3.国民生活センター相談窓口に 寄せられた消費生活相談
4 要望・情報提供
相談処理を通じて明らかになった問題点 や、消費者としての対応策について、報道機 関を通じ、消費者へ積極的に情報提供した。
また、当該事業者、業界団体、関係行政機 関に対して改善等の要望等を行った。主なも のは次の通りである。
①ネット回線とテレビをつないで視聴する映 像配信サービスに係る消費者トラブル 光回線とテレビを専用端末でつなぐことに より、さまざまなジャンルの専門チャンネル を視聴し、ビデオオンデマンドを楽しめる サービスに関する苦情が増加している。
苦情の多くは、「説明を聞いて無料だと思 い専用端末の送付を了承したところ、無料期 間終了後に何の連絡もなく料金が発生してい た」「無料と言われたから了承したが端末代 金が引き落としされていた」など、販売方法 に関するものである。
こうした現状から、消費者被害の未然防止 のため、事業者団体に要望を行うと共に、消 費者に対して、「無料」期間の特典があって も、もともと有料サービスなので契約するか どうか必要性をよく考えること、サービス 内容や費用について詳しく確認し、すぐに契
3.国民生活センター相談窓口に寄せられた消費生活相談
約しないなどのアドバイスを行った。
②「独立開業で高収入?」軽貨物運送の代理 店契約に関する相談が再び増加!
国民生活センターや各地の消費生活セン ターには以前から、軽貨物運送の代理店契約 に関する相談が寄せられており、一旦減少し たものの、2007年以降、再び増加している。
寄せられている相談の多くは、「独立オー ナー募集」「高収入を得られる仕事を紹介す る」等という広告を見て説明会等に行き、仕 事に必要だと言われて高額な入会金や軽自動 車等の契約をしたのに「実際には仕事が紹介 されない」「仕事は紹介されるが収入になら ない」というものである。
相談者の半数以上が50〜60歳代であり、中 には、“家族を養うため”、“生活のため”に 仕事を探していた人が契約してトラブルとな り、多重債務等、深刻な状況となるケースも みられる。これらのトラブルを防止するた め、特定商取引に関する法律(以下、特定商 取引法という。)では、業務提供誘引販売取 引という取引形態を定め、契約者を保護する 目的で様々な規定を設けているが、代理店を 募る業者の中には、あくまで事業者間の契約 だと主張し、クーリング・オフ等に全く応じ ず、解決困難となることが多い。
そこで、今回は軽貨物運送の代理店契約の トラブルについて問題点を整理し、関係機関 に要望、情報提供すると共に消費者に注意喚 起した。
③結婚相手紹介サービスのトラブルが増加 結婚相手紹介サービスに関する相談は、
2005年度からの5年間で16,663件寄せられて おり、2006年に相談件数がいったん減少した ものの、2007年度以降は毎年増加している。
契約当事者は男性がやや多く、年代別では30 歳代が最も多い。
相談の内容をみると、「解約したいと言っ
たができないと言われた」「解約料が高い」
「返金額が少ない」という解約に関する相談 や、「事前に聞いていたサービス内容と実際 のサービスが異なる」「希望する条件に合っ た人を紹介されない」「紹介してもらっても 相手からの返事がなく、先に進めない」など のサービス内容に関する相談が多くみられ る。
2004年の特定商取引法改正により結婚相手 紹介サービスが規制されるようになった。
サービスの提供期間が2カ月を超え、消費者 が支払う金額が5万円を超えるものであれ ば、特商法に定める特定継続的役務提供の対 象となる。そこで、あらためて問題点をまと め、消費者に情報提供した。
④二次被害としてリゾート会員権など金融商 品以外にも広がる劇場型勧誘トラブル 過去に未公開株や社債のトラブルに遭った 人が、劇場型勧誘によってリゾート会員権、
FX(外国為替証拠金取引)関連ソフトなど といった商品や権利を購入させられ、さらな るトラブルに遭ったという相談が国民生活セ ンターに寄せられている。相談内容は、「過 去に投資トラブルに遭ったことがある。A社 から自宅に電話があり、絶対に高価で買い取 るのでB社の会員権を購入してほしいと誘わ れ、信用してB社の会員権を購入したが、そ の後A社と一切連絡がつかなくなった。B社 に連絡してもA社のことは知らないと言わ れ、解約にも応じてもらえない」などといっ たものである。国民生活センターに寄せられ た相談をみると、リゾート会員権等の契約に 支払った金額は100万円以上のケースが多 く、過去の投資トラブルと合わせると支払っ た金額は非常に高額である。
また、契約当事者の年代を見ると、すべて が60歳代以上であり、高齢者がトラブルに 遭っているという傾向がある。投資トラブル の二次被害ともいえる、こうした手口による
被害の拡大を防止するため、早急に情報提供 を行うこととする。
⑤不当な勧誘で誘う「競馬予想情報提供サー ビス」に注意
「絶対儲もうかる競馬のレースの情報がある」
「『八百長レース』を仕組んであるので、情報 を買わないか」「特別な勝ち馬情報を教え る。当たらなければ保証金を支払う」「着順 を話し合いで決める『デキレース』がある。
情報料を払えば着順を教える。確実に儲もうか る」など、悪質な「競馬予想情報提供サービ ス」に関する相談が2005年度から2010年度の 約5年間にかけて7,557件寄せられている
(2010年12月末日現在登録分。以下同じ)。そ こで、悪質な「競馬予想情報提供サービス」
のトラブルについて、消費者に注意を呼びか けるとともに、日本中央競馬会(JRA)に対 して、悪質な「競馬予想情報提供サービス」
に対する更なる注意喚起を行うよう要望し た。
⑥アダルトサイトの請求画面がパソコン画面 に張り付いて取れない!
「アダルトサイトの請求画面がパソコンの 画面に張り付いて取れない」という相談が、
2009年度は9,339件であったのが、2010年度 においては2011年2月8日現在、19,694件(前 年同期5,166件)と急増している。なかには、
「動画サイトで、無料動画を見ていたとこ ろ、いつの間にかアダルトサイトに接続され た。アダルトサイトの確認画面では、年齢認 証や業務用のパソコンか、などの問いに答え たところ登録となり12万円を支払うようにと の請求画面が表示された。請求画面を消そう としても消えないがどうすればいいか」な ど、意図しない登録により請求されるケース も見られる。
そこで、その仕組みと対応策について、情 報提供を行った。
⑦急増している「水資源の権利」と称する新 手の投資取引のトラブル!
未公開株や社債、ファンドなど投資に関す るトラブルが多発している。このような中、
「ある会社が販売している水資源の権利は銀 行の利息よりも良いものなので買わないか」
などと「水資源の権利」を購入すると配当が 得られるという新たな投資取引に関するトラ ブルが発生している。
これらのトラブルでは、(1)「水資源の権 利」と称する投資取引の内容が不明瞭であ り、どのような仕組みで「配当」が発生して いるのか明らかではなく、(2)販売会社とは 別の業者が「権利を高値で買い取る」とあお るなどいわゆる劇場型の勧誘が目立つ、(3)
「水資源の権利」を購入するためには「譲渡 担保権」を申し込み、「社員券」が送られて くる場合があるが、その契約内容が不明瞭で ある、といった特徴がある。そこで被害の拡 大を未然に防ぐために、注意点をまとめた。
「高値で買い取る」などと権利の購入をあ おる劇場型勧誘のトラブルは、未公開株や社 債、ファンドなどでも問題となっているが、
実際に買い取りが実行されたケースは今まで に1件も確認できていない。詐欺的な勧誘が 行われていることが十分に推測される。執しつ拗よう な勧誘を受けても、「高値で買い取る」など といった、うまい話は絶対に信じないよう消 費者に注意喚起を行った。
⑧賃貸住宅の退去時に伴う原状回復に関する トラブル
アパート、マンション等の賃貸住宅へ入居 する際には、賃貸借契約に基づき、家主に敷 金や保証金を納める例が多い。これらの金銭 は、賃貸住宅から退去した後、家主が滞納家 賃や原状回復費用(賃貸住宅の修繕費等)を 差し引き、残額を借主に返還すべきものと考 えられている。
しかし現実には、賃貸住宅を退去した後、
3.国民生活センター相談窓口に寄せられた消費生活相談
家主が敷金や保証金の精算に応じない、敷金 や保証金を超える高額な原状回復費用を請求 された、などのトラブルが発生している。
2006年度以降、相談件数は増加傾向にあ り、2010年度は11,650件の相談が寄せられて いる。前年の同時期との比較では微増となっ ているが、依然として件数は多く、このとこ ろ高水準で推移している。
年度末に際し、これらのトラブルが増加す ると見込まれることから、退去時に伴う敷金 の返還や、原状回復の基本的な考え方に関し て情報提供を行い、借主である消費者へアド バイスした。
⑨自社割賦を支払手段とした販売方法に問題 のある相談が増加
割賦販売法が改正され、特に個別クレジッ トについて規制が強化された。その影響か、
個別クレジットで契約した相談は減り、自社 割賦(2カ月以上、3回以上の分割で販売業 者等に商品代金等を支払うもの)で契約した 相談が増加傾向にある。自社割賦で契約した 相談の内容をみると、訪問販売等で販売業者 等から、ふとんや健康食品等を強引に勧誘さ れたケースや、「高額で支払えない」と契約 を断ると自社割賦を勧められるケースが見ら れた。
自社割賦は販売業者等と消費者の二者間契 約であり、個別・包括クレジットのような、
クレジット業者による販売業者等の勧誘内容 の加盟店調査や、過剰与信を防止するための 消費者のクレジット債務の調査は行われな い。そのため、販売業者等が強引な勧誘を行 いやすかったり、消費者の支払能力に見合わ ない契約をさせて、支払困難な状況に陥らせ る恐れがある。自社割賦を利用した販売方法 に問題のある相談について現状をまとめ、関 係省庁に情報提供し、消費者に注意喚起し た。
(相談情報部)