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第4章規則化硬化の速度を支配する因子
4-1.目的
前章では 、 X線回折のリートベルト解析結果から、 十分に規則化した等原 子比 AuCu 合金はAuCu 1型構造をとること、 Au-Cu系二元合金にGaを添加した場 合、 GaはCu-siteを占有する確率が高い ことが明らかになった。 この章では、 Au-Cu基合金の時効硬化挙動に影響する因子として、 規則化 の駆動力を計算に より理 論的に見積もった。 規則化の駆動力の大きさは、 完全不規則状態と完全規則状態の 自由エネルギー変化ムFの大きさと考えることができる。 ムFは
ムF=ムU-TムS ムF :自由エネルギー変化 ムU:内部エネルギー変化 ムS:エントロビー変化
T:温度
と表すことがで きる。 ムFの計算に際しては、 規則一不規則変態について、 Bragg-W山釘nsの理論(31),(32)から最隣接原子聞の相互作用のみを考慮、し、 二元素間
の結合エネルギーを用いた。 二元素問の結合エネルギーは固溶体生成に伴うエンタ ルビー変化ムH(40), (41) から推定した。 このような手法をベースとして、 等原
子比AuCu合金、 およびA u/Cu比が1からず、れたAu-Cu系二元合金についてt3.Fを 計算した。 また、 この合金系では、 規則化エネルギーに相当するものと考えられ る 吸熱量Qを示差走査熱量測定(DSC)を行って実験的に求め、 ムUの計算結果と比 較することにより、 ムUの計算結果の妥当性を検討した。 さらに Au-Cu-Ga系三元 合金に ついても、 合金が規則化したと きにGaがA u -siteを占めた場合、 または Cu-si teを占めた場合について、 それぞれ上記と同様にしてムUを計算し 、 時効硬 化速度と比較検討した。
4-2. i\u-Cu系二元合金 4-2 -1.計算方法と実験方法
面心立方格子(不規則状態)[Fig.4-1(a)]では最隣接原子数は12である。 いずれの格 子位置においても、 Au原子およびC u原 子が合金組成の割合で存在する。
AuCu 1型規 則格子(L 1 o)[Fig.4-1 (b)]の場合、 最隣接原子の結合数は1原子あたり .Ä.usite-Ausite: 1 、 l\.Usite-CUsite:4、 CUsite-CUsite:1である。 これに各siteにおける原
子の存在確率を考慮して自由エネル ギーを計算した。 例えば、 等原子比AuCu合金 の場合、 Au原子はAu-siteに、 Cu原子はCu-siteに100%存在すると した完全規則 状態(F CT)と、 各s ite にAu原子またはCu原子が50%ず、つ 存在するとした完全不規 則状態(FCC)の最隣接原子の結合数の差とAu-Cuの結合エネルギーの値から、 自由 エネルギー変化ムFを計算することができる。 等原子比_!\uCu合金( 50AC)の完全規 則状態と完全不規則状態における各siteの原子占有割合 を模式的にFig.4-2に示 す。 さらに種々のAu/Cu比を持つAu-Cu系二元合金の場合、 Au-rich側では、 最 も規則化した状態と は、 少数原子であるCu原子の 全てがCu-s iteを占有し、 Au原 子は全てのAu--siteを占有し、 さ らに過剰のAu原子が残りのCu--siteへ廻るとした 状態と仮定する。 Fig.4-3に60AC合金の場合を示す。
Cu-rich倶IJについてもAu-rich倶IJと同様に考えて計算を行った。
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Au or Cu atom(a)
o
Auatome
Cuatomhu
Fig.4-1 (a)面心立方格子FCC(不規則状態)および(b)AuCu 1型規則 格子FCT(規則状態)の結晶構造
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