3. Fタームの概要
3.3 Fタームの構成
3.3.3 観点の設け方
Fタームを用いて検索するには、観点の構造を理解することが重要であり、そのためには、前記 の「FI適用範囲」について理解しておくことが必要であるが、「FI適用範囲」の設定の背景、すな わちどのように観点が設けられているかを理解することができれば、さらにFタームが利用しやす くなる。
観点の設定の仕方については、技術分野(テーマ)毎に異なるが、典型的な例を3つ挙げると以 下のとおりである。観点の設け方はここで示す例に限られる訳ではなく、また、個別のテーマがど
ついたことを付せんに書き留めていき、ある程度付せんが溜まったところで、それらをグルーピン グしていく手法とよく似ている。
このように作成されたFタームリストを用いてFタームを付与する際には、公報に記載された発 明の内容をみて、例えばBの視点に属する特徴点b2があればFタームb2を付与し、Dの視点に属 する特徴点d3があればFタームd3を付与するという具合になる。
検索の際には、注目する特徴点に応じて、特徴点b2を検索したければFタームb2を用いて検索 し、特徴点d3を検索したければFタームd3を用いて検索することとなり、単独のFタームによる 検索が主体となる。観点BとDに技術的関連がある場合等は、Fタームb2とd3の論理積を生成す る検索もあり得る。
このスタイルのFタームリストは、単観点により細分化される傾向があるため、観点毎にFI適 用範囲が異なっていることが多い。
図 16 タイプ1の技術分野を模式的に表した図
図 17 タイプ1の技術分野のFタームリストのイメージ
図 18 タイプ1の技術分野のFターム付与のイメージ
3.3.3.2 発明の特徴点を技術要素の組合せにより類型化した観点
発明の特徴点が、複数の技術要素(構造、機能、使用素子、材料等)の組合せで表現でき、かつ、
特徴点をタイプ1のように類型化すると極端に数が多くなってしまう技術分野(タイプ2)において 採用されている。具体的には、組成物、制御等の分野に多く見られる。
この分野におけるFタームリストは、発明の特徴点を構成する複数の技術要素に対応する観点を 設け、発明の特徴点を複数の観点から選ばれるFタームの組合せで表現するように作成される。
このような構成をとるFタームリストを用いてFタームを付与する際には、公報に記載された発 明の内容をみて、それがa2×b1×c2×d3の組合せで表現されれば、Fタームa2、b1、c2、d
3を付与するという具合になる。
検索の際には、注目する特徴点に応じて、まずは、Fタームa2×b1×c2×d3の論理積で検索 し、その検索式により引例を発見できなければ、適宜検索式を修正して(例えば、a2×b1×c2と する等)サーチ範囲を広げていくのが一般的である。
このスタイルのFタームリストは、多観点の検索インデックスとしての特徴を大いに活用するも のである。Fタームを統制語のように用いることが大きな特徴である。
図 19 タイプ2の技術分野を模式的に表した図
図 20 タイプ2の技術分野のFタームリストのイメージ
図 21 タイプ2の技術分野のFターム付与のイメージ
3.3.3.3 タイプ1とタイプ2の中間的または混合的な技術分野での観点
タイプ1とタイプ2の技術分野は明確に分けることができるものではないため、両者の間での中