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解答

ドキュメント内 I ( ) 2019 (ページ 102-105)

第 9 章 力学的エネルギー保存則 (2) 89

9.7 解答

答128略。

答129 物体を基準点から点r0まで運ぶときに保存力F がなす仕事をW(r0)とすると,定義から,

U(r0) =−W(r0) (9.51)

である。同様に, 物体を基準点から点r1 まで運ぶとき に保存力Fがなす仕事をW(r1)とすると,

U(r1) =−W(r1) (9.52)

9.7 解答 95

図9.4 問129の仕事の経路。

である。ここで,基準点から点r1へ物体を運ぶときの経 路を,点r0を経由するようにとれば(図9.4), 保存力ゆ えに仕事は経路によらず一定なので,W(r1) =W(r0) + W01 となる。ここでW01は物体を点r0から点r1に運 ぶときの仕事。この式のW(r0), W(r1)を,式(9.51),式 (9.52)を使って置き換えると,−U(r1) =−U(r0)+W01

となる。従って,U(r0)−U(r1) =W01

答130閉曲線Γに沿う移動によってなす仕事をW とす る。移動の開始点をr0とすると,移動の終了点もr0で ある。保存力だから, 式(9.15)で, r1 =r0, W01=W として,W =U(r0)−U(r0)となる。右辺は0だから, 結局,W = 0となる。

答132 (1)点Cをポテンシャルエネルギーの基準点 とする。点Aでは, 運動エネルギーは0,ポテンシャル エネルギーはmghである。従って力学的エネルギーは mghとなる。点Cでは, 運動エネルギーはmv2/2, ポ テンシャルエネルギーは0である。従って力学的エネル ギーはmv2/2となる。働く力は重力と垂直抗力だけだ が,重力は保存力であり,垂直抗力は仕事をしない(移動 方向と力の方向が直交しているので)。従って力学的エ ネルギー保存則が成り立つ。すなわち, 点Aと点Cで 力学的エネルギーは等しいことから,与式を得る。

(2)前小問より, v=√

2gh=√

2×9.8 m s2×5 m = 9.9 m s1 (3) 半円形ハーフパイプの高さがhなのだから, この円 の半径はhである。式(5.37)より, C点では人は円の中 心に向かって(つまり上向きに),mv2/hという合力を 受けるはず。一方, 垂直抗力をN とする。人には下向 きにmgという重力も働くから, 上向きの力は, 垂直抗 力と重力の合力であり,その大きさはN−mgである。

従って, N−mg=mv2/hである。従って, N= mv2

h +mg (9.53)

である。小問(1)よりmv2= 2mghだから,

N = 2mg+mg= 3mg (9.54)

となる。よって垂直抗力は, 半径hによらず, 重力の3 倍。だからハーフパイプ走者は重力の3倍の力に耐える 頑丈な肉体を持っていなければならない。

答133 (1)tからt+dtの間にXが移動する距離は, l|θ(t+dt)−θ(t)|である。微分の定義から,これはl|θdt| に等しい。これをdtで割ったものが速度の大きさにな る。したがって与式が成り立つ。(2) 略(T = mv2/2vに前小問の結果を代入すると,運動エネルギーT の 与式を得る。また, Oに比べてX はl(1−cosθ)だけ高 い位置にある。従って,重力によるポテンシャルエネル ギーUの与式を得る。)(3), (4)略。(5)略。(sinθθ とすればよい)(6)略。(7)略(式(9.37)の左辺と右辺に 代入して, それらが等しくなることを示せばよい)。(8) τ= 2π/ωより(式(5.4))参照),

τ= 2π√

l/g (9.55)

(9) 角速度は, ω = √

g/l = √

9.8 m s2/(1.0 m) = 3.1 s1。周期は(計算略),τ = 2π/ω= 2.0 s。

(10)式(9.55)より, τ

lに比例するから, τを半分 にするには,

lを半分にすればよい。従ってlを1/4倍 にすればよい。

答 134 (1) 式(9.55) を変形して g =の式にすると, g = 4π2l/τ2。(2)月面では重力加速度が地表の1/6倍 になる。式(9.55)より, τ は1/√g に比例するから, g が1/6倍になるとτ

6 = 2.4倍(ゆっくり振動)。

よくある質問84 ポテンシャルエネルギーは,力学的エネル ギー保存則を見やすくするために定義されたもの,と考えてよ いのですか? ... それだけではありません。まず,力はベクト ルだけどポテンシャルエネルギーはスカラーなので,力を直接 考えるよりも,数学的に取扱いがシンプルで楽になります。ま た,量子力学では力よりもポテンシャルエネルギーの方が直接 的に重要な働きをします。

よくある質問85 力学的エネルギー保存則とエネルギー保存 則は違うんですね? ... 違うというより,前者は後者の一種(特 別なケース)ですね。

よくある質問86 「保存力は径路に依存しない」というフ レーズが頭にしっくりこない。 ... ちょっと省略しすぎです ね。「保存力がなす仕事は,径路によらず,始点と終点だけで決 まる」というのが正しい表現です。例え話でいうと,山を登る

96 第9章 力学的エネルギー保存則(2) のに,きつい勾配の坂をまっすぐ登るのと,ジグザグになった

緩やかな道を登るのとでは,全体の仕事(力かける距離)は同 じということです。きつい道では大きな力が(移動方向に)か かるけど,そのぶん短くてすみます。

コラム : ベクトルは太字 , スカラーは細字なの はなぜか ?

「ベクトルは太字で書く」が,ちゃんとできない人が多い。

そもそもなぜベクトルは特別な書き方(太字で書く)をする のだろう?それは,スカラーとベクトルは,本質的に違う量であ り,計算ルールも異なるからだ。

例えば「スカラーでの割り算」は(0で割る以外は)許され るが,「ベクトルでの割り算」は許されない。スカラー同士や ベクトル同士は足せるが,スカラーとベクトルは足せない。ス カラーとベクトルの大小関係は比べられないし,スカラーとベ クトルが等号で結ばれることもない。それらの「ルール破り」

を防ぐための「要注意記号」として,ベクトルを太字や上付き 矢印で書くのだ。

ベクトルは太字という慣習を守らない人は,そもそも何がベ クトルで何がスカラーかをわかっていない可能性がある。そ れはかなりヤバイ。ベクトルを太字で書かないと減点される のは,「わかってる風を装っているだけで,実はわかっていな い」のではないかと思われているのだ。逆に言えば,「自分は どれがベクトルでどれがスカラーなのかちゃんとわかってる ぜ!」ということをアピールするために,ベクトルを太字で書く のだ。

ところが,ひとつの直線上に限定された現象(直線運動)で は,ベクトルとスカラーを区別する必要はないので,本来ベク トルである量もスカラーとして扱い,細字で書く。このような 場合も,力や速度や加速度には向きがあるが,それは符号(正 か負か)で表現できるので,スカラーで十分であり,わざわざ ベクトルとして扱う必要は無い。ベクトルとして扱っても,数 値で表現するときは,ひとつの数値(成分)しかない。

数学や物理では, 「区別すべきものは区別せねばならない が,区別する必要のないものは,理由もないのに区別したりし てはいけない」という慣習がある(例外もあるが)。これに照 らせば,直線上に限定されることが最初からわかっている運動 ではF =maのように書いてよいし,むしろそう書かねばな らない(F, m, aは力,質量,加速度)。この場合はFaはス カラーと同様に扱うことができ,m=F/aと書けるからでも ある(a̸= 0の場合)。

コラム : 問題を解くコツ

物理学の問題を解くには,いくつかのコツがある。

1. 値の代入は最後にやる!

既に述べたが,答を数値で求める問題も,できるだけぎりぎ りまで,数値ではなく文字の式変形で攻めよう。そして,求め たい量を既知の量で表す式が求まった段階で,既知の量の数値

を代入して一気にまとめて数値計算をするのである。最初や 途中から数値を代入してしまうと,式変形と数値計算が混在し てしまい,ミスを起こしやすく,また,ミスの発見がやりにく くなる。一方,最後にまとめて計算すれば,約分の組み合わせ がたくさんできるので,計算が効率よく,正確にできる。

2. ベクトルかスカラーかを考える。

今扱っている量がベクトル(向きを持つ量)なのかスカラー

(向きは持たず, 大きさだけを持つ量)なのかを意識しよう。

速度,加速度,力,運動量はベクトル。エネルギー,仕事,質量 はスカラー。ベクトル=スカラーみたいな等式(方程式)は絶 対に成り立たない。そんな変な式を立てていないかチェック しよう。そのためにも,ベクトルは太字で書く,ということを 徹底しよう。

3. 次元をチェック!

式 変 形 の 途 中 や 最 終 結 果 の 次 元 を チ ェ ッ ク し よ う 。例 え ば 運 動 方 程 式 を 解 い て, 質 点 の 速 度 v に 関 す る 式 を 得 た ら, そ れ が 速 度 の 次 元 を 持 っ て い る か を チ ェ ッ ク す る 。

v= exp(−αt/m)−mgのような式を見たら,一瞬で「これは

違う!」と気づかねばならない(expは必ず無次元である...わ からない人は「大学1年生のための数学入門」を見よう!)。次 元をチェックしていれば,単位を忘れる,ということはありえ ない。

4. 初期条件をチェック!

運動方程式を解く場合は,たいてい,初期条件が与えられて いる。式変形の最後に得た式に,t= 0を入れてみよう。それ が初期条件が満たすかどうかをチェックしよう。

5. t→ ∞をチェック!

与えられた問題は,時間が十分たてばどうなるかが常識的に わかることがある。例えば,摩擦を受けて運動する物体は,い ずれ止まったり,一定速度に落ち着いたりすることが多い。運 動方程式を解いて得た式で時刻tにしてみて,実際にそ うなるかどうかを確認しよう。

6. x= 0やt= 0のまわりで線形近似!

方程式を解いて得た式について, 0のまわりで線形近似して みよう。それは多くの場合,得た式よりもシンプルになり,直 感的に解釈しやすい。例えば空気抵抗つきの自由落下の問題 では,t= 0のまわりでの線形近似はv=−gtのように簡単 な式になる。それが君の物理的直感に整合するかを考えよう。

7. 保存則をチェック!

物理は,運動方程式を解くのが正攻法だが,それを迂回する のが「保存則」である。条件設定によって,保存する量とそう でない量がある。保存量があれば,それに着目して問題を考え るとシンプルに解けることが多い。運動方程式を立てたり解 いたりする前に,保存則が使えないかを考えよう。

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第 10 章

角運動量保存則

10.1 外積

以下の話で,「外積」という概念が必要になる。詳し いことは数学の教科書を読んでもらうとして, ここでは 外積の概略だけを述べておく。

3次元空間中の正規直交座標系*1で表された2つの幾 何ベクトルa= (a1, a2, a3),b= (b1, b2, b3)について,

(a2b3−a3b2, a3b1−a1b3, a1b2−a2b1) (10.1) というベクトルを与えるような演算を 外積 と呼び,a×b と表す(この×を省略したりと書き換えたりしてはい けない!)。すなわち,

a×b= (a1, a2, a3)×(b1, b2, b3)

:= (a2b3−a3b2, a3b1−a1b3, a1b2−a2b1) (10.2) である。

外積には, 以下のような幾何学的性質がある(ここで は証明はしない):

性質1. |a×b|,a,bが張る平行四辺形の面積に 等しい*2

性質2. a×bは,abの両方に垂直である。

性質3. a×bは,aからbに右ネジをまわすときに ネジが進む側にある。

性質4. a×bb×aは,互いに等しい大きさで逆 向きである。すなわち,

a×b=b×a (10.3)

性質5. 互いに平行なベクトルどうしの外積はゼロ である。特に, 同じベクトルどうしの外積はゼロで ある。すなわち,

a×a=0 (10.4)

*1x, y, z3つの座標軸が互いに直交しており長さのスケール が同じ座標系。まあいわば「普通の座標系」のことである。厳 密には,「右手系」という性質を満たす必要がある。そのこと は今,理解できなくてもよい。

*2それは|a||b|sinθである。ここで,θa,bのなす角。

性質4は, 性質2, 性質3から示すことができる。性 質5は,性質1から示すことができる。

● 問136 以下の各場合について, a×bを求め, a,b の張る平行四辺形の面積を求めよ。

(1) a= (1,2,0), b= (1,1,1) (2) a= (1,0,1), b= (1,1,2)

● 問137 2つのベクトル: a(t) =(

a1(t), a2(t), a3(t))

,b(t) =(

b1(t), b2(t), b3(t)) が,ともに変数tの関数であるとする。次式を示せ(ダッ シュはtによる微分を表す):

(a×b)=a×b+a×b (10.5)

ドキュメント内 I ( ) 2019 (ページ 102-105)

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