第 4 章 本分析フレームワークのケーススタディ
4.2 気流環境変化による知的生産性変化のデータ解析
4.2.3 解析方法
本解析で用いた、各モデル構成要素の計測手法、実験統制方法、構成要素の統計的 な算出手法、構成要素間の影響評価手法を述べる。
4.2.3.1 各モデル構成要素の計測手法
本解析も、照明環境の解析と基本的に共通しており、特に理由のない限り照明環境 と同様の解析方法をとった。
知的生産性の計測手法
知的生産性の計測手法はCTRを用いた。
覚醒の計測手法
覚醒の計測は、行われなかった。
疲労の計測手法
疲労の計測は、自覚症しらべを用いた。
気分の計測手法
気分の計測は、行われなかった。
ストレッサ評価の計測手法
ストレッサ評価の計測手法は、執務環境に関する主観評価を用いた。
個人特性の計測手法
人口統計学的属性調査には、性別、年齢を問う調査票を用いた。執務環境の好み調 査を、環境耐性を項目に持った本解析者が独自に作成した質問紙で行った。朝型-夜型
(Morningness-Eveningness)質問紙を、項目をそのまま用いて行った。また、個別基準
値には、個人の知的生産性と内的状態要因の計測データから平均値を算出して用いた。
環境感度には、環境条件ごとの個人の知的生産性と内的状態要因の計測データから平 均値を算出して用いた。
4.2.3.2 実験統制方法 時間帯の統制方法
実験では、実験では、執務環境条件を日単位で変化させ一日の計測スケジュールを 同じにし、執務環境変化間で同じ時間帯に計測した項目を比較することで、時間帯に よる変動を統制しており、妥当な方法であると言える。
実験参加者の統制方法
実験では、実験参加者の統制には、執務環境条件を変化させる間に同じ実験参加者 を用い、執務環境変化間で同じ実験参加者グループを用いた方法を取っており、統制 方法として妥当であると言える。
順序効果の統制方法
実験では、順序効果の統制には、実験参加者をグループに分け、それぞれの条件変 化の順番を交互に設定し、カウンターバランスを考慮した日程を設定しており、統制 方法として妥当であると言える。
4.2.3.3 構成要素の統計的な算出手法
正規化
知的生産性の計測指標であるCTRについては、分析の前処理として正規化を行った。
用いた方法は、計測対象者ごとのセンタリングである。
因子分析
自覚症しらべ、執務環境に関する主観評価については、計測データの種類が多いた め、それを要約する因子分析を実施した。
クラスター分析
個人特性によるメカニズムの違いを見るため、似た個人特性をもつ実験参加者どう しでグループ分けをするため、個人特性の各計測手法で得られる変数すべてを用いて 行った。
決定木(回帰木)
本解析の条件変化により知的生産性が向上するかしないかによるメカニズムの違い を見るため、目的変数をCTR差(CTRの環境感度)に設定し、説明変数に残りの個 人特性の各計測手法で得られる変数すべてを用いて行った。
4.2.3.4 構成要素間の影響評価手法
構成要素間の影響評価手法には共分散構造分析を用いた。本解析で用いた計測デー タは基本的に量的データで構成され、また、4、5グループに分割したとしても統計処 理が行えると考えられるサンプル数だからである。
表 4.13: 気流環境変化での自覚症しらべの因子負荷量 因子1 因子2
あくびがでる 0.635 0.122
ねむい 0.551 0.232
やる気が乏しい 0.703 0.211 横になりたい 0.725 0.261 全身がだるい 0.640 0.308 ものがぼやける 0.559 0.485 目がしょぼつく 0.522 0.607
目が乾く 0.137 0.877
目が痛い 0.220 0.649
目が疲れる 0.390 0.705