★
★:建設予定地
[mg/m3]
(6) 影響の分析
① 影響の分析方法
影響の分析は、予測の結果を踏まえ、建設機械等の稼働に伴う排出ガスの影響が実行可 能な範 囲内で 回避 され、 または 低減さ れて いるも のであ るか否 かに ついて 検討し た。ま た、
生活環境の保全上の目標と予測結果を対比して、その整合性を検討した。
② 影響の分析結果
ア 影響の回避または低減に係る分析
建設機械の稼働に伴う排出ガスの影響については、次のとおり環境保全措置を実施する ことから、実行可能な範囲内で低減できる。
【建設機械の排出ガスに係る環境保全措置】
・建設機械のアイドリングストップを励行する。
・建設機械は十分な点検、整備を行い、性能の維持に努める。
・工事工程の管理を行い、建設機械が過密に稼働することのないよう努める。
イ 生活環境の保全上の目標との整合性
建設機械の稼働に伴う排出ガスに係る生活環境の保全上の目標は、「大気汚染に係る環 境基準」とした。
予測結果との比較は表4-1-81、表4-1-82に示すとおり、建設予定地周辺の住宅等の位置 における二酸化窒素の「日平均値の年間98%値」の最大値は0.034ppm、浮遊粒子状物質の
「日平均値の2%除外値」の最大値は0.050mg/㎥と予測され、目標を下回り、生活環境の 保全上の目標と整合する。
表4-1-81 建設機械の排出ガスの生活環境の保全上の目標との比較(二酸化窒素)
予測地点
予測濃度(ppm)
生活環境の 保全上の 目標
年平均値 日平均値
北西側住宅 0.0173 0.033
日平均値0.04~0.06ppm 以下
西側住宅 0.0179 0.034
注)1.年平均値は、現況濃度(バックグラウンド濃度)と寄与濃度を加算した値である。
2.日平均値は、日平均値の年間98%値を示す。
表4-1-82 建設機械の排出ガスの生活環境の保全上の目標との比較(浮遊粒子状物質)
予測地点
予測濃度(mg/m3)
生活環境の 保全上の 目標
年平均値 日平均値
北西側住宅 0.0203 0.050
日平均値0.10mg/m3 以下
西側住宅 0.0204 0.050
注)1.年平均値は、現況濃度(バックグラウンド濃度)と寄与濃度を加算した値である。
2.日平均値は、日平均値の2%除外値を示す。
4-1-5 工事車両の走行に伴う排出ガスの予測及び影響の分析 (1) 予測項目
予測項 目は、 工事 車両 の 走行に 伴う排 出ガ スに よ る二酸 化窒素 、浮 遊粒 子 状物質 とした。
(2) 予測地点
工事車 両の 走行 ルー トは 図4-1-60に示す とお り、 市街地 方面 から のア クセ スを想 定し た。
予測地点は、工事車両の走行ルートの沿道で、住宅等が立地する地点として、現地調査 を実施した「宇谷小学校」及び「太秦2号公園」の2地点とした。
図4-1-60 工事車両の走行ルート及び予測地点
北側から搬入するルート
南側から搬入するルート
N
予測地点
(宇谷小学校)
■
予測地点 (太秦2号公園)
■
(3) 予測方法
① 予測式
予測式は、「4-1-3 ごみ収集車等の走行に伴う排出ガスの予測及び影響の分析」 と同様 に「道路環境影響評価の技術手法(平成24年度版)」(平成25年、国土交通省国土技術政策 総合研究所)に基づく大気の拡散式(プルーム式及びパフ式)を用いた。
② 予測条件
ア 工事車両の台数
新焼却施設の建設工事による車両台数が最大となるのは、既設工作物の撤去及び基礎工 事に伴いがれき類や残土を搬出する時期と想定される。この時期における工事車両の台数 を表4-1-83に示すとおり設定した。
表4-1-83 工事車両の台数
単位:台/日 地点
工事車両台 数
(大型車) 交通配分
宇谷小学校 96 約2/3
太秦2号公園 48 約1/3
合計 144 -
注)1.予測計算は往復を考慮した交通量とした。
2.時間帯は、特定建設作業の作業可能時間7~19時を想定した。
3.交通配分は、ごみ収集車両等の配分と概ね同様になるものと想定した。
イ 工事時交通量
工事時 におけ る交 通量 は 、現況 交通量 に工 事車 両 交通量 を加算 する こと に より設 定した。
工事時交通量を表4-1-84に示す。
表4-1-84 工事時交通量
単位:台/日
予測地点 車種
現況交通量 工事車両交 通量 工事時交通 量
(A) (B) (A+B)
宇谷小学校
大型車類 616 192 808
小型車類 5,294 0 5,294
自動車類合 計 5,910 192 6,102
太秦2号公 園
大型車類 525 96 621
小型車類 7,629 0 7,629
ウ 走行速度
予測地点における走行速度は、規制速度である40km/hに設定した。
エ 大気汚染物質排出量
窒素酸化物(NOx)及び浮遊粒子状物質(SPM)の時間別平均排出量の算出には、以下の式を 用い、排出係数は表4-1-85に示す係数を設定した。
( ) × ∑
=×
×
=
21 i
) E (N (1/1000)
1/3600
it it
Vw
Q
ここで、
Q
tE
iN
itVw
:時間別平 均排出量 (mL/m・sまたはmg/m・s)
:車種別排 出係数 (g/km・台) ・・・表4-1-85の係 数
:車種別時 間別交通 量(台/h)
:換算係数 (mL/gま たはmg/g)
窒素酸化物(NOx) :523mL/g(20℃、1気圧)
浮遊粒子状 物質(SPM):1000mg/g(体積換 算不要)
表4-1-85 排出係数の設定
単位:g/km・台 走行速度
(km/h)
窒素酸化物(NOx) 浮遊粒子状 物質(SPM) 小型車類 大型車類 小型車類 大型車類 40 0.107 2.472 0.005183 0.143874
出典:「道路環境影響評価に用いる自動車排出係数の算定根拠(平成22年度版)」
(平成24年2月、国土技術政策総合研究所資料No.671)
オ 道路断面
各予測地点における道路断面図は図4-1-61に示すとおりであり、予測位置は道路の両側 の地上1.5mの位置とした。
単位:mm
S=1:100
【宇谷小学校】
単位:mm
S=1:100
【太秦2号公園】
図4-1-61 道路断面図
11,050
1,900 3,000 500
3,000 2,150 500
予測位置 H=1.5m ●
南行き車線 歩道 路肩
路肩
歩道 北行き車線
11,200
2,800 2,800
2,800 2,800
●
予測位置 H=1.5m
西行き車線 東行き車線
歩道 歩道
●
予測位置 H=1.5m
● 予測位置
H=1.5m
カ バックグラウンド濃度の設定
バックグラウンド濃度は、道路沿道地点で実施した現地調査結果(年間の期間平均値)を 用いた。
バックグラウンド濃度の設定を表4-1-86に示す。
表4-1-86 バックグラウンド濃度の設定
項目 宇谷小学校 太秦2号公 園 二酸化窒素(ppm) 0.017 0.016 窒素酸化物(ppm) 0.026 0.022 浮遊粒子状 物質(mg/m3) 0.021 0.019 注)バックグラウンド濃度は、予測道路における現況の濃度である。
キ NOxからNO2への変換
NOxか らNO2へ の 変 換式 は 、 「 道 路環 境 影 響 評 価の 技 術 手 法(平 成24年 度 版)」 ( 平 成25年 、 国土交通省国土技術政策総合研究所)に示される以下の式を用いた。
[NO2]R=0.0714[NOx]R 0.438
(1-[NOx]BG/[NOx]T)0.801
ここで、[NOx]R :窒素酸化物の対象道路の寄与濃度(ppm)
[NO2]R :二酸化窒素の対象道路の寄与濃度(ppm) [NOx]BG:窒素酸化物のバックグラウンド濃度(ppm)
[NOx]T :窒素酸化物のバックグラウンド濃度と対象道路の寄与濃度の
合計値(ppm) ([NOx]T=[NOx]R+[NOx]BG)
ク 年平均値から日平均値の年間98%値及び2%除外値への変換
予測結果は、年平均値で求められるが、環境基準との整合性を検証するため、二酸化窒 素(NO2)の場合は、日平均値の年間98%値に、浮遊粒子状物質(SPM)の場合は、日平均 値の2%除外値に変換する必要がある。
[NO2日平均値の年間98%値]=a([NO2]BG)+[NO2]R)+b
a=1.34+0.11・exp(-[NO2]R/[NO2]BG) b=0.0070+0.0012・exp(-[NO2]R/[NO2]BG) [SPM日平均値の2%除外値]=a([SPM]BG)+[SPM]R)+b
a=1.71+0.37・exp(-[SPM]R/[SPM]BG) b=0.0063+0.0014・exp(-[SPM]R/[SPM]BG)
ここで、[NO2]R :二酸化窒素の道路寄与濃度の年平均値(ppm)
[NO2]BG:二酸化窒素のバックグラウンド濃度の年平均値(ppm)
[SPM]R :浮遊粒子状物質の道路寄与濃度の年平均値(mg/m3)
[SPM]BG:浮遊粒子状物質のバックグラウンド濃度の年平均値(mg/m3)
(4) 予測結果
工事車両の走行に伴う排出ガスによる大気汚染物質( 二酸化窒素、浮遊粒子状物質)の 予測結果を表4-1-87、表4-1-88に示す。
二酸化窒素の「日平均値の年間98%値」は宇谷小学校では0.033ppm、太秦2号公園では 0.032ppm、浮遊粒子状物質の「日平均値の2%除外値」は宇谷小学校では0.052mg/㎥、太 秦2号公園では0.047mg/㎥と予測される。
表4-1-87 工事車両の二酸化窒素の予測結果
予測地点
年平均値(ppm)
日平均値の 年間98%値
(ppm)
環境基準 現況濃度
①
工事車両の 寄与濃度
②
予測濃度
①+②
宇谷小学校 0.017 0.000299 0.017299 0.033 日平均値の 年間98%値 0.04~0.06ppm
以下 太秦2号公 園 0.016 0.000170 0.016170 0.032
注)1.現 況 濃 度 ( バ ッ ク グ ラ ン ド 濃 度 ) は 道 路 沿 道2地 点 で 実 施 し た 現 地 調 査 結 果 ( 年 間 の 期 間 平 均 値 ) で あ る 。 2.寄与濃度は道路両側の官民境界の高い方の濃度である。
表4-1-88 工事車両の浮遊粒子状物質の予測結果
予測地点
年平均値(mg/m3)
日平均値の 2%除外値
(mg/m3)
環境基準 現況濃度
①
工事車両の 寄与濃度
②
予測濃度
①+②
宇谷小学校 0.021 0.000092 0.021092 0.052 日平均値の 2%除外値 0.10mg/m3
以下 太秦2号公 園 0.019 0.000048 0.019048 0.047
注)1.現 況 濃 度 ( バ ッ ク グ ラ ン ド 濃 度 ) は 道 路 沿 道2地 点 で 実 施 し た 現 地 調 査 結 果 ( 年 間 の 期 間 平 均 値 ) で あ る 。 2.寄与濃度は道路両側の官民境界の高い方の濃度である。
(5) 影響の分析
① 影響の分析方法
影響の分析は、予測結果を踏まえ、工事車両の走行に伴う排出ガスの影響が実行可能な 範囲内で回避され、または低減されているものであるか否かについて検討した。また、生 活環境の保全上の目標と予測結果を対比して、その整合性を検討した。
② 影響の分析結果
ア 影響の回避または低減に係る分析
工事車両の走行に伴う排出ガスの影響については、次のとおり環境保全措置を実施する ことから、実行可能な範囲内で低減できる。
【工事車両の排出ガスに係る環境保全措置】
・車両運行にあたっては、過積載の防止、制限速度の遵守を徹底し、アイドリングスト ップ、スムーズな加速・減速を行うなどのエコドライブについて指導を行う。
イ 生活環境の保全上の目標との整合性
工事車両の走行に伴う排出ガスに係る生活環境の保全上の目標は、「大気汚染に係る環 境基準」とした。予測結果との比較は表4-1-89、表4-1-90に示すとおり、二酸化窒素の
「日平均値の年間98%値」は宇谷小学校では0.033ppm、太秦2号公園では0.032ppm、浮遊 粒子状物質の「日平均値の2%除外値」は宇谷小学校では0.052mg/㎥、太秦2号公園では
0.047mg/㎥と予測され、目標を下回り、生活環境の保全上の目標と整合するが、道路交通
騒音及び交通安全を考慮し、次頁に示す環境保全措置を講じる。
表4-1-89 工事車両の排出ガスの生活環境の保全上の目標との比較(二酸化窒素)
予測地点
予測濃度(ppm)
生活環境の 保全上の 目標
年平均値 日平均値
宇谷小学校 0.017299 0.033 日平均値0.04~0.06ppm 以下
太秦2号公 園 0.016170 0.032
注)1.年平均値は、現況濃度(バックグラウンド濃度)と寄与濃度を加算した値である。
2.日平均値は、日平均値の年間98%値を示す。
表4-1-90 工事車両の排出ガスの生活環境の保全上の目標との比較(浮遊粒子状物質)
予測地点
予測濃度(mg/m3)
生活環境の 保全上の 目標
年平均値 日平均値
宇谷小学校 0.021092 0.052
日平均値0.10mg/m3 以下
太秦2号公 園 0.019048 0.047
注)1.年平均値は、現況濃度(バックグラウンド濃度)と寄与濃度を加算した値である。
2.日平均値は、日平均値の2%除外値を示す。