1 各主体の役割
『第4次いわき市障がい者計画』の推進にあたっては、各主体の連携・協調のも と、震災からの復興に向けたまちづくりを推進しながら、障がいの有無に関わらず、
誰もが安心して地域で生活できるための支援体制の構築を進め、社会全体で障がい のある方を支え、自立と社会参加を支援する必要があります。
障がい者施策については、障がい者の自己決定を尊重しながら、個々のニーズに 対応できるようなサービスが必要であり、障がい者が自らの能力を最大限に発揮し 自己実現できるよう、生活基盤の整備や相談体制の充実などが求められます。
また、この社会を実現していくためには、行政のみならず、市民の理解と協力が 必要であり、さらに市内の企業や団体等、すべての社会構成員が一体となって取り 組んでいくことが必要です。
⑴ 行政の役割
市は、国や福島県、関係機関と協力し、行政機関だけではなく、様々な主体 と連携した支援のネットワークを強化し、障がいのある方が地域で安心して生 活できる仕組みづくりを推進します。
⑵ 障がい者団体等の役割
各団体等と地域との連携を進め、当事者の活動や生活支援の促進を図り、障 がいのある方の社会参加と自立を推進していくことが期待されます。
⑶ 企業等の役割
障がいのある方の自立した生活に向け、雇用の拡大を図るとともに、地域や 社会を構成する一員として、障がいのある方が住みやすい地域や社会づくりへ の取り組みが期待されます。
第5章
⑷ 地域の役割
市民、団体、企業等の様々な主体で構成される地域については、震災を契機 に地域内での繋がりの重要性が再認識されたことから、誰もが互いにつながり ながら、障がいがあっても安心して生活できる環境づくりに取り組むことが期 待されます。
⑸ 市民の役割
障がいのある方やその家族が、地域のなかで孤立することのないよう、市民 一人ひとりが、障がいのある方に対する正しい理解と意識をもって、誰もが互 いにつながり、支え合いながら、安心して生活できる社会づくりに向けて努力 していくことが期待されます。
2 推進体制
⑴ 自立支援協議会
障害者総合支援法に基づき設置されている自立支援協議会は、障がいのある 方の自立支援、地域生活支援を推進していくためのシステムづくり及びネット ワークづくりの協議の場としての機能を果たす必要があります。
⑵ 専門部会
自立支援協議会と連携し、事業実施における関係機関相互のネットワークを 強化します。さらには、検討事例等の課題共有、併せて課題解決への取り組み を検証、反映することで、障がいのある方の生活を支援するサービスの中立・
公平性の確保と質の向上を図り、本市における障がい者福祉の向上に取り組 んでいきます。
⑶ 行政
行政において、国、県、社会福祉法人、市民活動団体及び事業者との連携と 協力体制の構築、市民、障がい者団体、事業者と連携、協力して計画に基づく 施策の推進を図ります。
また、計画についての評価や、必要に応じて見直しを行い、次の計画や施策 等に反映させていきます。
■ 第6章 ■ 施策体系(計画の構成)等
1 計画の構成
本市では、基本理念である「ともに生きる社会」をより具体的に実現していくた め、障がい者施策を6つの分野に分け、障がい者計画の推進にあたってきました。
国の「第3次障害者基本計画」においては、10の分野へ見直しを行っています が、いずれの施策についても、従来、市が掲げた6つの施策分野で整理することが 可能であることから、新計画においても引き続き6つの施策分野を定めることで、
障がい者施策の推進にあたっていくこととします。
施策分野1 啓発・広報 施策分野2 生活支援 施策分野3 保健・医療 施策分野4 生活環境 施策分野5 教育・育成 施策分野6 雇用・就業
第6章
2 国における施策分野
国においては、障害者基本法の条文に基づき、15の分野に分け、さらに10の分 野へ見直しを行っています。
【障害者基本法】
【国の障害者基本計画における分野別施策】
1 医療、介護等 2 教育
3 療育
4 職業相談等 5 雇用の促進等 6 住宅の確保
7 公共的施設のバリアフリー化
8 情報の利用におけるバリアフリー化等 9 相談等
10 文化的諸条件の整備等 11 防災及び防犯
12 消費者としての障害者の保護 13 選挙等における配慮
14 司法手続における配慮等 15 国際協力
第 14 条関係 第 16 条関係 第 17 条関係 第 18 条関係 第 19 条関係 第 20 条関係 第 21 条関係 第 22 条関係 第 23 条関係 第 25 条関係 第 26 条関係 第 27 条関係 第 28 条関係 第 29 条関係 第 30 条関係
【新設】
【新設】
【新設】
【新設】
【新設】
【新設】
1 生活支援 2 保健・医療
3 教育、文化芸術活動・スポーツ等 4 雇用・就業、経済的自立の支援 5 生活環境
6 情報アクセシビリティ 7 安全・安心
8 差別の解消及び権利擁護の推進 9 行政サービス等における配慮 10 国際協力
3 本計画と国の施策分野との関係
いずれの施策についても、従来、市が掲げた6つの施策分野で整理することが可 能であることから、本計画においては、従来の6つの施策分野を基本とし、障がい 者計画の推進にあたっていくこととします。
※ 推進体制の「2 広報・啓発活動の推 進」として整理
3 教育、文化芸術活動・スポーツ等 6 情報アクセシビリティ
8 差別の解消及び権利擁護の推進 9 行政サービス等における配慮 1 生活支援
3 教育、文化芸術活動・スポーツ等(再)
4 雇用・就業、経済的自立支援 6 情報アクセシビリティ(再)
7 安全・安心 2 保健・医療 5 生活環境
7 安全・安心(再)
9 行政サービス等における配慮(再)
2 保健・医療(再)
3 教育、文化芸術活動・スポーツ等(再)
2 保健・医療(再)
3 教育、文化芸術活動・スポーツ等(再)
4 雇用・就業、経済的自立支援(再)
啓発・広報
生 活 支 援
保健・医療
生 活 環 境
教育・育成
雇用・就業 啓発・広報
生 活 支 援
保健・医療
生 活 環 境
教育・育成
雇用・就業 1
2
3
4
5
6
障がい者計画
後期行動計画 今 回 国
※ 次の施策については、国レベルの施策であることから除きます。
10 国際協力
※ 国の分類においては、推進体制中の「2 広報・啓発活動の推進」の中に位置づ けられていますが、障害者基本法等の基本原則、基本理念、視点に係る啓発等は 不可欠であることから、本市では「啓発・広報」を施策分野に位置づけることと します。
第6章
1 全ての市民が、障がいの有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけが 2 全ての市民が、障がいの有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個 3 可能な限り、その身近な場所において必要な支援を受けられること。
4 社会参加の機会を確保すること。
5 どこで誰と生活するかについての選択の機会が確保され、地域社会において他の 6 社会的障壁を除去すること。
【視点1】アクセシビリティの向上 ⑴ 「共に生きる社会」の理念普及
⑵ コミュニケーション及び意思疎通支援体制の充実 ⑶ 障がいを理解するための福祉教育の推進
⑷ 住宅、建築物等のバリアフリー化の推進 ⑸ 就業支援及び生活支援施策の推進
⑹ 障がい者スポーツ、文化芸術活動の振興
【視点2】障がい者の自己決定の尊重及び当事者本位の総合的な支援 ⑴ 障がい福祉サービス等に係る情報提供の充実
⑵ 当事者本位の相談支援、生活支援体制の整備 ⑶ 障がい者ケアマネジメント体制の確立
⑷ 権利擁護、成年後見制度に関する啓発及び推進
⑸ 「個別の教育支援計画」を活用した特別支援教育の推進 ⑹ 多様な就労の場の確保
【視点3】障がいの種別、程度等を考慮した総合的なサービスの提供 ⑴ 障がい福祉サービス等の充実
⑵ 障がいの早期発見・早期療育の充実 ⑶ 障がいの原因となる疾病等の予防 ⑷ リハビリテーションと医療の充実
⑸ 障がい特性に応じた地域保健事業の充実 ⑹ 社会的及び職業的自立の促進
【視点4】関係機関、計画、施策との相互の緊密な連携 第4次障がい者計画
3 本計画の位置づけ等
⑴ 計画の位置づけ
第4次障がい者計画は、『新 いわき市総合計画』を踏まえながら、『いわき市地域福 祉計画』、『高齢者保健福祉計画』、『新・いわき市子育て支援計画後期行動計画』、『健康 いわき 21』等の本市の関連する諸計画と連携し、保健福祉をはじめとする様々な分野に わたる障がいのある方に関する施策を総合的に推進するための計画として策定します。
【基本理念】 「すべての市民が、相互に人格と人権を
計画における4つの視点
基本目標
ア 「共に生きる社会」の理念普及
イ 障がい特性に配慮した一層の理解促進 ウ 多様な媒体を活用した啓発・広報の推進 エ 障がいを理解するための福祉教育の推進 オ 障がい福祉サービス等に係る情報提供の充実 カ ボランティア活動の推進
キ 権利擁護、成年後見制度に関する啓発及び推進 ア 当事者本位の相談支援、生活支援体制の整備 イ 障がい者ケアマネジメント体制の確立
ウ 障がい福祉サービス等の充実 エ 地域移行の推進
オ 障がい者スポーツ、文化芸術活動の振興 カ コミュニケーション及び意思疎通支援体制の充実 ア 障がいの早期発見・早期療育体制の一層の充実 イ 障がいの原因となる疾病等の予防
ウ リハビリテーションと医療の充実 エ 精神保健福祉の推進
オ 障がい特性に応じた地域保健事業の充実 ア 住宅、建築物等のバリアフリー化の推進 イ 地域における暮らしの場の確保
ウ 施設等における安全体制の確保 エ 災害発生時における支援体制の確保
オ 地域における日ごろの防災、防犯体制の推進 ア 一貫した療育支援体制の充実
イ 障がい児保育、特別支援教育充実のための人材 ウ 「個別の教育支援計画」を活用した特別支援教育 育成 の推進エ 社会的及び職業的自立の促進
オ 生涯学習活動の充実
ア 就業支援及び生活支援施策の推進 イ 多様な就労の場の確保
ウ 一般就労への移行促進の支援体制の充実 エ 福祉的就労の充実
各分野に位置づけられる施策の基本的方向性 6つの施策分野
啓発・広報
生活支援
保健・医療
生活環境
教育・育成
雇用・就業
えのない個人として尊重されるものであること。
性を尊重し合いながら共生する社会を実現すること。
人々と共生することを妨げられないこと。
第6章