は、平成28年度から平成32年度までの5年間です。

この間の社会情勢の変化や計画の実施状況に適切に対応するため、市で整備した建築物 データの維持・更新を継続して行い、耐震化の進捗を把握するとともに、必要に応じて計 画の見直しを行います。

(2)施策遂行のための制度検討

本計画で示した施策を遂行していくためには、国庫補助の申請、制度要綱の作成、市庁 内組織体制の整備、関係機関との連絡・協議体制の整備等が必要です。

このため、国の補助制度の内容や動向を勘案するとともに、財政・制度面を含めた施策 の実現性の検証を行います。

また、関係機関との調整も図りながら、施策の実効性を高めます。

2 計画の推進体制

(1)広域的な連携体制

埼玉県、県内市町村及び建築関係団体は、下記の協議会等を通じ、情報の共有や各種イ ベントの開催及び災害発生時の体制づくりを進めています。本計画を効果的に推進してい くために、こうした体制を発展させつつ、関係主体が相互に連携して取り組むことが必要 です。

「彩の国既存建築物地震対策協議会」や様々な機会を通して国や県と連携し、情報収集 や連絡調整を行います。また、施策を展開する際には、国や県の補助制度などを有効に活 用するとともに協力要請、要望を実施していきます。

① 彩の国既存建築物地震対策協議会

・県、県内市町村及び建築関係団体で構成する「彩の国既存建築物地震対策協議会」は、

会員相互の綿密な連携の下、住宅及び多数の者が利用する建築物の耐震化の促進を図 ることを目的とし、平成10年1月に創設されました。応急危険度判定士訓練や会員相 互の情報交換等を行っています。

② 緊急輸送道路閉塞建築物等耐震化促進協議会

・大規模地震等の災害発生時に緊急物資の輸送や緊急車両通行に必要な緊急輸送道路の 機能を確保するため、県と県内所管行政庁12市で緊急輸送道路沿道の閉塞建築物の耐 震化促進について意見交換等を実施しています。

(2)地域、関係団体との連携

施策の検討、展開の際には、地域や建築関係団体と協議、連携し、地域・市全体で耐震 化の促進に向けて取り組みます。

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資料編

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用語集

●上尾市災害ハザードマップ

上尾市における各種の自然災害による被害を予測し、その被害範囲を地図化したもの。

●応急危険度判定士

応急危険度判定とは、地震により被災した建築物を調査し、その後に発生する余震などによる 倒壊の危険性や外壁・窓ガラスの落下、付属設備の転倒などの危険性を判定することにより、

人命にかかわる二次的災害を防止するために行うもので、応急危険度判定士は、その判定に協 力していただける講習の受講などを経た民間の建築士等の方々で、都道府県が養成、登録を行 っています。

●住宅の応急修理制度

災害のため住居が半壊、半焼の被害を受け、そのままでは居住できない場合であって、応急 的に修理すれば居住可能となり、かつ、その者の資力が乏しい場合に、自治体が必要最小限 度の修理を行う災害救助法に基づく制度。

●感震ブレーカー

大震災による停電後の通電による出火を防ぐため、設定値以上の震度の地震発生時に自動 的に電気の供給を遮断するものであり、各家庭に設置することで出火を防止し、他の住宅 等への延焼を防ぐもの。感震ブレーカーには、分電盤型やコンセント型などがあります。

●旧耐震基準

昭和 56 年5月 31 日以前に着工して建てられた建築物の建築基準法の地震に対する構造の 基準。震度5強程度の揺れでは建築物が倒壊せず、破損したとしても補修することで継続 使用が可能な構造基準として設定されたもの。

●緊急輸送道路

震災時の救命救急活動や物資輸送を行う際の重要な役割を担う幹線道路。地域防災計画で 指定されています。

●建築物の定期報告

建築物の安全性を確保することを目的として、建築基準法第 12 条の規定に基づき、一定の 建築物や昇降機などの所有者・管理者に義務付けられた定期的な調査・検査、及びその結 果を報告すること。定期調査・検査報告には、特殊建築物等の定期調査、建築設備の定期 検査、昇降機等の定期検査があります。

●構造耐震指標(Is値)

耐震診断で非木造建築物が保有する耐力を表す指標。過去の地震被害の研究からIs値が 0.6 以上ある建築物は、震度6強程度の大地震に対して、建築物が倒壊や崩壊する危険性は 低いと言われています。

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●災害時要配慮者

高齢者、乳幼児、障がい者などの災害対応力の弱い人、言葉や文化の違いから特別の配慮 を要する外国人など、災害時の避難など防災上何らかの配慮を要する方。

●自主防災組織

震災から地域社会を守るため市民が自主的に結成した組織。市および防災関係機関が育 成・指導している。市内の町会・自治会等を単位として組織化されており、市は活動に対 する各種の支援を行っています。

●住宅性能評価制度

住宅の性能を統一された表示ルールで比較できるように表示を行うことを定めた制度のこ と。「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づく制度で、住宅取得者が 前もって住宅性能の違いを比較できるように、10 項目の設計・施工の性能を等級により具 体的に明示します。

●新耐震基準

建築基準法の改正により、昭和 56 年6月1日から導入された基準で、それ以前の基準を旧 耐震基準といい、区別しています。新耐震基準は、中規模の地震(震度5強程度)に対し ては構造体を無被害にとどめ、極めてまれに遭遇するような大地震(震度6強程度)に対 しては人命に危害を及ぼすような倒壊等の被害を生じないことを目標に、大地震時に必要 な保有水平耐力(建築物が地震による水平方向の力に対して対応する強さ)を建築物が保 有しているかどうかを検討するように規定しています。

●長期優良住宅認定制度

「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が平成 21 年に施行され、長期にわたり良好な 状態で使用するための措置が講じられた「長期優良住宅」の建築及び維持保全に関する計 画を認定する制度が創設されました。長期優良住宅の基準に適合すると認定を受けた住宅 については、長期優良住宅建築等計画に基づき建築され、維持保全が行われます。

●通行障害建築物

耐震改修促進法第5条第3項第2号に定める建築物。地震によって倒壊した場合に、接す る道路の通行を妨げ、多数の者の円滑な避難を困難とするおそれがあるものとして、施行 令第4条で該当する建築物の高さを定めています。

●特定既存耐震不適格建築物

耐震改修促進法第5条第3項第1号に規定された、地震に対する安全性に係る建築基準法 等の耐震関係の規定に適合しない既存耐震不適格建築物のうち、耐震改修促進法第 14 条に 定める、学校、病院、老人ホーム、幼稚園、保育園、物品販売業を営む店舗などの多数の 者が利用する一定規模以上の建築物。そのうち、民間が所有するものを、「民間特定既存 耐震不適格建築物」としています。

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●特定建築物

用途・規模用件が特定既存耐震不適格建築物と同じ、多数の者が利用する全ての建築物。

そのうち、民間が所有するものを、「民間特定建築物」としています。

●防災査察

建築物の点検検査や適正な維持管理による安全の確保、建築物の所有者や管理者等の防災 意識の高揚、安全管理意識の普及啓発及び建築物における事故予防の注意喚起を目的とし て、建築物の状況を調査し、必要に応じて助言や指導を行うもの。

●要緊急安全確認大規模建築物

病院、店舗、旅館等の不特定多数の方が利用する建築物及び学校、老人ホーム等の避難に 配慮を必要とする方が利用する建築物のうち、平成 25 年 11 月の耐震改修促進法の改正に より耐震改修促進法附則第3条に定められた一定の大規模なもので、平成 27 年 12 月 31 日 までに耐震診断結果の報告が義務付けられた建築物。

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