• 検索結果がありません。

訂正を前提にした侵害訴訟判決

ドキュメント内 審判制度に関する今後の諸課題の調査研究 (ページ 98-200)

1.特許権侵害訴訟 特許の訂正

(1) めに

特許権侵害訴訟の係属中に 当該特許権に い 特許無効審判請求に ける訂正の請 求又 訂正審判請求 される事例 見られる これらの訂正に関する請求 特許無効審 判請求又 特許権侵害訴訟に ける特許 無効 ある旨の主張に対する対抗策 し され

る の ある 訂正 認められる 出願時にさかの 権利の内容 変わるため

特許権侵害訴訟 大き 影響を け るを得 い そのため 特許権侵害訴訟を審理する

裁判所 訂正に関する請求 される その見通し等を含め 当該請求に配慮した進

行 必要に る

そこ 本稿 特許権侵害訴訟の係属中に 当該特許権に い 特許無効審判請

求に ける訂正の請求又 訂正審判請求 された場合に い 裁判所 訴訟の進行に配 慮すべき事項に い 考察するこ する

1

この問題を考えるに当た 特許権侵害

訴訟に ける無効主張の扱い一般に い の考察 か いの ま 特許権侵害訴

訟に ける無効主張の扱いに い 総論的に考察し その中 訂正 の関係に い 触 れ 次に 特許権侵害訴訟の係属中に訂正に関する請求 された場合に ける個 的 ケ ヴス の扱いに い 考察し 最後に特許権侵害訴訟に ける判断 無効審判請求に ける判断 食い違 た場合の扱い 再審 に い 考察するこ する

( ) 特許権侵害訴訟に ける無効主張の扱いに い

( )特許法 104条の 3 第1項の規定

特許法104条の 3第1 項 特許権又 専用実施権の侵害に係る訴訟に い 当該 特許 特許無効審判により無効 されるべき の 認められる き 特許権者又 専用

実施権者 相手方に対しその権利を行使するこ き い 規定する この規定

平成16 年の特許法改正 平成 16年法 第 120 号 によ 設けられた規定 平成 17 年 4 月 1 日時点 口頭弁論 終結し い い事件に適用される 改正附則 1 条~3 条参

1

特許権侵害訴訟の係属中に当該特許権に 特許無効審判請求に ける訂正の請求又 訂正審判請求 された場合

ける扱いに ,本文に記載した拙稿のほか,牧 利秋 キルビヴ最高裁判決その後 グュ

リスト1295180 平成17 ,牧 利秋ほか 談会 知的財産高等裁判所設置法及び裁判所法等の一部を改正 する法 知財管理554472頁[大渕哲也発言] 平成17 ,塩月秀平 侵害訴訟 無効審判請求の 関係 知的財産訴訟の動向 課題 金融・商事判例1236 号 86 平成 18 部眞規子 特許法 104 条の 3を考 える 知的財産法政策学研究 123 平成 18 ,高林龍 無効審判に ける審決取消訴訟 侵害訴訟の果たすべき役 知財年報2006[ 冊NBL116 号] 平成 18 ある

照 した 現段階 この規定の適用の い侵害訴訟 い 言 よい あ ろう

( )特許法 104条の 3第 1項 きるま の経緯

特許法 104 条の 3 第 1 項の規定 きるま に 次のよう 経緯 あ た

最高裁平成 10年 オ 第 364 号平成 12 年 4 月 11 日第三小法廷判決・民集 54 巻 4 号 1368

頁 いわゆる富士通半導体訴訟判決 特許の無効審決 確定する以前 あ

特許権侵害訴訟を審理する裁判所 特許に無効理由 存在するこ 明らか あるか否 かに い 判断するこ きる 解すべき あり 審理の結果 当該特許に無効理由 存在するこ 明らか ある き その特許権に基 く差止め 損害賠償等の請求

特段の事情 い限り 権利の濫用に当たり許され い 解するの 相当 ある 判

示したこ により 特許権侵害訴訟に い 裁判所 特許に無効理由 存在するこ

明らか ある 認めた き 権利行使を認め 請求を棄却するこ きるように

た た し 特段の事情 ある き この限り い され 特段の事情 し 訂正審 判の請求をし いるこ 例示され いた

この判決の後 特許権侵害訴訟を審理する裁判所 特許に無効理由 存在するこ 明らか ある し 請求を棄却した事例 多くある これら 特許に無効理由 存在 するか うかを慎重に見極め 明らか ある 認められる のに い 請求を棄却 した の あ 上記判例に従 要件を判断し 請求を棄却した の ある 拙稿 特 許権侵害訴訟の係属中に明細書又 面を訂正する手続 された場合の実務上の問題 永 井紀昭ほか編 知的財産権 その形成 保護 秋 稔弘先生喜 記念論文集 267 頁 平 成 14 年 以下 前稿 言う 上記判例の下に ける 特許権侵害訴訟に ける 無効主張 訂正 の関係に い 検討した の ある

( )特許法 104条の 3第 1項の解釈

司法制度改革推進本部の知的財産訴訟検討会に い 特許権侵害訴訟に ける無効主 張の扱い 検討された結果 特許法 104 条の 3 設けられた この規定によ 判例の

明らか ある の要件 く た 当該特許 特許無効審判により無効 され

るべき の 認められる の要件 存するから 当該特許 特許無効審判により無効

されるべき の ある 認められる場合 い 請求を棄却するこ き いこ

た この要件 実質的に 上記判例の 明らか ある の要件 の間に違い ある 考えられ い そのため 特許権侵害訴訟を審理する裁判所に い 特許 無 効 あるか しれ い 当該特許 特許無効審判により無効 されるべき の 認め られる の要件 ある ま 認められ い いう場合 生 るこ 否定 き い

の 思われる 上記判例の下 特許権侵害訴訟を審理する裁判所に い 特許 無

効 あるか しれ い 特許に無効理由 存在するこ 明らか ある ま 認

められ い場合に 特許無効審判請求の動向を見る いうこ され いた 特許法

104 条の 3 の下 特許無効審判請求の動向を見 判断するの 相当 場合 あり得る 思われる この場合 特許無効審判請求 され い い 特許無効審判請求の動向を

見るこ き 当該特許 特許無効審判により無効 されるべき の 認められる

の要件 ある ま 認められ けれ 請求を認容 るを得 く るの 特許無効 審判請求をするか うか 当事者の判断に係るこ ある 特許権侵害訴訟に ける無 効の主張 に特許無効審判請求をする意味 ある の 考えられる

( )特許法 104条の 3第1項 訂正 の関係

特許法104条の 3第1 項 特許無効審判請求に ける訂正の請求又 訂正審判請求 の 関係に い 特許法 104 条の 3 に 上記判例の 特段の事情 に相当する文言

い 無効理由 あ 訂正 認められ 権利 有効に るの あれ 当該特許

特許無効審判により無効 されるべき の 認められる 言え いから 特許権侵害

訴訟を審理する裁判所 訂正に い 訂正要件 あるか うか 独立特許要件 あ

るか うかを審理判断するこ きる 言うべき ある そし 特許無効審判請求に

け る 訂 正 の 請 求 又 訂 正 審 判 請 求 に い 特 許 庁 の 判 断 出 さ れ い る 場 合 あ

いま 判断 され い い場合 あ 特許権侵害訴訟を審理する裁判所 訂

正の可否に い 審理判断するこ きる 言うべき ある 知的財産高等

裁判所に い 既に訂正 認められる の判断 示され 確定し いるよう 場合 訂 正 認められる の前提 判断するこ に ろう

2

特許権侵害訴訟を審理する裁判所 以上のように訂正の可否に い 判断 きるの ある 事案によ 前記( ) 述べたように 特許無効審判請求又 訂正審判請求 の動向を見る いうこ 考慮され よい の 思われる

以上のように 特許権侵害訴訟を審理する裁判所 訂正に い 考慮し 訂正の 可否に い 判断するために 飽くま 特許無効審判請求に ける訂正の請求又 訂 正審判請求 され い けれ ら い 訂正の請求又 訂正審判請求 され い い場 合に 訂正を考慮するこ き い 訂正の請求又 訂正審判請求 され い い 訂正をすれ 有効に る 考えた きに 裁判所 訂正をし うか の積極的 求釈

明をするこ 裁判所 し 裁判の公平性 いう観点から抵抗 ある 特許の有効

2

審決 確定し いる場合に特許権侵害訴訟に 当事者 それに反する主張をするこ きるか いう問題

訂正審判請求に 訂正を認めた審決のように,後に無効審判請求に 争う余地のある ,当該審決

確定した ,特許権侵害訴訟に 当事者 それに反する主張 訂正 認められ い旨の主張 をするこ

きるこ 明らか ある しかし,特許無効審判請求の審決 確定する ,何人 同一の事実及び同一の証拠に基

審判を請求するこ いこ 特許法167 から,特許権侵害訴訟に 当事者 それに反する

主張をするこ きるか うか 問題 この点に ,同一当事者間 ,民訴法 2条の趣旨により許され

する ,前掲牧 利秋 キルビヴ最高裁判決その後 185 頁

性に問題 ある いうこ を示唆するこ くらいしか き い の 思われる

( )訂正に い の特許権侵害訴訟に ける判断 審判請求に ける判断 の食い違い 最終的に 特許権侵害訴訟 特許無効審判請求 知財高裁の同 合議体に い 統一

的に判断される 知財高裁の取扱い し 同 合議体 判断するこ し いる の

あるから 特許権侵害訴訟 特許無効審判請求の時期 大きく異 るよう 場合を除い 最終的に食い違い 生 る いうこ 考え難い

訂正に い 訂正に い の審判の判断 特許権侵害訴訟の判断 最終的に食い違

う いうこ 同様の理由によ 考え難い

そう い 第一審や特許庁の審判 い た段階 食い違いを避けるの 望まし

いし 知財高裁に い 特許権侵害訴訟 特許無効審判請求の時期 大きく異 る い た場合 あるから 特許法 104 条の 3 第 1 項の判断に当た 上記の り 特 許無効審判請求又 訂正審判請求 う るか いうこ に十分に注意を払 判断する こ 必要 ある 思われる

ドキュメント内 審判制度に関する今後の諸課題の調査研究 (ページ 98-200)

関連したドキュメント